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【選挙ウォッチャー】 宇都宮市長選2020・分析レポート。

11月8日告示、11月15日投開票で、宇都宮市長選が行われました。立候補したのは、今年で5期目を目指す現職の佐藤栄一さんと、共産党を中心に野党共闘の候補として立候補した新人の須藤博さんの2人です。最大の争点となっているのは宇都宮駅東口から伸びるLRT(次世代路面電車システム)の是非で、事業予算は458億円、このうち宇都宮市が負担する金額は206億円という計画になっています。ただし、日本の悪しき慣習として予算と実際の金額が全然違うのが通例で、実際には1000億円以上かかってしまうのではないかと見ている人たちもいます。昨年5月末をもって宇都宮の顔であった「パルコ」が閉店し、その跡地の利用も決まらない中、路面電車を走らせることで街が豊かになるのかどうか。真剣に検証してみる市民はそれほど多くないようです。

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佐藤 栄一 59 現 自民・公明推薦
須藤 博  77 新 立憲・共産・社民推薦

ポイントの一つは、新人の須藤博さんが77歳であるということです。現職の佐藤栄一さんは、ポスターでも自分がまだ50代(実際には59歳なのでギリギリ)であることをアピールしていましたが、現職で高齢の候補はたくさん見ますが、新人で高齢の候補は滅多に見るものではありません。本当は年齢に関係なく、スゴい人はスゴいし、ショボい人はショボいのですが、イメージで投票する人が多い今、年齢は選挙に大きな影響を及ぼします。須藤博さんは遅咲きの人で、77歳でもまだまだ活躍しそうな人ですが、多くの人は須藤博さんに会うこともないため、年齢で判断した人は比較的多かったのではないかと思います。久しぶりに面白い選挙になりました。


■ 宇都宮市はN国の「謝罪王」がいる街

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 宇都宮市は、NHKから国民を守る党の遠藤信一が当選してしまった街である。副党首の大橋昌信らとともに、N国党の黎明期から立花孝志を支えてきた古参メンバーの一人で、先日は「ミネラルミネラルソリューション」という亜塩素酸ナトリウム水溶液にクエン酸水溶液を混ぜたものが新型コロナウイルスに効くと動画で紹介し、マネをした人が深夜に病院送りになってしまったことを受け、議会で謝罪する事態に発展した。
 また、今年9月には大谷スマートIC計画中止、または建設場所の変更に関する請願の提出にあたり、請願提出者として記載された人が市議会議員に請願を紹介するような依頼はなかったにもかかわらず、本人に請願の意思があるかどうかを確認することなく、同僚議員に勧められるがまま、軽率にも紹介議員として署名したばかりか、他の同僚議員にも署名を勧めたとして謝罪文による陳謝の懲罰が課せられた。
 まさに、宇都宮市の「謝罪王」である遠藤信一は、ただのトラブルメーカーのオッサンである。リコールを求めるべき税金の無駄遣いでしかない議員であるが、このままだと2023年までは議員の椅子に座り続ける。


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