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【選挙ウォッチャー】 千葉市長選2021・分析レポート。

3月7日告示、3月21日投開票で、千葉市長選が行われることになりました。これは千葉県知事選に現職の熊谷俊人さんが立候補することによる選挙ですが、自民党系の市議である小川智之さん、立憲民主党が2連ポスターで推す副市長の神谷俊一さん、共産党が独自に推薦する大野隆さんの3人が立候補しました。かなり地味なメンツなので、いまいち盛り上がりに欠けるところはあると思うのですが、千葉県知事選の情勢がそのまま市長選に影響を及ぼすと思われ、熊谷俊人さんを支えていた副市長の神谷俊一さんが実質的に後継指名を受けており、終始、優勢に選挙を戦っていたと思われます。

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小川 智之 47 新 千葉市議(自民系)
神谷 俊一 47 新 千葉市副市長(熊谷市長の後継指名)
大野 隆  51 新 共産党推薦

千葉県知事選で熊谷俊人さんの圧勝が予想されているため、実は、この千葉市長選も、選挙をやる前から勝負があったと言えるぐらいに、既に結果が見えています。市長になるのは、どうせ神谷俊一さんに決まっている。そうなると、これから4年間、神谷俊一さんとは仲良くやっていかなければならなくなるわけで、自民党の千葉市議団の皆さんとしては、どうしても小川智之さんのことを応援しにくくなります。小川智之さんは「勝負に勝てる」と思って立候補したのかもしれませんが、地元の市議団が一丸となって応援しているかと言うと、けっしてそういうわけではないので、かなり悲惨なことになっていました。


■ 拭いきれない「千葉都構想」への不安

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「大阪」という街は特殊な所で、大阪市民が「大阪」という街のことを誰よりも愛しているという特徴があります。みんなが「大阪」を好きなので、事前の世論調査では「都構想に賛成」と言っている人の方が多かったのに、いざ住民投票をするとなったら、「大阪愛」が強い人たちが本気を出し、「都構想はアカン!」と言い出して、本番ではひっくり返されてしまうという現象が起こるのです。普段は維新のやりたい放題にやられていても、肝心な所は絶対に守り抜く。そこが「大阪」という街の素晴らしいところでもあります。しかし、千葉市に「大阪」と同じようなことができるのかと言われてしまうと、「千葉」に愛を持っている人がどれだけいるのかは疑わしく、かなり危ないのではないかと予想しています。もし熊谷俊人さんと神谷俊一さんが「千葉都構想」のようなことに踏み切れば、住民投票にかけられるまでもなく、なし崩し的に「千葉都構想」が実現してしまうのではないかという不安があるのです。熊谷俊人さんに比べれば、神谷俊一さんはまだ常識人ではないかと思われるため、松井一郎&吉村洋文というアホアホコンビのようなことにはならないかもしれませんが、熊谷俊人さんは「千葉維新の会」と政策協定を結ぶくらいにズブズブなので、神谷俊一さんがどのような選択・決断をするのかについては、今後の手腕をしっかり見守る必要があるのではないかと考えています。


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