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血管が細くて採血するとぶっ倒れる女

今日は会社の、年に一度の健康診断だった。
私は採血するとかなりの高確率で具合が悪くなる。血管が細い、血管が逃げる、などと言われ、2〜3箇所刺されるうちに気分が悪くなる。
酷いときは3人がかりで5箇所刺したり、腕をゴシゴシしごかれたり、1分間針を刺しっぱなしで結局とれなかったり、手の甲からとられたこともある。私の血管は厄介だ。
たまに温めててから取りましょう!などと配慮されるとほわほわする。

いつも採血前に血管が細いことを伝え、看護師の出方をみる。私はやれるわよ!と自信がありそうな人には座ったままお任せするし、自信がない人であればベテランとチェンジ、もしくはベッド直行となる。今日は前者だったので、任せてみることにした。

見事1発成功。うまい人だった。
自信がある人はキメてくれる率が高い。私は安心して席に座り、次の検査を待った。

問題はここから。。。
待ってるうちにじわじわと気分が悪くなり、汗が出て、息が苦しくなり(マスク着用だからなおさら)、座ってる姿勢がキツくなった。
次の検査に呼ばれたタイミングで申告した。
「気持ち悪いです」と。

看護師さんが来てベッドへ誘導してくれた。2種類の血圧計で測って、看護してくれた。「1発で決めてもらったのに(このザマで)…申し訳ないです…」と伝えると、看護師さんは「そんなこと気にしなくていいから」と優しく応えてくれた。
血管が細い分際で、調子に乗って座ったままとってもらったせいだ。始めからベッドでお願いすれば良かったと後悔した。
ベッドの上で天井を眺めながら、毎年毎年この景色を見てるなあと思う。カーテンで隔離された空間。近くで聞こえる看護師の声。ここが私のアナザースカイ。

5分ほど横になっていれば大抵元通りになるため、その後の検査はスムーズに済んだ。バリウム検査の方が絶対キツいだろうに、なぜかこっちは得意だったりする。

血管が細い人は実はたくさんいるようで、田辺ヒカリさんのこのTwitterに激しく共感し、感銘した。
漫画が面白いのでぜひ。

で、
なぜ私は採血ごときで貧血になってしまうのか、39歳にしてようやくきちんと調べてみた。
すると驚くことに、貧血ではないことがわかった。

採血をさせていただく患者さまの中には採血の最中や採血後に冷や汗が出たり、気分が悪くなったり、倒れてしまうなどの症状がでる方が稀にいらっしゃいます。
これらの症状は「血管迷走神経反射」と呼ばれるもので、血液が 足りなくなって起こる「貧血」とは異なるものです。
一般的には注射や外傷などによる疼痛、恐怖・不安などの精神的動揺により誘発され、全身の血管が拡張することで有効循環血液量が低下しておこるとされています。(※金町中央病院HPより引用)

なんと私は「血管迷走神経反射」という症状だったのだ。そして突破ファイルのヒントVTRを高速で回想するように、私の頭にいくつかの映像が流れた。
採血で痛い思いをした記憶、血をとってる人、容器に入った血、アナザースカイとなったベッド、などなど。私の血管が細いが故に体験した採血の恐怖(精神的動揺)が倒れてしまう原因だったのだ。

これからは血管うんぬん言わずに、ベッド直行でお願いしようと心に決めた瞬間だった。

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