【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報（＃９８）。

どうやら日本は、昔に言ってしまった間違った情報を改めることができないようで、「抗原検査はＰＣＲ検査と同等の精度だ」と言ってしまったら、本当は１０００分の１ほど精度が劣るとしても、そのまま使い続けてしまったり、「新型コロナウイルスは空気感染しない」と言ってしまったら、今でも頑なに空気感染を認めなかったり、科学と乖離をするアホの国になってしまいました。なので、僕たちはアホに殺されないように、なるべく抗原検査ではなくＰＣＲ検査を実施し、空気感染を前提とした対策を打っていくしかありません。知っている人は知っているけれど、こうした情報を発信する人が極めて少ないため、「オミクロン株はただの風邪」というアホアホ理論を放つアホに少しでも物量で劣らないように、僕は頑張っています。

■ ワクチンの３月前倒し、ほとんど意味がない

日本より先行してオミクロン株が猛威を振るっていたイギリスでは、感染のピークを越えたとみられ、グラフが折り返しを見せています。このまま順調に行けば、指数関数的な拡大する逆で、指数関数的な収束が起こり、イギリスは１ヶ月ほどで日常を取り戻すことが期待されます。一方、いまだ「緊急事態宣言」を出さない日本は、これからイギリスのような地獄が広がることになり、どのあたりで折り返してもらえるのかは分からないので、戦々恐々としながらオミクロン株に運命を委ねる状態になっています。ただ、南アフリカでも分かっていることですが、今回のオミクロン株は、爆発的に感染が広がってたくさんの人が感染する代わりに、収束のスピードも速いのではないかと考えられているため、３月にはピークが過ぎ去り、家族で桜を見るぐらいようになるかもしれません。残念ながら、ｍＲＮＡワクチンの３本目のブースター接種で感染を防げるのは、せいぜい１ヶ月なので、もし今回のオミクロン株の感染をワクチンの力で最小限に留めようとするなら、年末年始に打っていなければならず、ピークが過ぎ去った３月頃に打ったところで何の意味もありません。医療従事者への３本目のブースター接種については適切な時期に打てた可能性がありますが、一般の高齢者は「感染しないように出歩かないように頑張る」以外にありません。つまり、いろんな自治体で前倒しにしたことをドヤっていますが、これは単なる「仕事やってる感」でしかないため、そうなる前にＰＣＲ検査の体制を整えたり、宿泊療養施設の拡充などに努めた方が、よっぽど仕事をしていることになると思います。

■ 公明党が濃厚接触者の隔離期間短縮を提言

公明党の石井啓一幹事長は、首相官邸で岸田文雄総理と面会し、オミクロン株の濃厚接触者の隔離期間を原則１４日間から短縮するように提言したというニュースが報じられました。これから感染が爆発したら、確かに、濃厚接触者たちは感染しているのか感染していないのか分からないのに長期間の隔離が余儀なくされて、社会機能が停止してしまうかもしれません。ただ、オミクロン株の感染力からして、濃厚接触者が感染する確率は非常に高く、感染しているかもしれない人が十分に隔離されずに外に出てくるようなことになると、感染はますます広がります。これは「感染は広がるけど、社会機能の停止という最悪を回避するための最終手段」であって、最後の最後はそうなってしまうかもしれませんが、その前に感染を止めるための提言をしなければならないのです。今やるべき重要なことを何一つ考えず、背に腹は代えられなくなってしまった際の、感染拡大覚悟の最終手段を提案しているわけですから、地獄に落ちた方がいいレベルの頭の悪さです。南無妙法蓮華経！

■ 濃厚接触者を５日で戻すのは最低最悪の愚策

僕はかねてから「バカを政治家にしてはいけない」と訴えています。その筆頭はイソジンを片手に「嘘のような本当の話」と言ってきたイソジン吉村洋文です。バカはことごとく政策を間違えるので、第４波の時には大量の死者を出しました。人口当たりの死者数は、大阪がズバ抜けたワースト１位なのです。テレビに出演しまくることで「やってる感」を演出していますが、結果を数字で見れば一目瞭然で、「日本で最も無能な知事」と言っても過言ではありません。その上で、イソジン吉村を筆頭に「濃厚接触者の自粛は５日にするべきだ」という論調が盛り上がりを見せています。濃厚接触者を１４日間隔離させるのは、ＰＣＲ検査のキャバシティーを考えた時に、いちいち検査をしていられないので、感染したものだと考えて隔離生活を過ごしてもらうという話だと思います。なので、「ＰＣＲ検査で陰性となったら出てきてもらう」という話なら理解もできますが、ＰＣＲ検査もせず、症状がなかった時には５日程度で出てもらおうというのは、頭が悪いにも程がある話です。一応、イソジン吉村は「場合によってはＰＣＲ検査と組み合わせて」と少しだけエクスキューズを入れていますが、果たして、大阪に濃厚接触者のＰＣＲ検査を片っ端からできる能力があるでしょうか。この国の主流は「反知性派」になりつつあるので、「科学を無視したバカによる判断」がまかり通るようになっていますが、これは余計に感染を広げて社会を混乱に導く愚策中の愚策です。社会機能を停止させないために５日に短縮するんだと言っていますが、余計に感染が広がり、ますます社会機能を停止させる逆効果になりかねません。

これは国立感染症研究所が出しているデータです。最近は英語の論文を理解しようと必死な毎日が続いていたので、日本語で書いてあるだけで、めちゃくちゃ嬉しいです。ご覧いただいたら一目瞭然ですが、検査もせずに５日目に社会復帰させるなんて、「最もウイルス量の多い時に社会に出す」ことになってしまい、社会を混乱させたいアホの所業です。オミクロン株は感染から発症までの中央値が「３日」に短くなっただけで、「無症状の感染者がいるから感染が広がっている」という現実を考えた時に、「自粛期間を５日にする」という作戦を平然と口にする政治家は、頭からアツアツのイソジンをかぶった方がいいレベルのバカです。大阪府民の皆さんは、いい加減、異次元の頭の悪さを発揮し、大阪に地獄を広げるタイプのバカを絶賛している場合ではないことに気づいていただきたいです。

■ ジャニーズ事務所が１００％動員を宣言

ジャニーズ事務所が１月７日に「ワクチン・検査パッケージ制度を活用した公演開催について」というプレスリリースを発表し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されても、昨年１１月に日本政府が発表した「ワクチン・検査パッケージ要綱」に従い、ワクチン接種済、もしくは、検査結果が陰性であることを証明できた人だけを入場させるので、動員を５０％ではなく１００％を継続すると発表しました。政府のルールがそうなっていることに加え、かつては大型のコンサートを軒並み中止し、政府の感染症対策に協力して巨額の赤字で身を切って来たわけですから、ジャニーズ事務所の強行な姿勢は理解もできるところではあるのですが、これは相当な地獄です。政府が用意した仕組みがそうなっている以上、これでメシを食っている人間からすれば、これが「答え」になることは当然なわけで、このままだと「緊急事態宣言」で感染が止められなくなります。これまで書いてきたように、オミクロン株はワクチンを２回接種していることに何の意味もありません。ワクチン接種で感染を防げることを前提とした「ワクチン・検査パッケージ制度」は、余計に感染を拡大させる逆効果になるので、大至急、見直しをしなければなりません。ろくすっぽ補償をしないで経済を優先させると、そこには地獄しか広がりません。

■ イギリス国民の５０人に１人が後遺症

これはオミクロン株に限った話ではないのですが、昨年１２月６日までの調査で、イギリスでは推定１３０万人（全人口の約２．０％）が後遺症に悩まされていることが明らかになりました。後遺症に悩まされている人の１０人に４人（４０％）が、１年以上経っても後遺症になやまされているといいます。そして、後遺症に悩まされている人のうち約３人に２人（６４％）は日常生活にも悪影響を及ぼしているといいます。主な症状は以下の通りです。

倦怠感（５１％）
ニオイの喪失（３７％）
息切れ（３６％）
集中力の低下（２８％）

これらは自己申告によるものだと言いますが、これらの後遺症は３５～６９歳で多く、男性より女性の方が多く、貧困地域ほど後遺症に悩まされる確率が高くなっているということです。新型コロナウイルスには「後遺症」があるということを忘れてはなりません。「どうせ軽症だから感染しても大丈夫だ」というのは、あまりに安直な考え方なのです。

■ 南アフリカの１２月の超過死亡が約１万人

昔から「南アフリカ」という国は、データが改竄される信用できない国として知られており、日本と同類の国なのですが、１２月は約１万人の超過死亡が確認されたことが判明しており、簡単に言うと、「オミクロン株でも普通に人が死んでいた」という話になります。つまり、オミクロン株を風邪やインフルエンザと同程度と考えるのは無理があります。南アフリカと日本の決定的な違いは、南アフリカのワクチン接種率が２７％程度にとどまるのに対し、日本は７９％に到達しており、ワクチンによる「重症化防止効果」は確認されているところなので、南アフリカほど死者の山が積まれることはないかもしれませんが、それでも「死なないわけではない」ということを念頭に入れておかないといけません。

■ 全国の感染状況まとめ（１月１３日版）

全国４７都道府県の新規感染者数と主なトピックスを１行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は２行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で完結に状況をまとめております。

北海道：３２８人。札幌市１４０人。３００人超えは９月２日以来。
青森県：８６人。成人式関連の会食によるクラスターも発生している。
岩手県：１０人。今月８日と並んで今年に入って最多を記録。
宮城県：８６人。このうち仙台市が７１人。成人式が関係か。
秋田県：２４人。初めてオミクロン株感染を確認。２人がｏ株確定。
山形県：４０人。山形市では幼児から３０代までの１２人が感染。
福島県：６１人。郡山市の市職員３人の陽性報告も含まれている。
茨城県：１７７人。１５０人を上回るのは昨年９月１０日以来。
栃木県：１９６人。コンテナ型移動ホテル１２６台が臨時医療施設に。
群馬県：２３４人。感染者が２００人を超えるのは昨年８月２８日以来。
埼玉県：５４７人。５００人を超えるのは昨年９月１５日以来。
千葉県：６３３人。千葉版のGoToトラベルを１５日で新規受付停止。
東京都：３１２４人。病床使用率が３．３％から１５．１％に上昇。
神奈川：８４２人。警察感染。松田署１人、保土ヶ谷署２人、多摩署１人。
新潟県：２２０人。新潟市１２９人。８月２５日過去最多１５９人を更新。
富山県：３１人。先週木曜日は２日だったので、１週間で１５倍。
石川県：５４人。３３人が感染経路不明。いきなり前日の３倍。
福井県：８２人。前日の約２倍の新規感染で過去最多記録を更新。
山梨県：８７人。８０人以上になるのは昨年８月２５日以来。
長野県：２２０人。２日連続で過去最多を記録。６日連続１００人超え。
岐阜県：１７９人。岐阜市１９人、大垣市１７人、羽島市１４人。
静岡県：３８２人。入院中の高齢男性がオミクロン株感染の疑いで死亡。
愛知県：１０３６人。名古屋市内では１７の保育園で臨時休園。
三重県：１８６人。２０人以上が成人式の前後に開かれた食事会。
滋賀県：２８７人。過去最多更新。滋賀版GoToトラベル絶賛発売中。
京都府：５６６人。５００人超えは９月１日以来で過去３番目の多さ。
大阪府：２４５２人。ｏ株疑いで死亡の８０代男性はワクチン２回接種済。
兵庫県：９０５人。昨年９月２日以来となる９００人超えを記録。
奈良県：１３４人。荒井知事「ｏ株は軽症だから日常生活を維持して」。
和歌山：１１７人。２日連続で過去最多を更新し、３ケタは初。
鳥取県：２４人。米子管内９人鳥取管内８人、倉吉管内７人。
島根県：１０１人。過去最多更新。感染者の原則全員入院を中止。
岡山県：１６８人。１月３１日まで「オミクロン株特別警戒期間」と発表。
広島県：８０５人。過去最多更新。入院中の２人が死亡。
山口県：２１８人。過去最多更新。岩国市５４人、周南市５０人。
徳島県：４８人。四国アイランドリーグの野球選手が感染。
香川県：５６人。感染者が５０人を超えるのは昨年９月２日以来。
愛媛県：１５１人。２日連続で過去最多更新。若者が感染の中心。
高知県：２２人。２０人を超えるのは９月１１日以来１２４日ぶり。
福岡県：６９９人。派手な成人式でお馴染みの北九州市は１４４人。
佐賀県：８７人。病床使用率２１．７％、中等症患者が１２人。
長崎県：８４人。サッカーＪ２長崎は選手とスタッフ感染を公表。
熊本県：２９６人。昨年８月２０日の３１７人に次ぐ２番目の多さ。
大分県：８７人。宇佐市の高校で生徒１２人、日田市の同窓会８人。
宮崎県：１００人。三股町は新成人７人がマスクなしで記念写真で感染。
鹿児島：１１５人。枕崎市立病院の職員感染で外来診療を中止。
沖縄県：１８１７人。過去最多の感染者を記録。社会機能停止の危機。

オミクロン株に感染した高齢者が亡くなったという話が出てくるようになりましたが、この期に及んで「高齢者は風邪でも死ぬ」というのは間違えています。今のところ、大阪と静岡で確認されていますが、感染から死亡までが少し早い気がします。これから感染者が増えれば、死者は間違いなく増えることになりますので、今のうちから警戒が必要なのです。成人式で感染が増加し、大学入学共通テストでも感染が増えることが予想されますので、来週以降はさらなる地獄が広がると予測しています。さて、毎回お届けしてきた有名人の感染報告ですが、１月１１日から１３日にかけて、新たなニュースがありませんでしたので、エクセルのシートは一旦区切ることにしました。

■ 選挙ウォッチャーの分析＆考察

「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?

尊師・立花孝志の不正競争防止法違反、威力業務妨害、脅迫罪の３つの罪に問われている刑事裁判の判決まで、あと７日となりました。同日に「『ＮＨＫから国民を守る党』とは何だったのか？」という８年ぶり２作目の本が発売されるのですが、ちゃんと１週間後に刑事裁判を開廷できるのかが心配です。これから約１ヶ月間、怒濤の無料記事を更新していくことになると思いますが、「おひねり」はいつでも喜んで受け付けております。ぜひ本をご予約いただくか、サポートの程、よろしくお願いします。