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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#75)。

まだまだ新型コロナウイルスに終息の目途は立たず、搬送先が見つからずに救急車の中で亡くなるケースが目立つようになってきてしまいました。SNS上でも「父がコロナで亡くなりました」みたいな悲しい話がよく流れてくるようになり、改めて、新型コロナウイルスが「ただの風邪ではない」ということを思い知らされています。そんな中、「先手を打つ」とキッパリ宣言していた菅義偉政権は何をしているか。答えは、「何もしていない」です。こんなことを書くと、「見えないところで、ちゃんとやっているでしょ」と言ってくる人がいますが、新型コロナウイルスの感染拡大というのは目に見えるところで起こっています。実際、病院や保健所はてんてこまいで、医師や看護師、保健所の職員さんたちがブラック労働しているからどうにかなっているようなもので、医療崩壊に限りなく近い状態です。だからこそ政治家の皆さんが手を打たなければならないのですが、政治家の皆さんは一体、何をやっているのか。それは「銀座の高級クラブでお姉さんと遊ぶ」です。こっそり裏口から入って、お姉さんたちと楽しい時間を過ごしていたのです。


■ みんな我慢してるのに

言うまでもありませんが、今、飲食業界は非常に苦しい立場に立たされています。特に、居酒屋やキャバクラなど、20時を過ぎてからが勝負のお店が自粛を迫られ、経営は苦しいけれど、自分たちが休むことで世の中の新型コロナウイルスが少しでも終息するのなら、そこは儲からなくても協力しようじゃないかということで、みんな、自分たちの身を切りながら必死で頑張っています。頑張っているのはお店だけではありません。お客さんだって頑張っています。本当だったら日頃のストレスを晴らしに飲みに行きたいし、お姉さんのいるお店でワチャワチャしたい。だけど、毎日の新規感染者数が高止まりしたままで、ちっとも減りやしない。こんな時は、ストレスも溜まるけれど、遊びに行きたい気持ちをグッと我慢して、お気に入りのあの子に会いに行くのも、しばしお預けです。政府が何もしてくれないものだから、自分たちでいろいろなものを我慢して、飲みにも行かず、お姉さんとの触れ合いタイムも自粛して、国民はみんな、慎ましく生きているのです。ところがどっこい、国会議員は何をしていたのか。神奈川1区選出で自民党の松本純議員は、緊急事態宣言発令中に馴染みの高級クラブへ。神奈川6区で立候補予定で公明党の遠山清彦議員も、20時以降も闇営業している銀座の高級クラブに裏口からこっそり入って、楽しい時間を過ごしていたというのです。バカ野郎!! かつて立憲民主党の高井崇志先生が、第1波の緊急事態宣言の直後に、歌舞伎町のセクキャバで女の子と楽しい時間を過ごしていた時は大問題になり、結局、「緊急事態宣言が出された夜に遊ぶなんて、どういう神経してるんだ!」と言われて立憲民主党を離党しました。しかし、今はあの時と比べ物にならないくらい、たくさんの感染者で溢れ、国会議員に死者まで出ている状況です。ましてや、あの頃よりも確実に経済だって悪い状態です。にもかかわらず、国会議員がこのタイミングで銀座の高級クラブに飲みに行く。しかも、本当は20時までしか営業してはいけないのに、こっそり裏口から入れるようになっている闇営業のクラブで楽しんでいたというのです。これはだいぶタチが悪いです。


■ 小学生レベルの言い訳をかますオッサンたち

こんな時に、こっそり闇営業している銀座の高級クラブに遊びに行ってしまうアホアホ国会議員たち。当然、いろんな人から「何してんだよ!」とツッコまれ、菅義偉総理や山口那津男代表が謝罪していたのですが、当の本人はどんな言い訳をしているのか。まず、松本純議員は・・・。

「いずれも要望、陳情をいただいているところだった。昼間、動きが取れないということから、夜の時間に動いてしまったということだ」

とてつもない情熱とフットワークです。それだけの熱き想いがありながら新型コロナウイルス対策がちっとも進んでいないのは、一体、何なんだと思わずにはいられませんが、23時過ぎまで銀座の高級クラブで陳情を受けていたのだそうです。その陳情というのが、もうすぐホステスさんの誕生日なのに「今年は彼氏がいないからプレゼントが何もない」という話でないことを祈るばかりです。さらに、こんなことも言っていました。

「(酒は)お茶代わりのようなもので」

確かにお酒は飲んだけど、「お茶の代わりのようなもの」なんて言っているのですから、反省の色が全然見えません。お茶の代わりに酒を出してくる店なんてあるわけないだろ! だいたい「お茶の代わりに酒を飲む」なんていうのは、アル中の言葉です。お茶と酒では値段だって全然違うでしょうに、お茶の代わりに酒を出してくるなんて、よくそんな店で陳情を聞いているものです。というか、オンラインで良いでしょうし、陳情なのに自分から出向いて聞かなければならないことなのでしょうか。議員会館に呼べばいいじゃない! そして、公明党の遠山清彦先生も、なかなかのエクストリーム言い訳をしていました。

「その日はある会社社長と18時より食事をしながら意見交換しました。店を20時に出た後、『個室を取っているので、そこで話の続きを聞いてもらいたい』と誘われ、行ったところがご指摘の場所でありました」

「小さな声を聴く力」をキャッチフレーズにしている公明党ですが、「どこで声を聴いとんねん!」と言う話ですし、政治家と話をするのに、わざわざ高級クラブを選ぶような会社社長から、何の声を聞いたのでしょうか。だいたい表向きは閉店しているのに、実は裏口から入れる「闇営業」のお店に行って、個室で接待されるなんて、それが相談だとするならば、どこからどう見てもヤバめの案件じゃないでしょうか。高井崇志先生は「おっぱい」がカラんじゃったから妙に面白い感じになり、立憲民主党をクビになってしまいましたが、本質的なことを言えば、どこぞの社長から裏口から入るタイプの闇営業している銀座の高級クラブで接待を受けている方が断然ヤバいと思うのです。ましてや、この時期にです。しかし、松本純さんも遠山清彦さんもクビになる気配は微塵もありません。「さーせん!」で終わりです。


■ 和歌山では秘書たちが楽しんでコロナ感染

和歌山を地盤とする二階派の国会議員・鶴保庸介元沖縄北方担当大臣の公設秘書2人と、同じく二階派の門博文衆院議員の公設秘書が、和歌山市内のカラオケバーで飲食を伴う会食をして、全員が新型コロナウイルスに感染していたと「週刊文春」が報じました。カラオケバーを訪れたのは、なんと、1月8日の夜だったそうで、まさに新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新しまくって、首都圏では緊急事態宣言が発令されたばかりというタイミングでした。議員も議員なら秘書も秘書で、こういった秘書がやがてどこかの市議会議員や県議会議員に立候補したりするわけです。自民党や公明党といった与党系の議員や秘書たちにどれだけ緊張感がないのかという話になると思います。


■ 早くも自民党が票を取れなくなりつつある

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僕は日本全国の選挙を現地で見て、どんな選挙だったのかをお伝えする「選挙ウォッチャー」という仕事をしているのですが、先日の山形県知事選や川越市議補選の様子を見ても、早くも自民党が票を取れなくなっていると思っています。例えば、山形県というのは、衆院選では山形1区から山形3区まですべての小選挙区で自民党が勝っているのですが、参院選では野党系が勝っているという独特の県です。ただ、参院選の結果を見ても自民党と野党系の力は拮抗しており、2019年の参院選では無所属の芳賀道也さんが27万9709票、自民党の大沼瑞穂さんは26万3185票。実は、大沼瑞穂さんは地元にほとんど帰ってこないと評判が悪く、地元の人からあまり好かれている印象がなかったのですが、それでも接戦にはなっているのです。ところが、今回の山形県知事選では、現職の吉村美栄子さんが40万0374票、自民・公明推薦の大内理加さんは16万9081票に終わりました。県内の至るところに大内理加さんのポスターが貼られまくっていて、県議としてもトップ当選しているような人なのに、ダブルスコア以上の大差がついてしまっているのです。もともと吉村美栄子さんの人気は高く、山形県民の気質として大きな失敗をしているわけでもない人を代えようというメンタルにはなかなかならないことはあれど、普段は自民党に投票している人たちが自民党の候補に投票しなくなっている可能性があるのです。

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もっと如実に表れているのが川越市議補選です。川越市長選に立候補するために現職の市議が辞職したことによるものですが、2期8年の実績がある自民党公認の候補と、介護職員だった無所属新人候補の戦いは、なんと、3万8322票vs2万2424票という大差で、無所属新人が勝ちました。市長選は割としっかり考えるにしても、市議補選は誰に投票したらいいのかわからないという人がほとんどで、雰囲気で投票されることが多い中で、自民党の候補が大差で負けている現実。実績の上でも即戦力のはずで、なおかつ自民党ならではの組織票があるにもかかわらず、ちっとも票が取れていないのです。川越市議補選の投票率は22.03%で、かなり関心の低い選挙だったと言えますが、投票率が低ければなおさら組織の力がモノを言うというものなのに、組織の力がちっとも通用していないことからしても、やっぱり普段は自民党に投票している人が自民党に投票しなくなっていると言えるのかもしれません。こうなってしまった原因は、やはり新型コロナウイルス対策がまったく評価されていないということだと思います。結局、菅義偉政権がやった具体的な新型コロナウイルス対策とは何でしょうか。安倍政権の頃は、「アベノマスク」というクソ政策がありながらも、一応、国民全員に10万円を配るという政策をしました。これが良いかどうかという話はさておき、まったく何もしなかったわけではありません。しかし、菅義偉政権になって、飲食店に時短営業をお願いしただけで、こんなものは新型コロナウイルスを解決するための具体的な政策ではありません。その時短営業も、一応の補償金は支払われるものの、よりによって「一律」なので、足りないところには足りないし、普通に営業するより儲かってしまうところが出るなどチグハグなものです。大企業ほどダメージを喰らいつつ、「苦しいけど1ヶ月なら協力しようじゃないか」ということで、多くの企業が応じてくれているわけです。ところが、この時短営業が劇的な効果を発揮しているかといったら、そんなことはありません。飲食店が時短営業するぐらいでは実効再生産数を大きく下げることにはならないため、感染者は減らないまま。こうなってしまうと時短営業を求める期間は長くなってしまうし、いつまでも政府肝煎りの「GoToトラベル」などのキャンペーンはできません。そうすると、ますます日本の経済はガタガタになってしまうのです。結果的に多くの人が苦しみ、多くの人が死ぬだけになっているのですが、そんなタイミングで与党議員が高級クラブに遊びに行き、あげく菅義偉総理大臣が補償の拡充を否定し、「最終的には生活保護がある」と言ってしまうのです。こんなことで自民党が勝てると思っているのでしょうか。これからどんどん結果が出てくると思いますが、現時点で既に自民党が票を取れなくなっているのに、これからますます自民党が票を取れなくなることでしょう。これは政権交代が起きかねないレベルの話です。果たして、自民党は信頼を取り戻すことはできるのでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

飲食店の倒産を防ぐために、政府は何としても「GoToイート」を復活させたいと思いますが、感染力と致死率が強いと言われている新型コロナウイルスの変異株の市中感染が認められている中で、「GoToイート」を再開するのは自殺行為です。既に他の人が提案しているかもしれませんが、テイクアウトやデリバリーに絞って「GoToイート」をやれば、飲食店も助けられて、感染防止対策にもなって一石二鳥だと思うのです。銀座の高級クラブで遊んでいる暇があったら、少しはまともな政策を考えてもらいたいものです。それともう一つ、銀座の高級クラブの皆さんも頑張っているので、こんな時に遊ばせてもらったお礼に、松本純議員や遠山清彦議員には、こうした夜の街のお店を潰さないように、先頭に立って知恵を絞り、夜の飲食店にも手厚いサポートをしてもらいたいと思います。

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