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【選挙ウォッチャー】 新型コロナウイルス・最新情報(#136)。

 世間の目はロシアとウクライナの戦争に奪われていますが、忘れてはいけません。僕たちの足元では「新型コロナウイルス」が猛威を振るい続けています。
 そこで、『チダイズム』では毎週日曜日に新型コロナウイルスの最新情報を皆さんに無料でお届けしております。1人でも多くの方が感染しないように、後遺症で悩まないように、お亡くなりにならないように、この1週間で得た新たな知見を皆さんと共有します。


■ 全体的にはピークアウト傾向にある

総務省消防庁が3月1日に発表した「救急搬送困難事案」のグラフ

 コロナ前と比べると「+340%」というイカれた数字には違いありませんので、まだまだ救急車で搬送してもらいにくい状況は続いており、諸手を挙げて喜ぶことはできませんが、救急搬送困難事案の件数が下がり、最も酷い状況からは抜け出したと言えそうではあります。
 検査数が減らされ、依然として陽性率が高いことから、この数字の信頼性はそこまで高くありませんが、それでも東京都の新規感染者のグラフは少しずつ下がっています。経口薬が出回るようになり、多少は重症化を防げるようになってきているのかもしれません。

東京都の新規感染者数の推移を示したグラフ

 グラフを見れば分かりますが、感染者が増えるスピードに対して、感染者が減るスピードは、ずっと遅いです。しかも、東京より先行している沖縄では、マンボウの解除とともに感染者が再増加しており、しっかり減り切らないうちに第7波の山が来てしまうのではないかと懸念されています。


■ 4本目のブースター接種は効果が薄い

 ネイチャー誌に発表されたイスラエルの実験結果によると、4本目のブースター接種は「ほとんど恩恵がない」という結果になったといいます。
 1本目より2本目、2本目より3本目を打った方が抗体価は高くなるけれど、4本目を打っても抗体価は思ったほど上がらず、「免疫の上限」に達している可能性があるといいます。研究者は「重篤な病気のリスクが高い人には有益かもしれないが、若くて健康で危険因子を持たない人たちには4本目の恩恵はあまりない」と発言。
 なお、ワクチンを打った方が逆に感染しやすくなってしまうADEなどの副反応は検証されていません。効果のリスクこそ検証されていますが、デメリットはあまりわかっていません。あまり効果がないとなると、デメリットのことを真剣に考える必要が出てきそうです。


■ 12歳未満へのワクチンは、すぐに効果なし

 プレプリント論文ではありますが、このような結果が出てしまうと、5歳から11歳までの子どもたちに接種するワクチンは考え直した方がいい可能性があります。(※間違ってほしくないのは、僕は陰謀論者ではありませんので、あくまで科学的なデータに基づいて接種を推奨するかどうかを決めるべきだという考え方です。)
 なんと、子どもたちが得られるワクチンの効果は、せいぜい数週間と非常に短く、1ヶ月後にはほぼ効果が消滅していることが明らかになりました。

引用元の論文はコチラから

 12歳以上では、それなりに効果を維持できているものの、小さな子供たちほど効果を維持できず、1カ月後には10%を下回るケースも出てきています。要するに、ワクチンを打っても1ヶ月後には意味がなくなってしまうということです。

引用元の論文はコチラから

 入院を防止する効果は多少保たれているものの、それでも感染しないための効果はすぐになくなってしまいます。そして、入院防止効果についても12歳~17歳では73%の効果が見込めるのに対し、5歳から11歳では48%しか認められないというので、小児へのワクチン接種は一段と効果が薄いものになっています。
 ADE(余計に感染しやすくなってしまう現象)が囁かれていることに加え、12歳~17歳の子どもたちへのワクチン接種でも深刻な副反応が報告されており、こうした「ワクチン後遺症」に日本政府がまったく向き合っていないことを考えると、子どもに対するワクチン接種には慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。


■ 家庭内感染は10日後でも起こる

CDCが発表した家庭内感染の日数を示したのグラフ

 これは、CDCが発表した「家庭内感染」の日数を示したグラフです。
 グラフを見ると、最も多いのは2日後や3日後であることが分かるのですが、見過ごせないのは10日後にも「家庭内感染」は起こっているということです。
 日本の基準では、感染から10日後には「治った」ことになり、めでたく社会復帰できるわけですが、この結果を見ると、家庭内感染は10日経過後も警戒しなければならないことを示しています。
 家族が感染した場合、ホテルや実家に疎開をする人もいるかもしれませんが、その時には10日で帰るのではなく、念のため、14日以上が経過してから帰ることをオススメするということになります。

CDCが発表した家庭内感染の年齢別の感染率などを示したグラフ

 また、一部で「赤ちゃんや小さな子どもは感染能力を持たない」と主張する人たちがいるようですが、そんなことはなかったことが同じくCDCの発表から読み取れます。0歳から4歳までの幼児も「感染能力を持つ」ということです。
 言われなくても、きっとそうだろうと思っていた人は多いかもしれませんが、最も家庭内感染のリスクが高いのは、0歳から4歳の子どもがいる家庭でした。また、大人がウイルスを持ち込んだ場合でも、子どもたちには非常に高い確率で感染しています。子どもが先に感染した場合でも、大人に感染させるリスクが高く、幼児がいる家庭ほど気を付けなければなりません。


■ オミクロン株に感染すると精子が減るリスク

精巣の重量と精子の数(研究結果のソースはコチラから)

 やはり「オミクロン株は軽症」というのは、大嘘です。
 非常に深刻な話ですが、オミクロン株に感染すると、精巣が攻撃されて重量が軽くなり、精子の数が少なくなってしまうというのです。まさかこの言葉を真面目に書く日が来るとは思いませんでしたが、「Sperm Count(スペルマ・カウント)」は、精子の数です。42日後、120日後ともに、精子の量が激減していることがわかります。
 オミクロン株に感染すると、症状は10日ほどでマシになるとしても、精巣は時間をかけて攻撃され、120日後には精子が少なくなってしまう可能性があります。
 日本は少子高齢化に悩まされており、不妊治療を受ける女性も増えていますが、これは「男性側に問題が生じる」というデータであり、若い男性ほど感染しないように気を付けなければならないことを示しています。


■ パキロビッドの併用禁忌薬が多すぎる件

 厚生労働省が、ファイザー社の経口薬「パキロビッド」を使用する際のガイドラインを出したのですが、あまりに併用禁忌薬が多すぎて、医師や薬剤師の方々が驚いています。
 どの薬がダメなのかという具体的な話は、ガイドラインを読んでも分かるのですが、詳しくは医師・薬剤師にお尋ねいただくとして、ここではガイドラインに載っている「薬以外のもの」を紹介しておきたいと思います。
 薬の場合は「自分はこういう薬を飲んでいます」と医師に相談する機会があると思いますが、サプリメントを飲んでいる場合でも相談した方が良いということになろうかと思います。

パキロビッド薬物相互作用マネジメントの手引き(ソースURL

 このガイドラインから察するに、治療中は「禁煙」を求められるのではないかと思います。また、「薬は水(お湯)で飲む」というのが基本ではありますが、グレープフルーツジュースはダメだと書かれています。
 セントジョーンズワートは、サプリメントとしても発売されており、気持ちを前向きにするハーブとして知られています。ガイドラインには「抗ウイルス作用の喪失及び耐性出現の恐れ」と書かれていますので、日頃からサプリメントなどを愛用している人は気を付けてもらいたいです。


■ 全国の感染状況まとめ(3月5日版)

全国47都道府県の新規感染者数と主なトピックスを1行で紹介します。スマホでご覧いただいている方は2行以上になっているかもしれませんが、なるべく短い文章で簡潔に状況をまとめております。

北海道:1627人。札幌市774人。病院や老人ホームでクラスター。
青森県:543人。青森市民病院で医師5人感染。高齢者施設でも感染。
岩手県:276人。学校や保育施設での感染が止まらず、春休みも警戒を。
宮城県:665人。仙台市357人。多賀城市と名取市で各33人が感染。
秋田県:222人。秋田市109人。由利本荘管内の保育園で18人感染。
山形県:207人。「BA.2」を初確認。天童市と山形市の保育施設で感染。
福島県:384人。郡山市94人、いわき市80人、福島市44人。
茨城県:1593人。つくば175人、土浦市114人、水戸市109人。
栃木県:592人。学校職員やハローワーク職員など公務員の感染広がる。
群馬県:663人。前橋市の「ホルモンしま田」が平日に炊き出しを実施。
埼玉県:4740人。高止まりしていたが、再び感染者数が増える傾向に。
千葉県:3584人。柏市212人。東葛地方は全盛期の半分くらいに。
東京都:1万0806人。基礎疾患のない20代男性死亡。お花見禁止に。
神奈川:6198人。川崎市で初めて10歳未満の子どもの死亡を確認。
新潟県:368人。新潟市143人、長岡市33人。保育園や学校で感染。
富山県:509人。県東部の児童施設で17人、県西部の児童施設で6人。
石川県:407人。白山市のイオンモールで旅行会社がコロナ後の旅提案。
福井県:338人。福井市103人。学校で32人、保育関連で52人。
山梨県:212人。中央市や富士河口湖町などで子どもへのワクチン開始。
長野県:373人。長野市61人、伊那市35人、上田市28人など。
岐阜県:603人。公立高校の2次試験を受験できない感染者などを救済。
静岡県:1292人。モデルナの3回目接種直後に90代男性が死亡。
愛知県:4230人。大村知事が子供のワクチン発症予防90%だと説明。
三重県:506人。6に日でマンボウ解除も、21日まで再拡大阻止期間。
滋賀県:821人。ワクチン3回目、18歳以上の対象者分をすべて確保。
京都府:1260人。GoToイートの食事券利用期限5月20日まで延長。
大阪府:7136人。2月の死亡者数が834人となり、今月は68人。
兵庫県:3490人。コロナ不正受給133件、1億5千万円を返還請求。
奈良県:1087人。奈良県立医大病院のコロナ病床が逼迫して大ピンチ。
和歌山:275人。和歌山市99人。入院待機者43日ぶりに千人下回る。
鳥取県:89人。水木しげる生誕100年。生誕祭はオンラインで開催。
島根県:98人。松江市の児童施設で6人、高齢者施設で10人が感染。
岡山県:597人。岡山市279人、倉敷市172人。10歳未満が最多。
広島県:614人。広島市322人、福山市105人。安芸高田市11人。
山口県:299人。下関市141人、周南市41人、岩国市26人。
徳島県:235人。「BA.2」の早期発見へ、3日からゲノム解析1.5倍。
香川県:417人。高松市194人、坂出市59人。30歳以下半数以上。
愛媛県:294人。戦争影響で欧州-日本の国際便欠航、検査キット不足。
高知県:184人。第6波の致死率が0.57%となり、全国ワーストに。
福岡県:2654人。8人死亡。福岡市910人、北九州市336人。
佐賀県:381人。地元の八百屋の売上7割減。伝統産業も存続の危機。
長崎県:314人。維新の大石知事「濃厚接触者の特定は必要ない」。
熊本県:615人。3年前に開業した熊本市のホテルが稼働率低下で閉館。
大分県:306人。大分市で子どもへのワクチン接種開始、接種会場拡大。
宮崎県:224人。企業の返済条件の変更552件、総額59億8千万円。
鹿児島:374人。鹿児島市198人。マンボウを3月6日に解除する。
沖縄県:900人。「BA.2」初確認。感染者は明らかに増加傾向にある。

 本日の日本全国の感染者数は6万3673人となりました。本日の日本全国の死者数は184人となりました。東京都の死者が30人、大阪府の死者が28人となりました。
 群馬県の山本一太知事は、4回目接種の早期検討を国に要望しました。あんまり新型コロナウイルスに関する情報を集めていない人が政治家になっているので、今の日本は、非科学的なワクチン戦略に進んでいます。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 新型コロナウイルス最新情報が「週1」になったことで、厳選された情報をお届けできるようになり、いつもより内容が濃いです。
 noteの仕様変更により、グラフにキャプションをつけたり、引用先を書けるようになりましたので、今までよりも信頼性の高い記事を書けるようになりました。

 今日はいつになく内容が濃いので、多くの方に読んでいただけると思うのですが、僕の本職は「選挙ウォッチャー」です。今、政治家たちが本気で取り組まなければならないものが「新型コロナウイルス」だということで、皆さんと最新情報を共有して、少しでも感染を減らすためのお手伝いをしたいと考えております。ちなみに、3月5日には東京新聞・中日新聞で、この本の書評が出ました。ありがとうございました。


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