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【選挙ウォッチャー】 大阪府議選2023・大阪市北区レポート。

 ついに、今日から大阪府議選のレポートが始まりました。
 今年の統一地方選の前半は、大阪府議選、大阪市議選、京都府議選、京都市議選を集中的に取材してまいりました。特に、大阪府は「維新」が政権を握るようになってからというもの、新型コロナウイルスではたくさんの人が命を落とし、大阪万博やカジノなどで特定の企業の利益のためにジャブジャブと税金が使われる一方、福祉は「身を切る改革」で自助をするように仕掛けられています。
 教育の無償化を謳いながら、実際には「公立高校の廃止」を目指し、なるべく教育の税金をかけないシステムを構築しているのが「大阪維新の会」です。
 しかし、大阪のメディアには「ジャーナリスト精神」がなくなり、「維新応援団」がテレビ番組を占拠しているため、どれだけ酷い政治が行われていても、大阪府民の皆さんは「大阪維新の会」に期待をしています。公設秘書が殺人未遂事件を起こしても、大阪府議団のリーダーがストーカーをしていても、みんなが「維新」を応援している。そんな特殊な「大阪」というエリアを記録することにしました。

久谷 眞敬 51 現 日本維新の会
茂原 英仁 54 新 自民党

 この大阪市北区は「定数1」で、4年前とまったく同じ顔触れでの選挙となりました。既に4年前に決着がついているので、今さら選挙をやったところで、結果は目に見えています。なので、大阪府知事選や大阪市長選と同日に行われているから、そこまで投票率が下がってはいませんが、もし単独で行われていたら、かなり投票率が下がったのではないかと思わずにはいられない状態に仕上がっています。


■ 大阪府議選・北区の解説動画


■ 大阪万博の今を伝える(#1)

2年後に開催される大阪万博は、今から失敗しそうなニオイしかしない

 今から2年後の2025年4月13日から10月13日までの半年間、大阪・夢洲で「大阪万博」が開催されます。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、「ミャクミャク」という子どもがトラウマになるレベルのイメージキャラクター、またの名を「コロシテ君」が採用され、いろんな意味で失敗しそうな予感しかしていません。
 今回、この『チダイズム』では、大阪のメディアがほとんど報じることがない「大阪万博」の現実に迫り、「このプロジェクトは本当に成功できるのか?」という話に迫りたいと思います。なお、この特集連載は、皆様からのクラウドファンディングによって取材費を賄うことに成功しましたので、全編無料でお届けいたします。
 さて、今回は「大阪万博」が開催される夢洲を、コスモタワーの最上階の展望室から見てまいりました。市庁舎が入っている建物のはずなのに、よりによって800円もするので、この時点でめっちゃ高いですが、上空から会場を見ることで、「アクセス」がとても心配であることがわかりました。
 なにしろ「島」で行われるため、会場に辿り着くための方法には、たったの3つしか道がありません。

1.車で夢咲トンネルを走る。
2.車で夢舞大橋を通る。
3.コスモスクエア駅から電車に乗る。

 一応、この他に「空飛ぶ車」「船」という方法もあることにはあるようですが、利用する人は限られると思うので、とにかくトンネルを通るか、橋を通るか、地下鉄で行くかです。
 そして、どうやら車で行くとなると渋滞が半端ないことになるのと、会場の周辺に十分な駐車場があるわけでもなさそうなので、原則としてシャトルバスか地下鉄で会場に来るようにということになっているようです。

車で夢洲に入るための貴重なルートである夢舞大橋

 大阪万博の基本計画によると、半年の開催期間中の来場者数は2820万人を想定しているということです。平日と休日で来場者数に差が出るとは思いますが、ざっくり180日間で割ると、1日平均で15万6000人ほどが訪れる計算になります。
 毎日コンスタントに15万人ほどが訪れると計算でき、4割が電車、6割がシャトルバスや車で訪れると想定されているそうなので、電車を利用する人は約6万人、バスを利用する人が約9万人という計算になります。
 コスモスクエア駅から夢洲を結ぶ大阪メトロ中央線は6両編成で、ラッシュ時には3分~5分間隔で運行されるといいます。満員電車の場合、1両に300人が乗れると計算すると、1本で1800人。計算上は34本あれば良いので、遊びに行く時間帯はだいたい決まっていて、かなり混雑しそうではありますが、物理的に不可能な数字ではありません。
 ただし、これは「全員が万博に行く」と想定した場合です。コスモスクエア駅のあるインテックス大阪は、東京で言うところの「幕張メッセ」「東京ビッグサイト」みたいな位置付けの施設であり、コミケなどのイベントが開催されることになると、たちまち大量の人が訪れます。つまり、大阪万博の開催中にインテックス大阪などで人気イベントが行われた場合、「電車はどうなってしまうのだ?」という問題は解決していないことになります。
 さては、大日本帝国しぐさで、「そうなったらそうなったで、みんな、どうにか頑張って帰るやろ!」ということになり、「全然電車に乗れなくて大変だった、ぴえん!」で終了なのかもしれません。気球ひとつ満足に上げられない人たちなので、どうせ想定らしい想定もしていないのだと思いますけど、大阪万博の立地は「とても悪い」と思います。


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