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【選挙ウォッチャー】 参院選2022・新潟県選挙区レポート。

 6月22日公示、7月10日投票で、参院選が行われました。
 この新潟県選挙区は、自民党にとって絶対に落とすことのできない大激戦区であり、岸田文雄総理が最後の応援演説の場に選んだくらい、あらゆるリソースを注いでいた選挙区でした。
 2021年の衆院選では、新潟1区(西村智奈美)、新潟4区(菊田真紀子)、新潟5区(米山隆一)、新潟6区(梅谷守)と、全6区中4区を立憲民主党に取られているというのが「新潟県」です。少なくとも新潟4区と新潟6区については大接戦となっており、取り返せる可能性は高いです。なので、ここで立憲民主党を弱体化させ、必ずや取り返すためにも、この参院選は落とせなかったのです。

小林 一大 49 新 自民党
森 裕子  66 現 立憲民主党
遠藤 弘樹 42 新 参政党
越智 寛之 48 新 NHK党

 新潟県は、もともと接戦が予想されていた選挙区ですが、選挙中盤くらいまでは、横一線の戦いになっていました。選挙期間中にどんどん差が広がっていったとみられ、「物価高と戦う」というキャッチフレーズが、いまいちピンと来ていなかった可能性があります。
 僕も日頃から買い物をしますが、確かに、いろいろなものが値上がっていると感じるものの、スーパーなどの努力もあって、ゲロを吐いちゃうぐらいに値上がっているわけではないので、どうにか生きていけています。消費者も消費者で、今までは少しだけ良いものを買っていたけど、ワンランク下げることで対応するなどしていて、今のところ、「物価高」を克服できてしまっているのです。
 具体的に言うと、僕はこれまで「1リットル298円」の高級なコーヒーを愛飲していました。それが今となっては「378円」まで値上がりしてしまったので、そのコーヒーを買うのをやめて、そこまで味が落ちるわけではない「298円」の別商品を買うようになりました。物価高にはなっているのだけど、実は、僕が払うお金は変わっていません。少しは質が下がっているのでしょうが、それを感じない程度に節約をして、うまいこと物価高に対応してしまっており、そこまで響くキャッチコピーではなくなっているのかもしれないのです。
 もっとも、自民党の小林一大さんは、特に訴えたいこともないらしく、キャッチコピーすら書いていないのですが、それでも勝っています。これは一体、どういうことなのか。この後、詳しく解説します。


■ 越智寛之の主張

 越智寛之は、古参のN国信者であり、2019年の参院選では岡山県選挙区から立候補し、2020年の倉敷市長選にも立候補しました。この流れで言えば、今回も岡山県選挙区から立候補しそうなものですが、当初は、岡山県選挙区は自民党ながらNHK問題を追及してくれる小野田紀美を応援するために候補者を擁立しない計画だったため、越智寛之は新潟県選挙区に回されました。
 越智寛之は、服部修や坂本雅彦、尾崎全紀と並ぶ「300万円自腹組」と言われる男の一人で、2019年の参院選で300万円の供託金を自腹で負担したことからN国信者の中でも「特別扱い」を受けています。なので、今度の統一地方選では、当選確率の高いとされる選挙区を優先的に割り当ててもらう約束となっており、今のところ、大田区が検討されています。大田区は2019年の統一地方選でも当選を果たしているため、要注意の選挙区となります。


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