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【選挙ウォッチャー】 尾鷲市議選2021・分析レポート。

5月30日告示、6月6日投開票で、三重県の尾鷲市議選が行われました。こちらは定数10に対し、15人が立候補する大激戦となり、今年から定数が3つも減らされた影響が出ていました。この選挙、最大の見どころは、この地に移住してきたナチュラル系のシングルマザーが、うっかり市議会を傍聴し、「こんなことではダメだ!」と政治に目覚め、政党や組織のバックアップ一切なしで、志一つ、無謀とも言える挑戦をしてきたことです。あとで詳しく解説しますが、尼崎市議選の鷲田真緒さんより圧倒的に希望の光と言えます。

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年齢別に見ると、若い人は中里沙也加さんぐらいしかいないのですが、女性という視点で見ると、今回は4人が立候補しており、田舎の選挙にしては悪くありません。現職が10人、新人が5人となっていますので、新人が当選すればするほど現職が押し出される形になります。市長の政策に反対していた現職議員たちが市長選に挑んだのは、定数減による激戦を戦うのなら、いっそ市長選に立候補しても同じだと考えたのかもしれません。


■ コロナ対策を掲げる候補者の割合

現在、最も需要な課題は、間違いなく「新型コロナウイルス対策」です。とにかくこの目の前の課題に取り組まずして、ありとあらゆる発展がありません。今回の尾鷲市長選で、選挙公報に何かしらの新型コロナウイルス対策を掲げている候補は、どれだけいるのか。1人ずつ検証した結果、「コロナ禍を克服しよう」という超絶漠然としたことを言っている人も含めて6人。そのうち、3人は落選してしまっているため、当選した人はわずか3人ということになります。どうやら、最も重要な課題であるにもかかわらず、「新型コロナウイルス対策」という公約はあまりササらないようで、まったく重視されていないことがわかります。これが日本の闇です。


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