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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#96)。

1月8日時点で、全国の感染者数が8000人を上回り、多くの自治体で成人式が普通に行われ、大阪市に至ってはUSJで密を作っているぐらいなので、これから地獄が広がることは避けられないと判断し、今日から本格的に新型コロナウイルスに関する最新情報を無料でお届けしていくことにいたします。また、連休明けには感染者数がさらに酷いことになっている可能性が高いため、当面の間、選挙の取材は中止いたします。


■ 1日も早く緊急事態宣言を出すべきである

新型コロナウイルスは「指数関数的に広がる」性質があり、オミクロン株は倍化時間が2日のため、今日100人だった感染者が明後日には200人になっており、4日後には400人、1週間後には1200人にまで膨れ上がっている計算になります。今日100人だということは、その後の1週間で感染する人の合計は3750人。例えば、東京都の新規感染者が1224人だったことを考えると、理論上はこのように増えていく計算になります。

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現在:1224人
1日目:1731人
2日目:2448人
3日目:3462人
4日目:4896人
5日目:6924人
6日目:9792人
7日目:1万3848人

東京では、先週から今週までが15倍だったのですが、今週から来週までが12倍と計算して、このような数字になります。どこかでPCR検査数の物理的な限界を迎えるかもしれませんが、1週間の合計は4万5900人ということになってしまいます。ちなみに、東京五輪の最中にたくさんの自宅放置死が出てしまった第5波の最も酷かった時の感染者数が以下の通りです。

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8月15日:4358人
8月16日:3119人
8月17日:4534人
8月18日:5567人
8月19日:5729人
8月20日:5529人
8月21日:5247人
8月22日:4448人

最も酷かった時の感染者の合計は3万8531人。倍化時間が「2日」という猛烈な感染力を持つオミクロン株の場合、今日が1224人の時点でデルタ株を上回る感染者数になることが確定していると言っても過言ではありません。当時は、まさに緊急事態宣言が発令されている最中に、この数字を記録していました。今はこれを上回る数字になりそうなのに、まだ緊急事態宣言が発令されていないのです。日本政府(岸田政権)が「先手先手」と言いながら、オミクロン株にまったく対応できていないことがわかります。オミクロン株の倍化時間が2日であるということを考えれば、現時点で大変なことになっていることは火を見るより明らかで、沖縄で起こっていることは数日後の東京であり、大阪なのです。緊急事態宣言を発令するのが2日遅れるだけで、感染者が2倍増え、重症者が2倍増え、死者が2倍増えます。大変になってからでは止められませんので、現段階で止めるための努力が必要です。止められなくても感染のスピードを落とす必要があります。


■ 3回目のブースター接種でも感染する

既存のmRNAワクチンには、重症化を防ぐ効果は認められるものの、感染を防ぐ効果については認められないため、1月7日に感染した20代の男性が3回目のワクチン接種をしていたのに感染していたことが明らかになりました。この時期に3回目のブースター接種をしていることから、医療関係者だと思われますが、感染を防止することはできません。


■ 医療従事者が感染して病院が人手不足に

オミクロン株は、3回目のブースター接種をしても、感染を防ぐことは難しいため、先行して感染者が激増している沖縄では、医療従事者たちが次々に感染しており、沖縄タイムスが報じたところによると、1月8日時点で医療従事者437人が欠勤しています。このうち、感染者は112人。残りの325人は感染者との濃厚接触などを理由に欠勤しており、あまりに感染者が多すぎて保健所が対応できなくなっているため、いつから職場に復帰できるのかも分からない状況になっています。沖縄県は病院に抗原検査キットを配布し、「これで大丈夫だったら大丈夫」という非科学的なことを始めているため、これから病院でクラスターが発生することは避けられない状況になっています。現時点で「抗原検査キット」は、あんまり役に立たない代物であるということに早く気づいていただきたいです。また、沖縄では警察や海上保安庁の職員にも感染が広がっているようで、社会が回らなくなってしまう可能性があります。


■ ワクチンは重症化防止には効果がある模様

ウォールストリートジャーナルが報じた、ニューヨークの大手医療グループが運営する病院のデータによると、病院の来る新型コロナウイルスに感染した患者が集中治療室での治療を必要とする割合は、今までは25%~35%ほどでしたが、最近では10%に低下しているといいます。そして、ワクチン接種済の患者の入院期間は約4日であるのに対し、ワクチンを接種していない人の入院期間は約2週間。入院期間に10日ほどの差があることが明らかになりました。重症化を防げているのは、ワクチンの効果である可能性が高くなっています。昨日はワクチンが逆効果になり得るという話を書きましたが、これはあくまで「感染」の話であって、重症化防止に効果がないという話ではありません。


■ 全国の感染状況まとめ(1月9日版)

全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で完結に状況をまとめております。

北海道:117人。留萌地方や空知地方のスナックで集団感染。
青森県:12人。新たに2人オミクロン株の疑い。入院中は26人。
岩手県:4人。「岩手警戒宣言」が発令され、31日まで検査無料。
宮城県:25人。実効再生産数は7日時点で11.62となった。
秋田県:3人。サッカーJ2秋田の選手1名に陽性判定。
山形県:5人。寒河江市2人、山形市、酒田市、朝日町で各1人。
福島県:33人。8割以上がワクチン2回接種済。
茨城県:75人。日立駅前のイトーヨーカ堂がコロナの影響で閉店。
栃木県:41人。宇都宮市内の体育施設で16人が集団感染。
群馬県:87人。年明けの旅行や帰省で陽性となる人が目立つ。
埼玉県:401人。このうち176人はワクチンを2回接種済。
千葉県:252人。千葉県柏市で28人感染。6割が2回接種済。
東京都:1223人。20代が41%、30代が19%。半数は接種済。
神奈川:443人。パルスオキシメーター7000台が未返却。
新潟県:86人。日曜としては過去最多の感染者数を記録。
富山県:12人。射水市の社員寮で集団感染。
石川県:18人。病床使用率が14.4%までじんわりと上昇。
福井県:27人。坂井市ではコロナ禍収束を願って火縄銃で空砲放つ。
山梨県:19人。甲府市7人、中北6人、富士東部3人など。
長野県:110人。飯田市の感染警戒レベルが5に引き上げられる。
岐阜県:46人。岐阜市の2世帯で家族や知人が元日に会食して集団感染。
静岡県:146人。2日連続の100人超えで、最多は浜松市の52人。
愛知県:368人。名古屋市内9つの保育園で児童や職員の感染。
三重県:42人。感染者数が40人を超えるのは昨年9月18日以来。
滋賀県:92人。人口10万人あたりの感染者数で言うと全国6位。
京都府:215人。1日の感染者数が200人を超えるのは9月9日以来。
大阪府:880人。大阪モデル警戒引き上げで通天閣が黄色になる。
兵庫県:202人。姫路市の琴丘高校の部活動で5人の集団感染。
奈良県:66人。橿原市10人、葛城市9人、天理市9人など。
和歌山:21人。東京のバレーボール選手権参加の開智高校男子5人感染。
鳥取県:7人。ラーメン屋でも住所と名前を書かせるなどの対策を行う。
島根県:35人。出雲市内の私立中学校で感染者、当面は臨時休校。
岡山県:80人。岡山市内飲食店集団感染。岡山市42人、倉敷市19人。
広島県:619人。3日連続で過去最多を更新。
山口県:152人。岩国市が80人。同窓会での感染も確認。
徳島県:8人。このうち6人がオミクロン株の疑い。
香川県:12人。オミクロン株には11人の感染を確認。
愛媛県:45人。「来県者との会食は延期を」と呼び掛ける。
高知県:8人。年末年始に近畿に帰省していた20代男性教諭感染。
福岡県:211人。福岡市で99人、北九州市40人、久留米市14人。
佐賀県:49人。県内唯一のスキー場「天山リゾート」がコロナ廃業。
長崎県:31人。大村駐屯地勤務の20代男性自衛官が感染。
熊本県:61人。19人はオミクロン株感染の疑い。
大分県:24人。大分刑務所でクラスターが発生し、16人感染。
宮崎県:17人。ジモ・ミヤ・タビキャンペーンから鹿児島県を除外。
鹿児島:108人。奄美大島、経路の6割が同窓会や家族との会食。
沖縄県:1533人。米軍関係は過去最多となる429人の感染報告。

今日が日曜日で、明日も3連休の最終日ということで、しばらく感染者数は控えめな数字になると思いますが、12日(水)発表の感染者数から、ものすごくエグい数字になってくるのではないかと予想しています。


■ 有名人の感染報告まとめ(1月9日版)

新型コロナウイルスの流行が、どれほど深刻なのかを知る指標として、有名人の感染状況をまとめております。オミクロン株は空気感染なので、外に出て仕事をする機会の多い有名人ほど感染のリスクは高いです。身近な有名人の感染状況を見て、自分たちも気を付けましょう。

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青色は入院、灰色は死亡を示します。やはり屋内のステージでライブをする機会の多いアイドルの感染率が高く、デルタ株に続き、SKE48の女の子たちの感染状況が心配です。


■ WHO「けっして軽い感染症ではない」

WHO(世界保健機関)の言っていることが信じられなくなってしまった時には、いよいよ「陰謀論者」の仲間入りですが、オミクロン株について、テドロス事務局長が「ワクチンを接種した者にとってオミクロン株は、デルタ株と比べれば重症化しにくいようだが、けっして軽い感染症ではない」と声明を出しました。「軽い」というのは「デルタ株と比較して」という話であって、ワクチンを接種していない人たちにとっては引き続きリスクは高くなっているし、特に5歳未満の「ワクチンを接種できない子どもたち」には注意が必要です。楽観論は何も生み出しません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

いよいよ発売日が近くなってまいりましたが、オミクロン株の尋常ではない感染力の強さに、僕は内心ヒヤヒヤしています。というのも、1月20日には尊師・立花孝志の不正競争防止法違反・威力業務妨害・脅迫罪の3つの刑事事件の判決が言い渡される予定になっていますが、もし緊急事態宣言が発令されると、刑事事件の判決が伸びる可能性すらあるのです。国政政党の党首に有罪判決が下されれば、田中角栄以来2人目の歴史的な判決となるはずですが、オミクロン株の猛威が酷すぎて、ほとんど話題にならない可能性すらあると思うのです。

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ただでも「NHKと裁判してる党(主に被告で)」には誰も興味を持たなくなっており、僕の本もそこまで売れていませんが、彼らが今年の夏に行われる参院選の候補者を募るために計画している「Nー1グランプリ」なるイベントには、優勝賞金が1000万円と高額にもかかわらず、わずか2人しか応募がないというのですから、ゲロを吐くほど人気がなくなっています。選挙対策本部長に就任した「マスクの裏にワサビを塗ればコロナは防げる」でお馴染みの黒川敦彦は、広告を打って、どれだけたくさんの人に見てもらえたのかを強調していましたが、たくさん見られたのに応募が2人ということは、完全にオワコン・オブ・オワコンです。とっとと判決が下されたらいいと思うのですが、これだけオミクロン株が酷いことになると、今後、あらゆる裁判が止まってしまう可能性があります。第6波をやり過ごすには最低でも2ヶ月以上はかかると思いますので、ようやく安全を取り戻せるのは3月下旬頃かもしれません。そこまで判決を待たなければならないのは、なかなか憂鬱です。緊急事態宣言をしてほしいけど、裁判は止めてほしくない。僕の気持ちは非常に複雑なのです。


■ 【追記】計算を間違えました

ご指摘いただきましたように、ルート2で計算しなければならないところを2で割ってしまった(2で割っているわけでもなかった)ので、ちっとも指数関数になっていなかったため、書き直します。僕の頭が悪かったです。すみません。

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