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【選挙ウォッチャー】 東京都議選2021・文京区選挙区レポート。

6月25日告示、7月4日投開票の東京都議選。文京区は「定数2」となっており、自民・都民F・共産が立候補。4年前も同じメンバーで戦って、自民・都民Fが当選しているのですが、今年は都民Fの増子博樹さんがヤバいんじゃないかと思われていました。ところがどっこい、この選挙区で負けたのは、まさかの「自民党」。最初にネタバレしていますが、結果よりも「どうして負けたのか」の方が重要です。かねてから当選濃厚と言われていた中屋文孝さんが、なぜ負けてしまったのか。間違いなく言えることは「ネトウヨには票がない」ということです。

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増子 博樹 61 現 都民ファーストの会(党都議団幹事長)
中屋 文孝 55 現 自民党(元都会警消委長)<ポ>
福手 裕子 44 新 共産党(元区議)

実は、ここ文京区は、最終日に同じ場所で大物がニアミスしており、もちろん、『チダイズム』のカメラはその瞬間を激写しています。だから、このレポートは3人しか立候補していないのに、いつになく写真が多くなり、お値段が少しだけ高くなっています。それは「スクープを逃さなかったから」なので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。なお、1本あたり199円で読めるお得なマガジン「東京都議選パック2021」も絶賛発売中です。取材した全40選挙区のレポートをすべて読めます。


■ 福手裕子候補の主張

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福手裕子さんは、4年前の東京都議選で惜しくも敗れ、リベンジに燃える日本共産党の候補です。東京五輪より命を優先するべきだという真っ当な主張に加え、都立駒込病院、都立大塚病院の独立行政法人化を止めるべきだと主張しています。何度か取材を試みようと計画していたのですが、結局、スケジュールが合わずに見ることができませんでした。ただ、投票率が10%以上も下がる中、前回より15%も得票率が上がっているので、「自民・都民F・共産」という選択肢であれば、共産党に入れるという人が多かったことになります。選択肢の多かった新宿区では19%も減らしていましたが、選択肢が他になければ15%も増やすことができる。今の共産党のポジションがよくわかります。

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現在のトレンドとしては、自民党や都民ファーストの会といった与党側の既存政党に投票したくないけれど、かといって野党側の共産党や立憲民主党にも入れたくないという人が多いと見ています。ただ、共産党しか選択肢がなかった場合には共産党に入れる傾向にあり、これが共産党が伸び、福手裕子さんがトップ当選に至った経緯ではないでしょうか。もし、ここに立憲民主党が立候補していたら、共産党は落としていたかもしれませんので、今回は選挙協力がうまく行っていると言えます。今回の結果を見ると、立憲民主党と共産党の双方に、衆院選を見据え、やはり立憲民主党と共産党の選挙協力は必要だという結論に至るのではないでしょうか。


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