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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#109)。

先日、元総理大臣の菅直人さんが、テレビなどで雄弁に語る橋下徹さんの姿に言及し、「ヒットラーを思い起こす」とツイート。実は、橋下徹さんを見て「ヒットラーのようだ」と感じるのは菅直人さんだけでなく、かつて橋下徹さんと一緒に党の共同代表だった石原慎太郎さんも、橋下徹さんを「若い時のヒットラーだ」と表現したこともありました。当時は「将来の総理大臣候補だ」とした上で述べたことなので、普通の人にとってはディスられているとしか感じないかもしれませんが、最大級の賛辞のつもりで語られていたところが非常に興味深いです。あれから8年ほどの月日が経ち、今度は菅直人さんが「ヒットラーを思い起こす」と語ったわけですが、「ヒットラーとは何事だ!」と怒り始めたのです。一体、何が違うのでしょうか。


■ これは日本維新の会の「戦略」である

僕は「維新」の専門家ではありませんが、「N国党」を真正面から斬ることにおいては、この国で唯一の存在になってしまいました。1月20日には4年にわたる取材と闘いの集大成として、「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」が発売されましたので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思いますが、この本でも触れている通り、「維新」「N国党」というのは共通する部分があります。最近では、維新が文書通信交通滞在費を問題化したため、党の収入を失う危機にあった立花孝志が維新を猛批判したことがありましたが、表面的な対立はともかく、最も大きな共通点は「反知性主義」であるということです。

今回の件で言えば、発言したのは菅直人さんで、立憲民主党のオフィシャルな発言ではありません。百歩譲って、菅直人さんに「謝罪しろ」と言うのならわかりますが、維新が求めているのは「立憲民主党の謝罪」です。菅直人さん個人の問題を「党の問題」として扱うことで、少しでも立憲民主党のイメージを落とそうという「戦略」です。実際、野党第一党に進化しつつあるのが「維新」なので、立憲民主党の票を削ることは、すなわち、維新の票を伸ばすことにつながります。ましてや、社会全体として鳩山由紀夫さんや菅直人さんにはポンコツのイメージがあります。データを改竄しているので見えにくいですが、あとで検証された時、実は、最も日本経済に大きなダメージを与えていたのは安倍晋三さんや菅義偉さんだったと分析される日が来ると思いますが、それでも現代を生きる人々の多くは、政治に無関心であるため、イメージとして鳩山由紀夫さんや菅直人さんは「無能」だったと感じています。確かに、100点満点ではないし、東日本大震災のような大災害に見舞われて、その対応をめぐる評価は分かれるところですが、とにかくネトウヨの力によって「菅直人は最悪の総理大臣だった」というイメージが定着しており、ここを攻撃するというのはネット上の賛同を得られやすく、立憲潰しには最適。それは菅直人さんではなく、立憲民主党に謝罪を求めていることからも明らかなのです。僕たちは「維新」が実績ではなく、こうしたイメージ的な「戦略」によって伸びている政党なのだということを理解しておく必要があります。これは「NHKをぶっ壊す!」というイメージに賛同したものの、実際にはちっともNHKをぶっ壊していないN国党と同じ。大切なのはイメージではなく「実績」です。この後、テレビに露出しまくることによって好印象を与える、まさに「ヒットラー方式」で人気になっている吉村洋文知事が、どのような新型コロナウイルス対策をしているのかを皆さんに知っていただこうと思いますので、ぜひ「実績」を見てください。


■ ヒットラーと重ね合わせるのは御法度ではない

政治に興味がなくても、「ヒットラー万歳!」とか「ヒットラーは最高の政治家だ!」とか言っている奴がいたらヤバいというのは理解できると思います。N国党の尊師・立花孝志は、「子供をたくさん産む民族は虐殺するしかない」と発言し、世界のニュースに乗ったことがありますが、ヒットラーの虐殺などを称賛することがヤバいのであって、「第2のヒットラーを生み出すべきではない」とか「ヒットラーのような政治をしてはならない」と言うことは、ファシズムの芽を摘む上で非常に重要です。立花孝志の場合は、ヒットラーの鼻クソにも及ばない「ホラッチョおじさん」なので、政党として独裁を宣言しているものの、「ヒットラーのようだ」と批判するまでもなかったのですが、立花孝志がお手本にしている政治家が橋下徹さんであることを考えると、橋下徹さんが総理大臣になると「ヒットラーのようになりそうだ」という懸念はあります。そして、橋下徹さんは日本維新の会の創始者であって、メディアを使える最大の応援団です。そういう人に「ヒットラーのようだ」と形容することは、日本のファシズム化を避けるために必要な批判であり、みんなが「ヒットラーのようだ」と言われないように気を付けなければならないのです。特に、橋下徹さんが「ヒットラーのようだ」と言われるのは今に始まったことではなく、かなり昔からいろんな人に言われていることです。「ヒットラーと重ねることは御法度だ!」と吠えていますが、ヒットラーのような政治をしたり、ヒットラーのような政治信条を持つことが御法度とされているだけで、そうならないように批判することを御法度としてしまったら、余計にファシズムに近づいてしまいます。つまり、維新の大騒ぎに乗っかってしまうことこそ、「ファシズムへの第一歩」なのです。


■ 橋下徹さんもヒトラー発言をしている

文書通信交通滞在費の時もそうでしたが、大騒ぎをする時に限ってブーメランが飛んでくるのが維新クオリティーなので、実は、橋下徹さんも藤井聡さんに対し、チョビ髭であることをイジり、以下のようなツイートをしていたことが明らかになりました。

「京大のちょび髭藤井ね。こいつは学者じゃない。結論先にありきで橋下府政前後のトレンド分析や大阪都構想と現状の府市との比較分析をせずにとにかく反橋下・反維新だけ。自分が一番賢いと勘違い。僕のことをヒトラー呼ばわりしておいてお前の顔の方が安もんのヒトラーだろ!お前の家には鏡がないのか!」

どうやら当時も「ヒットラーに似ている」と批判されていたようで、これだけいろんな人から「ヒットラーに似ている」と言われてしまう人は、マジで政治家になってはいけないのではないかと思わずにはいられませんが、当時は橋下徹さんが「お前の顔の方が安もんのヒトラーだろ!」と言っていますので、顔面をイジって「ヒトラー」と表現する方がヤバいです。それどころか「お前の家には鏡がないのか!」とまで言っているので、あくまで政治的な演出に言及して「ヒットラーを思い起こす」と書いている菅直人さんには謝罪を要求するのに、自分は謝罪をしないというのでは、これほどのダブルスタンダードはありません。


■ 音喜多駿先生の話をマジで聞きたい!

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菅直人さんから「100兆円ベーシックインカムという総選挙での維新の公約は実現可能なのか」と問われ、いつでも公開討論を承るとおっしゃっていた音喜多駿政調会長。どうやら菅直人さんは「お聞きしたいのは国民であって、討論がしたいわけではない」という話のようですが、僕はめちゃくちゃ聞きたいです。音喜多駿先生、ぜひ僕と公開討論していただけないでしょうか。おおいにベーシックインカム論を語ろうじゃありませんか! 僕がバカだからなのか、資料を読んでも、どうやって実現するつもりなのかが全然理解できません。そういう国民は僕だけじゃないと思うので、今はオミクロン株が大変なことになっていて、音喜多駿先生もご家族を守らなければならないお立場でしょうから第6波が明けたら、ぜひ音喜多駿先生から100兆円のベーシックインカム論をお聞きしたいです!

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しかし、僕は菅直人さんの気持ちが全然わかりません。これはノーベル経済学賞を取ってもおかしくない、全世界がマネるべき超新世代的な経済的大転換です。こんなに貴重な講義を聞ける大チャンスを逃すなんて、確かに神経を疑うレベルです。さまざまな減税をして、これまでの生活補償の大部分を維持した上で、借金を作らず、最大1人10万円のベーシックインカムを実現するのです。断言しますが、これはもう日本維新の会に投票する以外の選択肢がありません。これを考えた藤田文武幹事長には「天才」以外の言葉が見つかりません。「馬ヘン」の音喜多駿先生、僕こそ公開討論をお待ちしております。勉強させてください! マジで公開討論会を熱望します!


■ コロナ感染の妊婦さんを危険に晒す吉村洋文

どうやら「日本維新の会」は、維新の大応援団にして「平熱パニックおじさん」の異名を持つ橋下徹さんを筆頭に、吉村洋文知事、松井一郎市長、音喜多駿政調会長と、皆さん、「オミクロン株はただの風邪」だと思っていらっしゃるようです。ほとんどの人が軽症で、死ぬ人や重症化する人は少ないと考えているようですが、どうやらその認識は間違えています。

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先行した南アフリカで「ほとんど死んでいない」という情報が出回りましたが、アメリカではデルタ株とほとんど変わらなくなっているし、イギリスやフランスでも過去最多の死者を出しています。結果としてデルタ株より多くの死者を出しているのがオミクロン株なので、画期的な治療薬をすぐに出せるわけでもない現段階で「5類感染症」として扱うのは、あまりに頭が悪すぎます。しかし、大阪府では画期的な治療法が見つかったとばかりに記者会見に「イソジン」を持って来るレベルのバカが知事をやっているため、「大阪府だけ勝手に5類化」が始まっていて、なんと、新型コロナウイルスに感染している妊婦さんを、これまで診察してきた「かかりつけの病院で出産させるように要請を出した」というのです。これまでテレビに出演することと通天閣を赤くライトアップする以外に感染の拡大を抑止するための政策をほとんどやってこなかったくせに、感染している妊婦さんを「これまでの産婦人科で診る」というのです。まず、妊婦さんは重症化リスクが高いです。これは厚生労働省が認めており、31歳以上で妊娠中期以降は重症化リスクが高く、酸素の投与が必要になった妊婦さんは全員が帝王切開となり、妊娠糖尿病も増加したというのです。新型コロナウイルスに感染している妊婦さんを受け入れると、これまで頑張って感染しないように気を付けてきた妊婦さんたちの感染リスクが高まり、母子ともに命の危険に晒されます。どんな手を使ってでも守らなければならないのが妊婦さんと赤ちゃんの命ではないかと思うのですが、「勝手に5類感染症扱い」で、余計に危険な環境に置いてしまうのが、反知性主義の政策なのです。

とてつもなく頭の悪い奴が政治に参加してしまうという意味では、僕が専門としている「N国党」も同じなのですが、幸いにも、N国党は怠け者の集団なので、政治には興味がなく、行政を歪めることはありませんでした。しかし、維新の場合は「アホアホ政策をしているのに、テレビに出演しまくって頑張っている感を演出しているせいで、そのアホアホ政策に気づいている人はごく一部」ということになっています。しかし、アホを極めて妊婦さんや赤ちゃんの命が危険に脅かされているのは看過できません。今すぐ吉村洋文知事の頭にイソジンをぶっかけて目を覚ますべきです。どれだけ禁断の領域に手を突っ込んでいるのかが、バカには理解できないのです。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

頭の悪いネトウヨが見ると、まるで立憲民主党を擁護して、日本維新の会を攻撃しているように見えるかもしれませんが、僕は立憲民主党を支持しているわけでもなければ、立憲民主党からお金をもらっているわけでもありません。お金を出していただけるというなら銀行口座の一つも教えて差し上げますが、菅直人さんがどれだけ維新に論破されようと、妊婦さんや赤ちゃんの命が危険に晒されるアホアホ政策を余裕でぶちかましてくるアホの政治家を野放しにしたら、それは「ナチス」と同じような世の中になります。新型コロナウイルスは空気感染です。掃除をすればウイルスがなくなるという性質のものではありません。妊婦さんと産まれたばかりの赤ちゃんが、新型コロナウイルスで汚染された部屋に置かれることは、絶対に避けなければなりません。ここだけは断固として声を上げなければなりません。

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