見出し画像

【新型コロナウイルス】 危険厨の防護マニュアル・第7章。

いよいよ今日が最後になりました。約15万8000文字のレポートになりましたが、現時点で僕が書きたいことは概ね書けたような気がします。新型コロナウイルスが終息するのはずいぶん先のことであり、しばらくは防護しなければならないし、経済にも大きなダメージがあると思うのですが、みんなで生き残るための作戦を考えていかなければなりません。この第7章ではそこまで先のことは語っていないのですが、政治がどれだけ大切なのかを皆さんに説明しています。この章だけでも読んでいただきたいです。


【第7章】政治と新型コロナウイルス

 私たちは、ちゃんとした政治家を選ぶ必要があります。かつての日本の政治家は立派だったのかもしれません。ところが、だんだんと二世議員、三世議員が増えてしまいました。政治家の息子で能力が高ければ、どこぞの大手企業で大活躍しているはずなのですが、どこぞの企業で能力を発揮できるほど能力の高くないボンクラ息子が、政治家ファミリーのプライドを守るために政治家になり、ろくすっぽ役に立たないという地獄絵図です。
 しかし、こうなっているのは私たちにも責任があります。当たり前のことを言いますが、こうしたボンクラ息子に投票しているのは、私たち有権者だからです。たまに「不正選挙」を訴える陰謀論者がいますが、全国各地の選挙を見守る仕事をしている私は、そこに不正選挙がないことを断言したいと思います。むしろ、不正選挙だった方がボンクラが選ばれている理由がハッキリして良いぐらいです。でも、実際には不正選挙ではなく、リアルにボンクラが選ばれている、ボンクラに投票している人がたくさんいるのです。
 ボンクラが選ばれてしまう理由は、候補者が「勝てるぐらいに有名かどうか」を基準に選ばれているため、優秀な無名の新人より、有名なボンクラ息子を立候補させる傾向にあること。ボンクラ息子は能力が低いので、プレゼン能力にも乏しく、適当なことを言うしかないので、たまに失言をしてしまうこともあるのですが、黙っていればあまり問題に発展しないこと。神輿は軽い方が担ぎやすく、判断能力がないので何でも「やる」と言って、地元商工会などのお願いを聞いてくれそうなこと。そして何より、多くの国民が政治に興味関心がなく、政治に興味を持つことがタブーとされているため、政策をあまりチェックせず、雰囲気で投票したり、お願いされた人に投票していること。みんながこぞってボンクラに投票しているので、ボンクラが当選し、結果として国民が望むような政治をしてもらえなくなっているというわけです。
 ボンクラが政治家になり、まともな仕事をしないことは、のちに「失われた20年」みたいな言葉で表現されるわけですが、その間、こうしたボンクラの仕事を批判する人はほとんどいません。最近は「政治家の皆さんも頑張っているのだから批判したら可哀想だ」と言ってしまう人が続出するほど。本当は批判をするから世の中が変わるのに、みんなが黙ってしまうので、どんどん頭の悪い政策を推し進めるようになり、最終的にどうなるかと言ったら、新型コロナウイルスのような有事の際に、まともな政策を打ち出すことができず、人が死ぬということになります。
 ナイフで人を刺し殺せば「殺人」になり、その人は人生のほとんどを牢屋の中で過ごすことになります。しかし、まともな政策を打ち出せず、ろくすっぽ仕事をしなかった結果として人が死んでも、誰かが責任を取ることはありません。安倍晋三総理はこれまで何度も「責任は私にある」という言葉を吐いていますが、責任を取ったことは一度もありませんし、何をすれば責任を果たしたことになるのかを誰も示さないので、ただ「責任」と言っているだけで、死んでいく国民の数が増えていくだけです。
 そもそも「国」というのは何のためにあるのか。それは、みんなで助け合うことで、より良い暮らしをするためにあります。昔から日本で暮らしている人も、途中から日本で暮らし始めた人も、性別、年齢、肌の色や出身地、病気や障害の有無に一切関係なく、この地で暮らす者は「日本人」であり、日本人同士が助け合うことで、より良い暮らしをするのです。そのために私たちは世界でも特に高いと言われている税金や年金、社会保険などを支払ってるのです。
 ところが、この国には「お国のために死ね」という精神がまだどこかに残っているのかもしれません。旅行に行く回数を減らし、飲みに行く回数を減らし、タバコの本数を減らし、オシャレな服を諦め、慎ましい生活をしながら、たくさんの税金を払っているのに、いざとなった時には「自己責任」を押し付けられる。国民に痛みを強いるだけで、ヘンテコな政策ばかり。それをネトウヨ文化人たちが「よくやっている」と絶賛することで、まるでやっているかのように演出する。しかし、すべては数字で表れています。経済は20年以上も停滞を続け、一人あたりのGDPでは韓国に抜かされ、老後を生きるためには2000万円以上の貯金が必要で、貯金を持っている人の割合はどんどん減っていて、極めつけは新型コロナウイルスの感染者と死者の数です。僕たちの年金を大量に株に突っ込むというヤラセをしたことで、株を持っているお金持ちは得をしましたが、今回のコロナショックで年金は溶け放題に溶け、私たちの老後は絶望的にお金がもらえなくなりました。今、この新型コロナウイルスで大変なことになっている時に、安倍政権がどさくさに紛れて通そうとしているのは、年金をもらえる年齢を75歳にしようという話です。これからあらゆるところでAIが導入され、バスやタクシーも自動運転になるかもしれない中で、いつまでも年金がもらえなくなってしまうのです。年金の受給年齢がどんどん引き上げられ、支給額がどんどん減らされるようになったのは、安倍政権になってからです。10年も経たないうちに急速に年金を支払うためのお金が枯渇し、お金を払えなくなっているとしか思えません。どうしてこんなことになっているのか。今日の今日まで私が繰り返し訴えてきたことですが、世界恐慌が起こった時には、私たちの年金が溶けてなくなってしまい、私たちの老後は立ち行かなくなる。そして、もう世界恐慌は起きてしまったので、私たちの年金はゲロを吐くほど失われました。もちろん、その責任はすべて安倍政権にあるわけですが、これまでデータを改ざんして生きてきた人たちなので、退陣するまで認めないことでしょう。それでもサラリーマンを続けている限り、年金は強制的に徴収されてしまうのです。みんなが年金が溶けてなくなっていることに気づき、困る頃には安倍晋三総理は何の責任も取らずに、とっくに死んでいることでしょう。もしかしたら、昭恵夫人だけが無駄に長生きして悠々自適な生活を送っているかもしれません。
 こうやって書くと「ただ安倍晋三総理を批判したいだけなのだろう」と穿った見方をする人がいるのですが、かねてから爆発的に感染者が増えてしまうことが危惧されていながら、今日の今日まで無策だったことを見れば、改めて説明が必要だとは思えません。安倍政権は西日本豪雨災害の時にも「赤坂自民亭」と称して、酒を飲んでワァーをやっていましたし、台風15号や17号の時にも働きませんでした。あの時に被災した人たちに十分な補償ができているかと言ったら、まったくできていません。いまだに屋根の上にはブルーシートが張られている状態です。
 のちに、ダイヤモンド・プリンセス号で何が起こっていたのかを検証するジャーナリストが現れたりするかもしれませんが、あのグダグダなオペレーションを見せつけられたら、この国には本当に問題を解決する能力がないんだということがよくわかると思います。あのオペレーションは、その後の新型コロナウイルス対策でも改善されないまま、PCR検査も進まず、厚生労働省の職員も含め、日本の感染者数や死亡数のデータを正確に把握している人は、この国には1人もいないのです。
 この本が出版される頃には、もう少しまともな政策が打ち出されていることを願うばかりですが、今のところ、安倍政権が実行している政策は、466億円かけて布マスク2枚を配ることぐらいです。しかし、アイリスオーヤマが月産6000万枚を目指し、設備投資にかけたお金は10億円。顔に触れなくなる程度の効果しかない布マスクを配るくらいなら、安定した価格で使い捨てマスクを供給できた方が、よっぽど国民の安全が保たれたと思うのですが、もっと少ない投資でマスクの安定供給ができたかもしれないのに、ほとんど効果のない布マスク2枚を配っているのですから、無能どころの騒ぎではありません。だいたい、年度末に暴落した株価を維持するために、一体、いくらのお金を投入して溶かしたのでしょうか。そのお金を考えたら、マスクを増産するための設備投資にジャブジャブとお金をつぎ込んだとしても、まったく問題がないのではないでしょうか。
 この一点を見ても、安倍政権には何一つ期待が持てません。期待が持てないどころか、このままでは医療崩壊を起こし、有効な手も打てないまま、死者数も増え、日本経済もまた致死レベルのダメージを受けることになるでしょう。どうにかそうならないことを願うばかりですが、少なくとも安倍晋三総理のまわりには「アベノミクスは効果がある!」と言ってしまうレベルのアホしかいないので、ほぼ不可避でしょう。だから、私たちにできることは「防護」しかありません。仕事をして、贅沢ができなくても生き延びるだけのお金を確保することができたら、あとは防護、防護、ひたすら防護です。
 医療現場は可能な範囲で努力してくれるかもしれませんが、政府は国民の命を救うための努力はしません。今、国や自治体が「自粛」を要請していますが、これを「政策」と呼ぶことはできません。あくまで「私たちの努力」です。政府にお願いをされて、私たちが応じている。実行しているのは私たちです。では、政府は私たちに何をしてくれているのでしょうか。休業を余儀なくされたお店に、何らかのお金が配られているのといったら、そういうわけでもありません。私たちは10%の消費税を含め、たくさんの税金を払っているのに、さらに自分たちの腹を痛めて休業に協力し、そのために借金が膨れ上がっても何もしてくれない。つまり、国はオペレーションのすべてを国民に押しつけ、自分たちは何もしていないのです。強いて言うなら、気休め程度の効果しか発揮しない布マスク2枚を466億円もかけて配ったぐらいです。のちに、全国民に10万円の現金給付をすると決めましたが、これらが実行されるのはずいぶん先になることでしょう。なぜなら、本当は10万円をまったく配りたくないもので、どうすればあんまり配らなくて済むかをすったもんだすれば、それだけ無駄に時間が消費されるからです。下手をすると、本がリリースされるのが先か、政府からの現金給付が先かという話になりかねません。
 本来であれば、困った人たちを助けるために「国」というものが存在するはずですが、今日の今日まで政治に関心を持たず、選挙でポンコツに投票し続け、鼻をつまみながら投票するような人たちしか立候補しない現実をろくすっぽ変えようとしてこなかったツケが、これから無策に無策を重ねる地獄を生み出しています。
 新型コロナウイルスと戦っているのは、なにも日本だけではありません。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど、世界の名だたる先進国もまた新型コロナウイルスと戦っています。そして、世界には成功している例が少しずつ出てきました。オリジナルで考えられるほど頭が良くないというのであれば、成功している人たちのマネをすればいいのです。似たような政策をするだけでも、幾分かはマシになることでしょう。しかし、安倍政権はそれさえもやりません。東日本大震災の直後、ろくすっぽ動けていないじゃないかと批判された「悪夢の民主党政権」すら、今となっては立派に見えてしまうほど、安倍政権というのは本当に何もしていません。
 安倍政権は「108兆円の経済政策をする」と言いました。しかし、その108兆円のほとんどは紐付きで、各自治体に配ると言いますが、国民の生活補償に回せるお金はほとんどありません。お金を自由に使わせない理由は単純に「ケチ」だからです。国で働いている人たちは、自分たちの方が地方よりも能力が高いと思っているので、地方に任せるよりも自分たちがコントロールできた方が、世の中がうまく回ると思っているのです。ところが、国で働いている人たちも無能なので、「国より地方の方が能力が低い」というわけでもなくなってしまいました。バカのくせに「オマエはバカだから、俺が管理してやるから」と言っているのです。そろそろ「オマエみたいな無能に決められるのは迷惑だから、こっちで決めさせろ」と言わなければならないのですが、そんなことを言うと干されるので、「えへへ、バカなんで決めてもらって助かってまーす!」と言ってしまうポンコツばかりが地方議員になった結果、選挙でやたら「国とのパイプ」を強調する奴ばっかりになっているというのが今の日本です。
 自分たちに与えられたお金を何に使うのか。それさえも考えられないのですから、地方には「考える人」がいなくなります。結果として大きな口を開けながら餌を待つ雛鳥のようなアホばっかりが議員になってしまい、地元の問題にすら正面から向き合えないポンコツのジジィばっかりになって、田舎は少子高齢化だけが進んでいくのです。
 早くそれに気づかなければならなかったのですが、私が気づいたのも2年半ほど前。みんなより少しだけ早く気づいたかもしれないけれど、みんなを責められるほど早いわけでもありません。台湾のように「政治」によって新型コロナウイルスを一蹴できているようなところもあるわけで、もし日本の政治家たちが有能であれば、こんなに深刻な地獄が広がることもなかったはずです。新型コロナウイルスが広がってしまったのは、明らかに「人災」です。武漢で流行してからだいぶ時間があり、国内の感染者が少ない期間は比較的長かったわけですから、打つ手はたくさんあったはずなのに、今日の今日まで有効な手が打てなかったのは、政治家たちの怠慢以外のナニモノでもありません。そしてそれは、森友学園問題にしろ、加計学園問題にしろ、桜を見る会の問題にしろ、あらゆる政治家たちの怠慢を今日の今日まで国民が許してきてしまった結果です。そういう意味では、私たちの責任でもあるわけですが、まず責任を取らなければならないのは「政府」です。なんてったって、政治は「結果」が問われるわけですから、地震や台風のような自分たちの力ではどうすることもできない災害とは異なり、対策次第ではどうにかなった「新型コロナウイルス」は、感染者数や死者数こそが「結果」であると言えます。また、経済にある程度の打撃があるのは仕方がないにしても、打撃を受けてしまった人たちにどのような補償をするのか。こっちはこっちで自殺者が増えるようなことになってはならないので、どのような経済対策をして、自殺するような人を減らすのか。これも自殺者が増えてしまった時には「結果」です。
 積極的な検査を繰り返し、どうにかマスクを行き渡らせ、しっかりと隔離し、感染爆発と死亡する患者を封じ込めている国がある中で、日本でそれができていないのは、ただ単に「無策」だからでしかありません。翻訳ソフトを使って一生懸命翻訳しなくても、慎重にSNSなどで情報を取っていくようにすれば、海外ではどのような政策をしているのかが分かるはずです。世界には北朝鮮やベラルーシのように、ヤバい国はありますが、日本はその仲間として括られるレベルでヤバい国になっているという自覚を持っている国民は、ほとんどいません。北朝鮮の国民が金正恩大将様を偉大な人物だと思っているのと同じように、日本のことを素晴らしい先進国だと思い、安倍政権がちゃんとやってくれているに違いないと思っている人が、この国の約半数を占めているからです。
 安倍政権は今、「日本ほど手厚い補償をしている国はない」などとムチャクチャなことを言い出しました。もはや「私はメジャーリーガーで、大谷翔平選手よりも先に二刀流をやっていて、投げればストレートは時速500キロ、打てばホームランが年間5万本です」と言っているレベルの嘘です。しかし、その嘘を真に受ける人もたくさんいて、「政府が手厚い補償をしてくれているのに、自分たちの生活が苦しいのは自分たちの能力が足りないからだ」と考えてしまうのです。しかし、よく考えてみてください。休業補償をしてもらえるわけでもなく、単身世帯で100万円以下の収入の人しかお金がもらえない。マスクも消毒液も値段が高騰し、転売ではないからといって10倍の値段で売られているような中で、消費税も10%のままだし、とうとう野菜などの食料品の値段も上がってきました。これからますます輸入が止まることを考えると、生活にかかるお金はどんどん上がっていく一方でしょう。多くの国民が生活に困っていても、何もしない。こんなに何もしない政権が「世界一」であるはずがありません。そんなの考えなくてもわかるはずなのに、わからない人たちがたくさんいるのです。そして、わからない人たちが多数派を占める国だからこそ、何もしない国の政策を許し、おそらく次回の衆院選でも安倍晋三総理をはじめ、今の政権に近い人たちはことごとく当選するのでしょう。
 このままでは、安倍政権に殺されてしまう。日本の政府の対応に何一つ期待ができないからこそ、自分たちにできることは「防護」しかないと考えて行動しているのが「危険厨」です。
 自民党が潰れて、立憲民主党や日本維新の会が政権を担うようになったら何か変わるのかと言ったら、おそらくそんなことはありません。政党に関係なく、本当に国民の生活や命のことを考えて政治をしたいと思っている人が国民の大多数を占めるようにならなければ変わりません。それは1年や2年でできるものではなく、20年や30年という年月をかけて育まれるものです。気づいた人が世の中を変えるように少しずつ動いていかなければならないのですが、現時点で自分たちにできることは「防護」しかありません。どれだけ防護をしても、罹る時には罹ってしまうのかもしれませんが、できるだけ確率を下げる努力はできるはずです。
 国が医療を確保するために努力することはない。誰も正確なデータを知らない。現場の医師や看護師は頑張ってくれても限界がある。自分たちの命を守る方法は、現状、徹底的な防護以外にないのです。
 福島第一原発事故の直後、東日本地域に住んでいて、安全を確保するために必死だった人たちにとっては、今回の新型コロナウイルスの戦いは、少しだけ楽であると言えるかもしれません。今回は、放射能と違って、何もしなくても家に入ってくるということはなく、水道水は汚染されていないし、石鹸や消毒液といった防護するためのアイテムを手に入れることができ、直接的な人との接触を避けられればリスクを下げられるからです。放射能の時は大変でした。空気が丸ごと汚染されているし、水道水も汚染されているし、雨にあたってはいけなかったし、石鹸や消毒液のような防護するためのアイテムもありません。西日本や沖縄にでも逃げ込まない限り、被曝を回避する方法がなかったのです。今回は逃げ込めるような場所がない代わりに、防護するためのアイテムが揃い、家の外に出なければ感染リスクを下げられるという大きな特徴があります。危険厨にとっては「戦いやすい相手」であるとは言えます。もはや防護する以外の選択肢がないのです。


ここから先は

20,957字

¥ 290

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。