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【選挙ウォッチャー】 安倍晋三の国葬が最後までカオスすぎた件。

 9月27日、国民の半数以上が反対をする中、安倍晋三の「国葬」が強行されました。テレビで中継を見ていた人たちは、まるで厳粛な空気の中、つつがなく葬儀が執り行われたイメージかもしれませんが、実際の日本武道館や国会議事堂周辺は、とてつもなくカオスなことになっていました。
 もはや「第1回・安倍晋三壺祭り」と呼んだ方がいいのではないかと思うほど地獄味溢れる状態に仕上がっており、やっぱりこれを伝えるのが、僕の仕事ではないかと思うほどです。


■ 日本武道館の前は「顕正会」の大行列

日本武道館の前で布教活動をする「顕正会」の女性たち

 まず、安倍晋三の国葬が行われていた日本武道館の前、つまり、靖国神社のまわりには、日蓮宗の一派である「顕正会」の方々が大挙して押し寄せており、日本はもともと「仏の国」だったのに、安倍晋三が「神の国」を作ろうとしていたせいで、日本が滅びようとしていると訴えていました。
 実際は、「神の国」を目指す「神道政治連盟」だけでなく、韓国発の新興宗教「統一教会」とズブズブだったから、このたびの「国葬」とやらが行われるに至ったわけですが、せっかく靖国神社の前で「国葬」が行われているのに、「顕正会」から宗教的なカウンターを浴びせられているところが、いかにも「安倍晋三壺祭り」です。

特設された安倍晋三の献花台では、安倍晋三の遺影に黒いリボンがつけられていた

 ここまでゴリ押しで安倍晋三の国葬をする側としては、「安倍晋三フォーエバー」な感じで、「死しても魂は死なず」の空気を作り出し、安倍晋三を神格化するつもりだったのかもしれませんが、しょせん、「ムラヤマ」がディレクションをする「安倍晋三壺祭り」なので、安倍晋三の遺影にガッツリと黒いリボンがつけられ、コントのような風合いに仕上がっていました。ドリフの見過ぎなのかもしれませんが、やっぱり遺影に黒いリボンがつけられてしまうと、たちまち「面白み」が出てしまいます。


■ 令和の時代に昭和の「新左翼」が目を覚ます

ヘルメットをかぶっている新左翼たちが大量の警察官に囲まれていた

 日本で「暴力革命」を標榜する新左翼たちが暴れていたのは、1960年代の後半。あれから50年近くの月日が流れ、今ではすっかり絶滅危惧種に指定されている新左翼たちですが、なんと、この日は封印が解かれて壺から出てきてしまったのか、「ゲバヘル」と呼ばれる独特のヘルメットを被った人たちが九段下に登場し、大量の警察官に囲まれていました。
 僕もネタで被っている人は見たことがあるのですが、ガチで被っている人を見るのは初めてで、まさか令和4年に「歴史で見たことがある!」という体験をすることになるとは思いませんでした。八潮市議選で「喋らないウグイス嬢」と言いながら助手席にラブドールを乗せて選挙をしていた「大日本ラブドール党」を見た時以来の衝撃です。

国会議事堂の前では「革マル派」の皆さんがビラを配っていた

 国会議事堂の近くでビラを配っていたのは、「革マル派」でした。
 実は、「中核派」には杉並区議選を取材したことがあるので会ったことがあるのですが、「革マル派」に会うのは初めて。初めてポルシェを見た少年のごとく、「わー、革マル派だー!」となった僕は、思わず写真を撮ったのですが、革マル派の人から「何ですか?」と聞かれました。間違えて「中華食う派です。今夜は、天津チャーハン甘酢ダレです!」と言いそうになりました。

新左翼のカウンターを仕掛けるネトウヨの軍団が九段下に登場

 歴史でしか見たことがない「新左翼」の登場を、もちろん、黙って見ているわけがありません。ここで、「左がいる」ということは「右もいる」という大変素晴らしいバランス感覚が発揮されます。
 実は、「新左翼」と呼ばれる人たちは、「新」と言いながらも昭和40年代の産物です。山上徹也容疑者が安倍晋三を殺害した時、日本共産党が真っ先に「民主主義を破壊するテロに断固抗議する」という声明を出していたように、実は、「左翼」と扱われることの多い日本共産党は、マルクスの思想をベースにしながらも「暴力革命」には否定的であり、「それでもやっぱり暴力革命は必要だ」と考える人たちが「新左翼」と位置付けられています。これが「中核派」「革マル派」と呼ばれる人たちです。
 一方、「右翼」における「新右翼」という位置付けのものは存在するそうですが、ここにいるのは「新右翼」というより「ネトウヨ」ではないかと思われ、「ネトウヨ」の特徴は、愛国とか保守とか以前に、ものすごくアホであるということです。
 どれくらいアホなのかと言うと、九段下で大騒ぎしている中核派の人たちに向かって、「すぐそこで葬式をやっているんだから、静かにしろー!」と拡声器で叫ぶレベル。こっちも拡声器を持って「オマエやねーん!」とツッコまないといけないのかなと思いました。

「国葬防衛・非国民撲滅・九段下迎撃戦」と書かれたプラカードを持つネトウヨ

 このプラカードにも、頭の悪い感じが滲み出ています。
 まず「国葬防衛」と言っていますが、このネトウヨたちがやっていることは、むしろ「国葬防衛の邪魔」です。というのも、本当の意味で国葬を守ってくれているのは、紛れもなく、現場に立つ警察の方々です。安倍晋三の国葬で事件でもあったら大変なので、特に、日本武道館周辺には数えきれないほどの警察官が警備にあたっており、よりによって、こんなに頭の悪いプラカードを掲げて「暴力革命」を厭わない人たちを挑発してしまうので、こいつらに対して真っ先にリソースが割かれる始末です。こいつらだけで30人以上の警察官に囲まれていました。
 頭が悪いというのは本当に可哀想で、「アベ政治を許さない」のプラカードを掲げている爺さん婆さんと、ゴリゴリの「新左翼」を一緒に考えられる時点で狂っているとしか言いようがありません。令和の時代だから良かったものの、全盛期だったら3人ぐらい燃えています。


■ テレビに映してはいけない人も現る

当日も安倍晋三の国葬に反対するデモが大々的に行われた

 安倍晋三の国葬が行われた日、午後1時からは日比谷公園で、午後2時からは国会議事堂の前で、国葬に反対する大規模なデモや集会が行われ、献花の列に並ぶ人たちに負けず劣らずの大盛況ぶりとなっていました。
 ここに参加する人たちは、それぞれ思い思いのプラカードを持っているわけなのですが、だいたいは「国葬反対」と書かれたもので、デモや集会に参加することで自分たちの意志を示そうとしていました。
 しかし、テレビに映ってはいけない人は、こうしたデモや集会には参加していません。デモに参加してしまうと、他の参加者たちに迷惑がかかってしまうので、デモにも集会にも参加せず、ただただ街角にプラカードを掲げてひっそりと立っているのです。

「山上徹也君に感謝状を」の幟を掲げる爺さんとマンツーマンディフェンスの警察官

 僕が見つけた中で、最もパチキレた主張がコチラです。
 デモに加わることもなく、集会に参加することもなく、ひっそりと街角に立っていて、厳密に言うと、ガードレールに座っていたわけですが、何も言わずに、ただただ「山上徹也君に感謝状を」という幟を掲げていました。60代後半か70代ぐらいの爺さんなので、もしかすると、昔はゴリゴリに学生運動をしていたタイプなのかもしれません。もちろん、警察官がマンツーマンディフェンスをしていました。

見るからに尋常ならざる風貌の車が国会近くに迷い込み、警察が軽くパニックになった

 国会議事堂前で行われる国葬反対のデモを取材しようと思って歩いていたら、笛を吹きながら鉄柵でブロックしようとしていたので、何事かと思って道路を見たら、見るからに尋常ならざるビジュアルの車が、国会議事堂の近くに迷い込んできました。対応した警察官も「おい、誰だよ、この車を通した奴!」という感じだと思いますが、4年ぐらい「選挙ウォッチャー」をしていると、この車を運転しているのが誰なのかが分かるようになります。

まさかの運転免許証の顔写真とともに「エビネあつし」の名前が書かれている

 2020年の前橋市長選や、2022年の草津町長選に立候補したことのある海老根篤さんが、このたびの「安倍晋三壺祭り」に駆け付けました。ちなみに、海老根篤さんが国葬に賛成しているのか反対しているのかは全然わかりません。


■ 「国葬」に反対する理由が分からない人たち

どれだけ立派っぽいことを言っても、文字に知性が滲み出てしまうネトウヨ

 あろうことか、「国葬」であるにもかかわらず、「喪主」「国」ではなく、「安倍昭恵」だった衝撃の「安倍晋三壺祭り」。そんなことなら、いっそのこと「国葬」とは言わず、せっかく高須クリニックの高須克弥院長が寄付したいと申し出てくれていたのですから、「YES!高須葬」にすれば良かったのではないかと思いますが、国会で一度も審議されることもなく、閣議決定だけで「国葬」を決めてしまったので、法的根拠がないまま、無駄に税金が使われ、無駄に弔意の強要をしてしまいました。
 どうせ自民党と公明党で過半数を占めているわけですから、いっそのこと国会で「安倍晋三の葬式だけは特別に国葬にしても良い」という法律を作ってしまえば、少なくとも「法律に則っている」と言えるのですが、それすらしないのですから、こうなってしまうと閣議決定さえすれば、誰かをぶん殴ったとしても特別に許されることになりかねません。これが超ヤバいことであることに気づいてほしいです。
 戦後の「日本」という国では、憲法でしっかりと「内心の自由」が保障されています。日本は北朝鮮のように、将軍様に忠誠を誓わないと生きていけない国ではありません。「安倍晋三壺祭り」の最中に、日本武道館に向かって中指を立てていたとしても、それで罪に問われるようなことはないということです。しかし、法的根拠は一切ないものの、このたびは「国葬」となってしまい、さらには「半旗を掲げてください」と各自治体でお願いが出されたこともあって、全国の自治体や学校で半旗が掲げられることになりました。これでは強制的に「安倍晋三に弔意を示させられている」と言っても過言ではありません。だから、「民主主義」に基づく「日本」という国では、そういうことができない仕組みになっていたわけですが、とてつもなく「無能」でお馴染みの岸田政権は、憲法や法律を無視して、さらには国民の気持ちまで無視して、「安倍晋三の国葬」が強行してしまったのです。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 皆さんは、安倍晋三への黙祷の時間に、何をしていましたか?
 僕は、せっかくの「安倍晋三壺祭り」なので、日本武道館のある方向に向かって何か面白いことをしようと思っていたのですが、その直前に、偶然にも自民党と統一教会の問題を追及している「やや日刊カルト新聞」の藤倉善郎総裁を見つけたので、挨拶をしたら「ちだいさん、これあげる!」と言われて、メッコールを差し入れされました。律儀に「これ、爆発物だから」と言いながらジップロックの中に入れてくれたのですが、よく考えたら、こんなものを持って日本武道館なんかに行ったら、「やたら熱心な人が来ちゃった」と思われかねないので、一生懸命バッグに入れようとしていたら、その時が安倍晋三への黙祷の時間だったらしく、何かをやり逃しました。僕が黙祷の時間にやっていたことは、メッコールをカバンに入れているでした。

「やや日刊カルト新聞」の藤倉善郎総裁から差し入れしてもらった「メッコール」

 偶然にも、安倍晋三壺祭り当日に「やや日刊カルト新聞」主筆の鈴木エイトさんの『自民党の統一教会汚染追跡3000日』が発売されました。さっそくAmazonでも高評価のレビューが並ぶ中、「Amazonで購入済」となっていない星1つのレビューがつけられていて、「神仏や宗教、信仰やカルト邪教?に全く無頓着で興味なしの完全完璧な無神論者の自分には全く何も感じない駄本」と書かれていました。こうやってセコセコ評判を落とすやり口が、尊師・立花孝志を信じる「N国信者」と共通していて、超キモいです。

 そんなわけで、僕の本は全然売れていませんが、次に来るカルトは「NHK党」だと思っています。これからも緩やかに選挙をウォッチングしていきながら、政治に入り込もうとするカルトも取材してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

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