【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#142)。
ゴールデンウィークが明け、オミクロン株「BA.2」によるSurgeが大きくなってまいりました。場所によってはコロナ前より人がいたところもありましたので、岸田政権の「規制のないゴールデンウィーク」を過ごしたツケは大きなものになるかもしれません。
これから流行しそうな「BA.2.12.1」などは、多くの人が感染した元祖のオミクロン株「BA.1」の抗体がほとんど有効にならない(※)という論文がありますので、何度も苦しむ人がいそうです。このところ、まとめきれていなかった新型コロナウイルスの最新情報をまとめます。
■ オミクロン株は弱毒化してなかった可能性
これまでオミクロン株は、デルタ株に比べて弱毒化していると言われてきましたが、アメリカで2020年冬から現在までを4シーズンに分け、同期の13万人以上の感染者を対象に調査した結果、各種交絡因子で補正するとオミクロン株の入院リスクや死亡リスクで示される病原性は、これまでの流行株と「まったく変わらないぐらい変わらない」という結果になってしまいました。
ひょっとすると、僕たちはワクチンによって症状が抑えられ、深刻な肺炎で重症化するような人たちが少なくなり、「オミクロン株はただの風邪」だと思うようになっただけで、この状態で「2類を5類にすればいい」なんていうのは、大きな勘違いなのだと思います。
ちなみに、「2類を5類に」と言っている人たちから、このような科学的な資料が出てきたのを見たことがあるでしょうか。彼らは雰囲気で語っているだけで、真剣にどうしたらいいのかを考えたことはありません。一般人ならともかく、政治家でそんなことを言っている人たちは、もれなく全員危ないと思っていいと思います。
■ 東京で流行しているのは「BA.2.3」という株
世界的でオミクロン株「BA.2」が猛威を振るう中、実は、東京都で流行しているのは、その亜種である「BA.2.3」という株であることが明らかになりました。先日、鳥取県の検査では「BA.2」が100%でしたが、韓国やベトナムなどで主流となっている「BA.2.3」がメインになっています。
この「BA.2.3」に、この株だけの特徴があるのかどうかは不明ですが、今後、東京都だけ様子が変わってくる可能性がありますので、注意深く見守る必要がありそうです。
ちなみに、国立感染症研究所の発表によると、日本国内全体で流行している「BA.2」の他に、同系統の亜種が検出されており、これまでに確認されているところでは多い順に、BA.2.3、BA.2.3.1、BA.2.10、BA.2.10.1、BA.2.3.2、BA.2.5、BA.2.4、BA.2.9系統などが確認されているということです。アメリカで感染の中心となっている「BA.2.12.1」の系統は、現時点では、あんまり日本に入ってきていないのかもしれません。
ゴールデンウィークで、日本国内を縦横無尽に移動しまくったことを考えると、地域的な流行みたいな概念がなくなっていくかもしれません。今後も感染者の推移を慎重に見守っていくことにしましょう。
■ オミクロン株に感染すると脳が20年分退化
先日、日本国内のニュースでも大きな話題になりましたが、新型コロナウイルスに感染すると、7人に1人が認知障害を含む後遺症に悩まされ、IQを10ポイント程度失うとされています。これは年齢にして20年分の退化を意味します。
「eClinicalMedicine」に掲載された研究によると、感染から半年以上経った人でも認知障害に陥るケースがあり、今のところ、回復はせいぜい段階的であるとしています。軽症でも認知障害に苦しむケースがありますが、入院患者の約3分の1、あるいは4分の1の人が、退院から半年以上経った後も認知障害に苦しんでいると報告しています。重症化した人は脳のダメージがより残る傾向にあることを示しています。
研究者によると、脳への直接的なウイルス感染の可能性もあることにはあるけれど、主な原因になる可能性は低く、脳への不十分な酸素や血液供給などが原因ではないかと考えられ、最も重要なメカニズムが、体自身の炎症反応と免疫系によって引き起こされる損傷である可能性があることを示唆しています。このあたりが解決されれば、認知障害に陥る人を少なくできるのではないかと考えられるため、さらなる研究が待たれます。(資料)
■ 小さなラーメン屋も要注意である
先日、煮干しラーメンを食べるため、小さなラーメン屋に入った時のことです。僕の中でラーメン屋は黙食だし、居酒屋よりは安全だと思っていましたが、そんなことはありませんでした。そのお店はたまたまCO2モニターが置いてあって、見たら1000ppmを超える数値を記録。
すぐさま店員さんに「換気をしてもいいですか?」と質問をし、了承をいただいて、入口の窓を開けました。数値は5分ほどで正常化し、500ppm以下にまで下がったのですが、ラーメン屋は換気扇を回しているから大丈夫だと思ったら大間違いで、やっぱり換気が不可欠です。改めて、いろいろな場所をCO2モニターで測って歩き、知られざる危険な場所をご報告したいと思います。
■ 全国の感染状況まとめ(5月14日版)
さて、全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で簡潔に状況をまとめております。
本日の日本全国の感染者数は3万9416人となりました。また、本日の死亡者数は30人でした。死亡者の内訳は、東京都10人、埼玉県4人、群馬県3人、茨城県3人など。
日本国内の新型コロナウイルスの死者数は、累計で3万人を超えました。皆さんが「弱毒化した」と思っているオミクロン株で、この3ヶ月ほどの間に1万人が亡くなっており、過去最速のペースであることは知っていただきたいです。「オミクロン株はそんなに死なない」というのはワクチンのおかげで、確率の上では死ににくくなっているものの、死者の絶対数ではオミクロン株の方が多いということを知るべきです。
最近は、非科学的な「ノーマスクで過ごせるようにするべき」だと主張する人たちがネット上で大きな声を出すようになり、ノーマスクを強行する人たちも増えつつあると思います。このグラフを見れば、普通は「ノーマスクで過ごせるわけがないだろ!」と分かりそうなものですが、この世はグラフも読めない人がたくさんいるので、ちゃんと気を付けて生活している人たちのリスクが上がってしまいます。
ちょっと羨ましい話をすると、「南西アジア」と言われるインド、パキスタン、スリランカなどは一様に新規感染者数が激減し、ピーク時の99%減となっています。こういう状況であれば、多少は油断しても許されそうなものですが、日本は今、第7波が始まろうとしているので、この状況でマスクを外したり、2類を5類にするという議論をするのは、頭が悪いにも程があるという話です。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
今週は、春日井市長選や野田市議選が行われますが、ノーマスクのアホが立候補してきますので、注意が必要です。春日井市長選に立候補する末永啓は、最近までN国党に所属していた人間ですが、「日本の真ん中からマスクを外す」を公約に掲げており、こんなアホが当選した日には、街がメチャクチャになると言っておきたいと思います。野田市議選にもN国党と「つばさの党」の2人が立候補する予定で、こちらも「コロナはただの風邪」だと思っているカルトです。
その他にも、中野区長選の稲垣淳子さんをN国党の中野区議が応援に名を連ねており、反社会的カルト政党の動きが活発になっています。こうした動向を最前線でお届けするため、今週は全国各地を飛び回ることになりそうなので、感染に気をつけながら、しっかり取材したいと思います。
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