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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#291)

 私は今日までN国党に対して最前線で批判を続けてきた。
 私に立花孝志ほどの知名度がないため、立花孝志の発信を完全に無効化するほどの力はないが、それでも立花孝志の作戦に日本の政治が蹂躙されるようなことがあってはならないと考えている。面白がって無批判に報じるのではなく、真正面から中指を立て、「くたばれ、クソが!」と言ってやらなければならないと思っているのだ。
 先日、10月7日告示、10月24日投開票の参院補選・山口県選挙区にN国党から迷惑系YouTuber・へずまりゅうが立候補する計画があると報じられた。ご存知の通り、へずまりゅうは迷惑系YouTuberとして、窃盗や威力業務妨害の罪に問われ、懲役1年6か月、保護観察付きの執行猶予4年という判決を下されている人物だ。現在は控訴しているが、もしこの間に再び社会に迷惑をかけるようなことがあれば、逆に執行猶予の温情を受けられなくなる可能性もある。へずまりゅうには、今こそ自分のやってきたことと向き合い、他人に迷惑をかけず、慎ましくも幸せな毎日を過ごしてもらいたいと多くの人が願っているはずだ。
 しかし、そんな「へずまりゅう」を客寄せパンダとして利用し、自分たちのお金に変えようとしている奴らがいる。それが立花孝志であり、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(旧・NHKから国民を守る党)」である。
 そもそも「へずまりゅう」には判断能力がない。判断能力のある人間だったら、今頃、こんなふうに刑事罰を受けるようなことにならなかったことだろう。だからこそ、これからの保護観察付きの執行猶予の中で、少しずつでも判断能力を身につけ、他人に迷惑をかけない人生を過ごしてもらいたいと願っている。しかし、そんな彼を再び「迷惑系YouTuber」の道に戻しかねないのが、国政政党の代表の立花孝志なのである。


■ 立花孝志が「へずまりゅう」を擁立する狙い

 今のところ、へずまりゅうを立候補させようというのは、立花孝志が勝手に言っているだけで、まだ「へずまりゅう」が正式にオファーを受けたわけではない。9月19日に新宿・歌舞伎町で行われる素人格闘イベントに出場する「へずまりゅう」を直撃し、立花孝志が直々にオファーしに行こうというのである。

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 へずまりゅうは、昨年の東京都知事選に立候補した立花孝志の応援演説に駆け付けている。当時はまだ現役の迷惑系YouTuberで、へずまりゅうのマネージャーをしているという男がN国党の公認候補として、2022年4月の松山市議選に立候補する予定だった。ちなみに、その男はやがて山口県の墓地で墓石の上に立ち、卒塔婆を振り回すなどの行為で「礼拝所不敬容疑」で逮捕されている。
 迷惑系YouTuber同士で同じ周波数なのか、へずまりゅうと立花孝志は仲が良く、へずまりゅうが立花孝志の口車に乗せられ、参院補選に立候補してしまう可能性はゼロではない。ただ、そうなった時には、立候補を打診した立花孝志よりも立候補を決めた「へずまりゅう」に批判が集まってしまうことだろう。立花孝志に協力する人はいつもそうなるが、責任を取らされるのは立花孝志ではなく、協力した人である。立花孝志にNHKが保有している個人情報を渡し、不正競争防止法違反に問われて前科者になってしまった元NHK訪問スタッフの若者がその代表例だ。
 立花孝志の狙いは、へずまりゅうを擁立することで、世間の注目を集めることにある。表向きは「政治に興味のない人たちに政治に興味を持ってもらう」と言うことだろうが、実際は、「まさに今、こうやってまんまと立花孝志の作戦通りに興味を持たされているので、立花孝志はスゴい!」と脳味噌をアハつかせてしまうバカが1票入れれば、立花孝志の政党に1票あたり約80円の政党交付金が振り込まれる。つまり、バカが釣られて投票すればするほど、立花孝志が税金でちゃっかり儲かるシステムなのである。
 もし本当に世の中をよくしたいと思っているなら、よりによって、迷惑系YouTuberを擁立するはずがない。迷惑をかけた山口県の皆様にお詫びをしたいなら普通に頭を下げればよろしいし、駅前を無償で掃除でもした方がよっぽど反省している姿を見せられることだろう。何か政治的な志があるわけでもないのだから、まかり間違って当選してしまった日には、ますます皆様に迷惑をかけることになるわけで、立花孝志のオファーを断ることが更生への第一歩である。


■ そもそも立花孝志が「刑事被告人」である

 立花孝志は、まるで「へずまりゅう」を更生させてあげるかのようなスタンスで語っているが、そもそも立花孝志自身、現在進行形で刑事事件に問われている「刑事被告人」である。しかも、問われている罪は不正競争防止法違反、威力業務妨害、脅迫罪の3点セットで、「会計前に魚の切り身を食べた」とかいうレベルの話ではない。
 既に立花孝志に協力した共犯者は、懲役1年6か月、執行猶予3年の判決が下されている。共犯者が「懲役1年6か月」なので、主犯であり、複数の罪に問われている立花孝志がそれより軽いとは考えにくい。10月7日に論告求刑があり、来年1月20日に判決が言い渡される予定だというが、執行猶予付きの判決が得られるかどうかさえ怪しく、「へずまりゅうの心配をする前にオマエの心配をしろ!」の一言なのである。
 へずまりゅうは、警察から「もうやるんじゃないぞ!」と諭され、誰もが更生することを願っている中で、自分たちのお金のために利用し、再び迷惑系YouTuberの道に戻りかねない事態に陥っている。これを仕掛けているのが日本の国政政党であることに地獄を感じるが、こんなところに年間1億6000万円の税金が投じられ、そのお金が立花孝志への貸付金に変わり、何に使われたのかがわかっていないのだから、こんなに酷いことはない。立花孝志は、既に起訴されている3点セット以外にもまだまだ多くの罪で問われるべき存在なのではないだろうか。


■ 自称・数字のプロの「誤算」で資金繰りに失敗

 立花孝志は、NHK時代にどこよりも早く「当選確実」を報じる独自のシステムを開発したメンバーで、エクセルを使えばガリレオ並みの計算式を打ち込み、どんな候補者をも当選に導く「選挙のプロ」を自称しているが、実際は2020年4月の志木市議選の無投票当選を最後に「46連敗中」である。もし、へずまりゅうが立候補して落選すれば「47連敗」となる。
 弁護士の資格こそないが、弁護士に負けず劣らずの知識と能力を持っているそうで、「裁判のプロ」も自称しているが、「ちだい君が反省か破産するまで続ける」と宣言して仕掛けてきた裁判では、今日の今日まで一度も勝ったことがなく、逆に、日本でまだほとんど判例のない「スラップ裁判(訴訟の濫用)」で、原告が被告である私に約94万円支払えという画期的な判決まで引き出している。
 そして、立花孝志はNHK時代に「記者」として活躍したことを自称しているが、NHKにキャリアの開示を求めたところ、「立花孝志は記者ではない」との回答を得た。さらに、立花孝志は「経理」として活躍したことがあるそうで、海老沢会長の右腕として秘書業務も兼任し、億単位の裏金を動かし、時に立花孝志が首を縦に振らなければお金を動かせなかったと自称しているが、N国党は今、どうなっているのかと言うと衆院選の時期がズレたことが原因で誤算が生じ、年利5%(初年度10%)で約5億円の融資を集めて、年間1億6000万円もの政党交付金がありながら、いよいよ党の資金が枯渇し、このままだと党の活動が立ち行かなくなるという。
 NHK時代に海老沢会長の隣で億単位の裏金を回した「数字のプロ」なのに、名古屋の高級キャバクラで豪遊する姿を披露したり、ゴルフ三昧の毎日を過ごす様子を発信しながら、「お金がない」と言い出している。「ちだい君を破産させるまで裁判を続ける」と豪語していたのに、私より早くお金が尽きそうだというスーパーギャグ。どこの会長がこんな奴に巨額の裏金の管理を任せたというのだろう。
 それでも立花孝志は「経営者」なので、N国党で働く職員たちの雇用を守るため、餃子屋を始める計画を立てているという。今度の衆院選では、比例九州ブロックに、尾道の餃子屋さんを閉店に追い込むキッカケを作った堀江貴文の秘書のノーマスク男を擁立するN国党が、このコロナ禍で餃子屋を経営し、1日4万円の営業時間短縮に係る感染防止協力金にあやかろうとしているらしい。ほぼ間違いなく計画は失敗すると思うが、我々のような記事が売れなければ1円も入らない水商売と違って、政党交付金という億単位の安定収入を得ながら資金を枯渇させてしまう人間が、どうやって餃子屋を黒字にするというのだろう。


■ 衆院選の候補者は30名程度になる見込み

 現在、N国党はありとあらゆる政治団体や、落選したことのある議員たちに、片っ端から「N国党から立候補しないか」というハガキを送っているようだ。しかも、そのハガキには、その先の衆院選で「政権を取る」とまで書かれているという。
 立憲民主党でも、日本維新の会でもなく、党の資金が枯渇して餃子屋を始めようと言って、客寄せパンダに「へずまりゅう」を立候補させようとしている「NHKと裁判してる党」というマヌケな名前の政党が、日本の与党になるという話をしているのだ。そうなった時には立花孝志が総理大臣になるのだろうから、いくら何でも日本が沈没する。
 もちろん、こんなハガキをまともに受け取る奴はよっぽどのアホしかいないので、どうやら「受信料を払ってください」のNHKのハガキよりも効果が薄いらしく、ハガキを見て立候補する人はいないようだ。しかし、こうやって必死になって集めたメンバーが、現時点で30人前後いる。
 その中には、コロナ陰謀論を唱える「つばさの党」の黒川敦彦、千葉県知事選に立候補した顔面白塗りピエロ男、全身タトゥーの元コカイン常習者に加え、「ゆたぼんのパパ」も含まれる。さらに、そのうちの4分の1ぐらいは堀江政経塾のメンバーで、堀江貴文の政治思想を受け継ぐ人々が「N国党の公認候補」という人生の黒歴史をキッチリ残そうというのである。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 9月17日は、自民党総裁選の告示日で、4人の次期総理大臣候補が立ち上がり、それぞれが政策を発表していた。次に総理大臣になる人が、記念すべき「第100代」の総理大臣となるため、一つの節目と言える。
 もちろん、日本の新しい総理大臣が決まる選挙なので、テレビや新聞は自民党総裁選のニュースで持ち切りだが、ネットニュースは、N国党が「へずまりゅう」を擁立するという話がトップ扱いとなり、Twitterのトレンドにもなってしまった。日本の第100代の総理大臣のニュースをかき消し、クソを塗りたくったのである。
 こうなってしまうのは当然で、「日本の経済をどうする」とか「日本の外交や防衛をどうする」という難しい話を喧々諤々討論されても、「へずまりゅう」がさんざん迷惑をかけた山口県から参議院議員になるために立候補してくる話の方がインパクトがある。ましてや「へずまりゅう」を立候補させるために300万円の供託金を払ってオファーする国政政党があるというのだ。これだけ頭がイカれていれば、今度の総理大臣が誰になりそうかという話よりも面白い。
 しかし、前回の参院選ではうっかり間違って投票してしまった人もいるかもしれないが、さすがに正体がバレている今、この期に及んでN国党に入れる人は少ないだろう。立花孝志がいくら「計算に基づいた炎上」だと言い張っても、こんなものは炎上でも何でもない。単純に人々が立花孝志のイカれた行動に怒っているだけである。
 それでも、こんなムチャクチャな奴らに立候補する権利が与えられているのだから、日本の民主主義は素晴らしい。ただ、だからと言って、これを野放しにしていいわけではない。こいつらに立候補する権利があるのと同じように、我々にもこいつらを自由に批判する権利がある。立花孝志に「くたばれ、クソが!」と言ってもいいのである。
 私はこの日の記者会見で立花孝志に「お金にもならないのに、セコセコとN国党を批判している気の毒な人」と言われているが、もはやお金になるかどうかは関係ない。立花孝志やN国党に私たちが一生懸命汗水流して納めた税金が1円でも使われないようにするため、一人でも多くの人が間違って投票しないために、現状を知っていただくことが私の仕事である。こいつらに使われるお金があったら1円でもコロナ禍で困っている人に回した方がいいに決まっている。だから、今日も無料でN国党の批判記事をお届けするのである。くたばれ、クソが!

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