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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#88)。

 世の中には、今回の第5波エピデミックを「大したことない」と考えてしまうマヌケな人たちがたくさんいて、そういう人たちがネット上で上から目線のウザガラみを見せるせいで、「ロックダウンが必要ではないか」という真っ当な議論をする人たちを黙らせてしまい、余計に地獄が広がる悪循環に陥っています。
 マヌケな人たちの特徴は、「自分は数字に基づいて科学的に語っているんだ」という絶対的な自信を持っていることです。データをもとに語っている自分は「科学的」であり、データ以外のことを言う人間は「感情的」であると解釈し、自分が絶対的に正しく、相手が間違えていると決め込んでしまうのです。しかし、データを語る前に「なぜその数字になっているのか」を考えないと「平熱パニックおじさん」みたいなことになり、日本を代表するバカなオジサンとして人々から軽蔑されることになるのです。


■ 第4波の医療崩壊を振り返ってみよう

 まず、第5波の医療崩壊を語る前に、大阪や兵庫で起こった第4波の医療崩壊について、振り返ってみることにしましょう。大阪では、東京に先駆けて医療崩壊を起こし、入院したくても入院できず、自宅で亡くなる方が続出するという現象が起こりました。その時の新規感染者数のグラフが、こちらになります。

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 7日間の移動平均を線で表すと、山のテッペンの部分が富士山のように平らになっていることがわかります。本当は鋭角に折り返してこなければおかしいのですが、平らになっているということは、ここが検査の限界値だったことを示しています。つまり、感染しているかどうかを調べることもできなかった人が、これくらいいたことになります。

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 ここには「検査をできなかった人たち」というのが存在し、その人たちはどうなっているかと言うと、「猛烈に熱を出したり、呼吸が苦しくて、たぶん新型コロナウイルスに感染していたと思うけど、感染していたのかどうかがわからない人」という扱いになっています。
 そして、この検査ができなかった人は、ほとんどが軽症で復活していると思われるものの、本当は中等症のステージに行っていた人もいるし、お亡くなりになっている方もいらっしゃいます。そして、本当は中等症のステージに行っていた人たち、あるいは、お亡くなりになってしまった人たちというのは、どういう数字になって現れるかと言うと、厚生労働省が発表している新型コロナウイルスの重症者や死者の欄ではありません。
 4月23日の報道では、受け入れ病院の決定までに24時間以上かかったケースが3件、最長は46時53分。6時間以上かかるケースが1週間で20件あったとされています。そして、搬送までに1時間以上かかったケースが最も多かった4月12日から18日までの1週間で278件。
 当時の重症病床の運用率は99.2%で、軽症・中等症の病床を押しのけて重症患者を診ていた状態で、入院して初めて「重症」と認められる設計になっているので、重症病床に入れなかった人は「重症ではない」という扱いになっています。
 それで、当時の超過死亡がどうなっていたのかと言うと、大阪府では268人から586人と推測され、去年の170人を上回り、分析した脇田隆字座長は「断定はできないが、大阪府などの状況を見れば、新型コロナの感染拡大が影響した可能性がある」とまとめています。

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 第4波の「たったこれだけの三角形」で、これだけ大きな影響が出ているのです。今回、東京で起こっている「第5波」は、大阪の小さな三角形どころの騒ぎではありません。それでいて、オリンピックもパラリンピックも開催するというクレイジーぶりなのです。


■ 本当に重症者は増えていないのか

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 これは、東京都が発表している入院患者と重症患者の推移です。
 新規感染者数が増え、入院患者も順調に増えているのに、重症患者数は280人を超えることはなく、やっぱり富士山のテッペンみたいに平らになっています。この先にできるのは、もしかしたらエアーズロックかもしれません。新規感染者数や入院患者数を見れば、本来、こうなっていなければグラフは不自然です。

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 つまり、重症患者として扱われなければならない人が、いないことになっている。これがどんな数字で表れているのかと言うと、先程と同じ、救急搬送されない人として現れるようになります。
 大阪の第4波で緊急搬送に時間がかかった人が278件。しかし、搬送に6時間以上かかるケースは20件しかなく、なんだかんだで遠くの病院に入れてもらえたりして、それでも超過死亡が少なくとも268人以上であると認められているのです。
 東京は重症病床がいっぱいで、重たい中等症の人たちを頑張って入院させていますが、肺が真っ白で血中酸素飽和度が80%台でも入院させてもらえないので、8月16日~22日までの1週間で緊急搬送を要請した1983人のうち、病院に搬送されなかった人が1160人。大阪とは比べ物にならないくらいに深刻な状況に陥っているため、今すぐに感染を抑止するための行動を取らなければ、今からワクチン接種をするのでは乗り切れないと言っているのです。

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 そもそも「防疫ファシズム反対」とか言っている時点で、だいぶ頭が悪いとしか言いようがありませんが、計算が合っているかどうかを確かめるためにも、そもそも東京のPCR検査がいつからサチられたのか、つまり、検査が足りなくなってしまったのかを検証する必要があります。

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 東京都だけではありませんが、特にロックダウンをしたわけでもなく、人流がほとんど変わらないのに、新規感染者数の角度が変わりました。物理学者の先生たちは「このグラフの角度はあり得ない」と指摘していて、7月末から新規感染者数は完全にサチられ、現在は8倍~10倍ぐらいの乖離があるだろうと見ています。
 この大きな乖離が「1160人が救急搬送されずに自宅療養のままになっている」という状態につながっているし、この中には重症者が含まれているし、死者になる人も含まれていると考えます。大阪では「278件」の救急搬送できない状態で「吉村は辞めろ!」の大合唱となり、今ではすっかり無能の烙印が押されているわけですが、今、東京で広がっているのは、大阪どころの騒ぎではありません。しかも、イソジン吉村先生は、良くも悪くもテレビに出演して「自粛をしてくれ」と言っていましたが、小池百合子はこの期に及んで小学生にパラリンピックを現地観戦させようとしているぐらいに狂っています。
 そして、この「大きな乖離」は、これからますます悲劇を拡大していくと考えられています。この救急車を呼んでも入院させてもらえない地獄は、さらに件数が増えてしまうと予測され、現時点で十分ヤバいのに、今よりもっとヤバくなってしまうかもしれないのです。そして、3週間前は「サチり始めた時期」であり、まだ乖離は大きくありません。乖離はどんどん大きくなっているため、来週はもっと増えるし、再来週はもっともっと増える。これは止められません。解決方法は「ない」のです。こんな元も子もないことを言ってしまうと、「じゃあ、何のために書いているんだ?」と言われてしまいそうですが、1週間後は変えられなくても、4週間後は変えることができるからです。

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 確かに、70代や80代の人たちに比べて、20代や30代の若者の致死率というのは「年齢別」に見れば低いです。ただし、それは「医療を受けられる」ことを前提にしており、肺が真っ白になるほど進行すれば、20代や30代の若者も死ぬし、40代や50代はもっと死にます。
 そもそも中国の武漢で発生したばかりの頃、この新型コロナウイルスは何が何だか全然わかっておらず、治療法はもちろん、対処療法もわからなかったため、その致死率は5.1%に上りました。
 その後、あれやこれやの手を尽くし、今ではモノクローナル抗体カクテルなども存在し、ワクチン接種により、高齢者施設などでのクラスターが発生しなくなったため、死者の数という点ではマシになってきていると言えるかもしれません。しかし、いずれも「医療にかかれることが前提」の数字でしかありません。
 大阪で起こった第4波の悲劇は、今年4月の話であり、医療にかかれなくなってしまうと、軒並み死者が増える。あの時の大阪よりも圧倒的に病院に行けなくなっているのですから、このままだと若い人でも命の危険に晒される可能性が高くなってしまいます。毎日まとめている有名人の中にも、一定の確率で亡くなる方が出てくるかもしれないし、再起不能になって引退を迫られる人が出てもおかしくないのです。
 若い人は、9割以上の確率で軽症のまま帰ってこられます。しかし、そのうちの約76%には何かしらの「後遺症」が残ります。多くの場合は時間とともに解消することもあるようですが、改善しない場合もあります。そのロシアンルーレットに当たる確率は、死亡や重症化の比ではありません。だから、なるべく感染を減らすための取り組みが必要で、お金のかからないところで言うなら、「ウレタンマスクをやめろ!」というだけで、十分に感染を減らす効果があります。しかし、そういうことをちゃんと発信できる人がいないというのが、今の日本の現実なのです。
 そして、社会全体で感染者を減らし、重症化や死亡するリスクを減らすために、ありとあらゆる手を尽くすのが、本来、「政治家」の仕事なのです。


■ 全国の新規感染者数(8月25日版)

 全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で完結に状況をまとめております。

北海道:568人。札幌市289人、旭川市83人、函館市24人。
青森県:104人。過去最多。県の独自対策を発表するも何もせず。
岩手県:40人。学校の感染を防ぐための手段は「健康観察」。
宮城県:301人。過去最多。ワクチン未接種の20代男性死亡。
秋田県:37人。洋上風力発電工事作業船でマスクなし14人感染。
山形県:35人。9日連続30人超。デルタ株99%、アルファ株0%。
福島県:95人。妊婦の集団接種実施へ。気分屋酒場で27人感染。
茨城県:275人。ひたちなかの高齢者施設、日立市内事業所で集団感染。
栃木県:220人。部活動は週4日で、1日90分というユルユル基準。
群馬県:254人。9月の補正予算はコロナに集中すると山本一太知事。
埼玉県:1614人。2人死亡。自宅療養が実際には数千人多い。
千葉県:1452人。30か所以上の医療機関から搬送断られ死亡。
東京都:4228人。8月は30代6人、40代5人死亡。
神奈川:2304人。横浜で40代男性自宅死、相模原で50代自宅死。
新潟県:159人。過去最多。魚津市が自宅療養者に食料を無料調達。
富山県:120人。県立学校56校で夏休みを9月12日まで延長。
石川県:78人。金沢市の各小学校でオンライン登校日。
福井県:56人。過去最多。福井村田製作所の武生事務所で生産停止。
山梨県:85人。10歳未満の感染が10人、20代26人で最多。
長野県:125人。松本市で感染した子供の名前を保護者全員に誤送信。
岐阜県:382人。10月末開催の「ねんりんピック岐阜」中止。
静岡県:638人。スズキの工場で計18人、本社で2名の感染。
愛知県:1815人。過去最多。蒲郡市でワクチン余ったらLINEで通知。
三重県:431人。過去2番目の多さ。鈴鹿市74人。三重国体中止。
滋賀県:220人。緊急事態宣言の対象となり、県民たちがざわつく。
京都府:531人。舞鶴市の海上保安学校の寮で4人感染。
大阪府:2808人。過去最多。自宅療養者1万6003人で過去最多。
兵庫県:1088人。過去最多タイ。レストランや部活で集団感染。
奈良県:184人。緊急事態宣言に効果がないので要請しないと荒井知事。
和歌山:85人。80代女性死亡。病床使用率96.5%。
鳥取県:30人。米子管内15人、鳥取管内9人、倉吉管内6人。
島根県:45人。松江市の飲食店で7人の集団感染。
岡山県:302人。岡山市123人、倉敷市112人。
広島県:354人。高校の部活動を原則禁止。体育祭や文化祭中止。
山口県:61人。下関市の医療機関、宇部市のキャバクラで集団感染。
徳島県:56人。27日から飲食店に営業時短要請を出すと発表。
香川県:90人。高松市40人、丸亀市11人、東かがわ市9人。
愛媛県:76人。松山市内の県立学校は時差登校。一部の部活動自粛。
高知県:111人。過去最多。100人を超えるのは初めて。
福岡県:1094人。福岡市532人、北九州市201人。
佐賀県:124人。江北町の永林寺保育園で集団感染。
長崎県:73人。長崎市28人、佐世保市21人、大村市6人。
熊本県:226人。アストラゼネカ製のワクチン接種センター開設。
大分県:186人。大分上野丘高校や宇佐市役所でクラスター。
宮崎県:114人。宮崎市でも救急搬送に2時間近くかかるケースも。
鹿児島:240人。薩摩川内市の児童施設でクラスター。
沖縄県:809人。過去最多。米軍関係者は40人。
パラ輪:柏市に滞在の英国車椅子テニス選手が感染。

 この期に及んでまだ、菅義偉総理大臣は「学校の一斉休校の必要なし」とホザいていることが明らかになりました。それどころか、全国の小学生たちにパラリンピックを見せてやるつもりです。バカすぎて話になりません。グーグル先生のAI予測では、これからも新規感染者数は増え続け、さらに死亡者も増えると考えられています。少なくとも、これから2週間は下がるトレンドにありません。政府が手を打たなければ、本当に終わります。


■ 有名人の感染状況(8月25日版)

 これだけ新型コロナウイルスの感染が広がると、有名人に感染する確率が高くなります。公表されている有名人の感染状況をまとめるだけでも、どれだけ感染が深刻化しているのかを理解していただけると思います。

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 有名人の感染報告も続々と入っており、これからますます増えることが予想されています。トミーズ雅さんが唯一の60代となっていますが、ほとんど20代や30代が感染しているというのは、トレンドだと考えていいと思います。40代や50代だと死に至るケースもありますが、20代や30代でも亡くなっている方が報告されています。気を付けてください。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 今日は太陽に当たってしまい、夕食を食べる前ぐらいから頭が痛くなったので、3時間ぐらい寝たところ、すぐに回復しました。こんなこともあろうかと、明日は東京都議選のレポートをリリースしようかと思っていたのですが、なんとか間に合いました。
 いよいよ多くの方に、本格的にヤバいことになっていることが伝わって来たと思いますので、この連日に及ぶ無料レポートは役割を終えてきたのではないかと思っています。菅義偉政権や小池百合子都知事は、どこまで地獄を広げるつもりなのでしょうか。本当に手を打たないと、日本は終わりです。

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