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【選挙ウォッチャー】 半田市議補選2021・分析レポート。

5月30日告示、6月6日投開票で、愛知県の半田市議補選が行われ、欠員2に対して4人が立候補し、なかなか興味深い選挙となりました。立候補したのは、自民、国民、共産、無所属の4人で、こうなってしまうと自動的に自民、国民が勝つという情勢となりました。衝撃を受けるのは、知多半島では共産党が強い環境にあるわけではないにしても、選挙戦略が全然イケてない完全無所属の若者に、共産党の組織力が負けていることにあります。いくら何でも、あんなにチグハグな選挙をしている若者に負けるのは、共産党の力が衰え過ぎだと思います。

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国弘 秀之  47 新 自民党推公認
中村 和也  44 新 実質的に国民民主党
山本 佳代子 73 元 共産党公認
田中 嵩久  28 新 無所属

実は、この選挙で最も期待されるべきは、28歳の田中嵩久さんだったのではないかと思います。最初に会った時は、ただのポンコツ野郎かと思ったのですが、よく調べてみると、日頃から「子供の貧困問題」に取り組んでいる男で、こうした活動の中から「政治」というアプローチで解決できないかと考えた人でした。いかんせん選挙戦略があまりにクソだったため、なかなか勝てなかったのですが、おそらく「選挙の戦い方」を習得できたら、2年後に市議になることはできるでしょう。この挑戦は歓迎します。


■ 国弘秀之候補の主張

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国弘秀之さんは、自民党公認で県議秘書歴10年というオジサンです。この県議というのは、このたびの市長選に立候補する堀崎純一さんのことなのですが、長らく県議の秘書として経験を積み、師匠から独立する形で市議になりました。このたび、堀崎純一さんが無職になってしまいましたので、ここらへんで独立しないと大変なことになっていたのですが、当選できてよかったと思います。国弘秀之さんは47歳なのですが、Facebookもあまり更新していないし、公式ホームページもありませんでした。こうなると、今回の市議補選は師匠の力で当選できても、その先も当選できるかどうかは、かなり怪しくなってしまうと思うのですが、大丈夫でしょうか。

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愛知県議選の半田市の定数は2で、2019年は自民党の堀崎純一さんと連合愛知に推薦されている朝倉浩一さんしか立候補していないため、無投票当選が決まっています。堀崎純一さんはまだ66歳なので、2023年に愛知県議選に戻ることになるのではないかと思いますが、いざとなったら再び師匠の所で秘書をやればいいという算段でしょうか。堀崎純一さんは頼れる兄貴という感じなのかもしれませんが、師匠と同じ選挙事務所で戦っているところが「手堅い」とも言えるし、「甘い」とも言えるところだと思います。

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国弘秀之さんの公約は、コロナワクチンの接種体制確保、介護・福祉施設の職員や入所者へのPCR検査費用の一部公費負担。ゴミ袋の有料化財源に対する活用方法にさらなる検討を。犯罪抑止のための防犯カメラ増設。18歳までの入院費・通院費の無料化。そして、一番押している「SDGs」でした。公約そのものは、それほど変なものではありませんが、師匠が100個の公約を考えているのだから、それに負けず劣らずの公約をホームページなどで示してほしかったのですが、師匠ほどのやる気は感じられないところが温室育ち感満載です。


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