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コツコツと7年で800万貯金 | わたしのたのしい家計管理術

今回はわたしの家計管理術のお話。

「家計管理」と聞くと、マメな性格の人がびっしりとノートを書いたり、毎日小銭を数える姿を想像するかもしれない。

大前提として、わたしは自他共に認める「めんどくさがりでズボラ」な性格だ。そんなわたしが、これまで家計管理を7年以上も続けている理由は、そこに「楽しさ」があったからだ。

ひとり暮らし→結婚して2人暮らし→子どもが生まれて3人暮らしの今まで、ほとんど同じ方法で家計管理を行なってきた。
その結果、7年間で約800万の資産が増えていた。

ちなみに我が家の収支状況をざっくり紹介。
介護士である夫の年収は、一般的な同世代サラリーマンより低い。
わたしはパートで事務→退職後、職業訓練生→未経験でwebデザインの会社員→時短勤務へ変更と、キャリアを変えてきたし、一般的なフルタイム正社員と比べれば年収はずっと低いままだ。
さらに昨年妊娠を機に会社を辞めてからは、今までほとんど収入がない。
これまでの大きめな出費といえば、2年間の不妊治療で80万円くらい飛んだのと、新品の軽自動車を現金一括で購入したことがある。

そういう我が家の収支状況を考えると、1年で100万円以上のペースの資産を作れているのは、個人的によく頑張っているほうだと思う。(もちろん、夫からも一家の財務大臣としてありがたがられている。)

今回は、「特に頑張る意識を持たなくても」楽しく貯めてこられた秘訣をポイントに絞って紹介していく。

1、財産目録をつける(月1回)

なんだか難しそうなことに聞こえるかもしれないけど、毎日の家計簿を書くより大事だと思っているのが、この「財産目録」だ。

財産目録とは?

財務目録とは、ざっくり言うと「家計の”資産”と”負債”を一覧にして、今現在いくらお金(または借金)があるのか?をわかるようにした表」だ。

"資産"とは、手元にある現金・通帳預金・株式の評価額・不動産の売却可能額などだ。わたしは投資信託もしているので、それらの合計額も含める。要は、現金と「売ればお金になるもの」だ。

"負債"とは、車や住宅のローン、奨学金などの「お金が出ていくもの(借金)」のことだ。

それを月に1回、紙に手書きで一覧にする。
(手書きというのがポイント。デジタルも便利だが、手書きの方が記憶に残りやすいし、ちゃんと懐が痛む感覚をもてる。)

資産と負債の合計をそれぞれ出したあとに、資産ー(マイナス)負債をすると、家計全体が「黒字」なのか「赤字」なのかがわかる。その現状を毎月把握することが財産目録をつける最大の目的である。

住宅ローンを組んでいると、家計の財産が常に赤字であることを目の当たりにするだろう。たとえ、その月にボーナスでまとまったお金を手にしたとしても赤字であることは変わらない。財産全体を把握することで、一時的な収入で気が大きくなったり、豪遊したい気持ちにブレーキをかけることができる。

それとは逆に、今月が赤字になっていたとしても、投資信託で思わぬ利益が出ていて、財産全体でみると黒字になっていることもある。毎月1円でも財産がプラスになっていたら花丸で喜んでいい。

「持っている(貯めた)お金」だけを見つめて、お金がある/ないと判断するのは間違っている。
負債を持っているのであれば、それが今月どのくらい「増えた/減った」かを把握するべきだ。
ローンや奨学金の残高を実感するのは辛いけど、向き合わないことには家計の現状はわからないし、将来の見通しが立たない。

わたしに家計管理を教えてくれた本

この財産目録の方法を教えてくれたのは、「正しい家計管理」という一冊の本だ。人生はじめての一人暮らしをした時に読んで、大きな影響を受けた。

経営コンサルとして企業の会計に詳しい筆者が、「家計管理は会社経営と違って”倒産”は許されない。一生の仕事である。」と言い切り、自動的にお金が貯まる仕組み作りをいちから丁寧に教えてくれる。

わたしがこの本を好きな理由は、ただお金を貯める方法だけではなく、「自分と家族が価値を感じることにしっかりお金を使うため、削れるところを節約する」という、お金を通して「価値観」の再設定を提案しているところに魅力を感じている。

毎月、家計を見つめるということは「本当にマイホームが必要?」「車はレンタカーやカーシェアリングじゃだめ?」「本当に子どもにとって塾って必要?」をたびたび考え直すきっかけになる。
マイホームもマイカーも子どもの塾通いも「必要」だと感じる価値観は誰にも否定されることではない。それが自分や家族にとって価値を感じることならお金をかけるべきだ。
ただし、マイホームのローンなど「固定費」の出費は、必ず「固定収入」から支出すること。毎年あるかわからないボーナスや臨時収入で賄うことはしてはいけない。そうしないと回らないというのは、キャッシュフローが回っていない(無理が生じている)ということだ。
「固定収入で固定費を」「変動収入で変動費を」これらのペアを必ず意識しながら支出を考える。
本を読みながら、現場の企業経営のノウハウがそのまま家計に通じていると感じられてとてもおもしろい。

ただし、本に書いてあることをすべて実行するのは、とてもハードルが高いので、わたしは取り入れられそうなものだけをいくつか実践している。
家計管理は自分にフィットしたやり方で「継続」することが大切だ。

本のキャッチコピーは「どんぶり勘定は、低収入より、恐ろしい。」
当時、28歳のわたしは手取り13〜15万のパート事務員で、初めてのひとり暮らしをスタートさせた。
低収入の自分が生活していけるのかと不安でいっぱいだったが、このキャッチコピーに出会って「どんぶり勘定より低収入のほうがマシなんだ・・・
」となぜか励まされた気持ちになり、低収入ならせめてきちんと家計管理をしようと心に決めた。その意識が現在まで続いているおかげで、貯金をすることができた。
わたしに家計管理とは何かを教えてくれた大切な一冊だ。

2、変動費には予算を設定する

これも「正しい家計管理」を読んで、自分が無理なくできる方法にカスタムして継続していることだ。

毎月変動のある支出には「予算」という上限ラインを決めることが大事だ。
我が家では、食費・娯楽費・日用品費など、その月のイベントや状況に合わせて予算を都度設定している。
ちなみに、食費の予算は月35000円と決めてやりくりしている。

予算管理におすすめアイテム

ここで活躍するのが、①家計管理アプリと②別財布だ。

まず、①家計管理アプリ。これは項目ごとの予算を設定し、「今その予算をどれだけ使ったか?」を確認するのに役に立つ。
わたしはzaimという家計管理アプリを長年愛用している。

日々、お金を使ったらポチッと簡単に出費を記録する。「日用品・シャンプー・800円・〇〇ドラックストア」というように。面倒くさければ「日用品・800円」でもいい。とにかく、「日用品の予算を800円使った」という事実がわかればOK。

下記画像のように、予算を使うと右側のメーターが伸びるので視覚的に「もう日用品はあんまり使えないな」と心理的ストッパーになる。(5月は日用雑貨の予算に対して支出が大幅にオーバーした。子どもが生まれてからはこんな月もある。ガチガチに構えず、おおらかに捉える。)

スマホアプリzaimの予算比画面。どの項目の予算がいくら残っているかわかりやすい。

ここでズボラ家計簿ポイント。
食費の予算管理については、②別財布で管理することをおすすめしたい。なぜなら、食費の出費は回数が多くなりがちで、スーパーで買い物するたびにアプリに毎回入力するのはとても手間がかかる。面倒臭さは継続にとって大敵である。

月はじめ、食費予算35000円を普段の財布ではなく、別の財布に分けておく。(わざわざ財布を用意する意味もあまりないので、わたしは無印のポーチを使っている。)
それを「食費財布」と呼び、家族内で共有しておく。
スーパーへ行く時は食費財布だけを持っていき、その中から支払う。「予算をどれだけ使ったか?」は食費財布の中身を見れば一目瞭然なので、家計管理アプリを入力する必要はない。
食費など、自分以外が買い物する可能性がある予算は、別財布にして「財布の残り=予算の残り」とだけ伝えておけば、うっかり予算を超える買い物をされて喧嘩になることはない。(これが結構大事。)

我が家が別財布で予算管理をしている項目がもうひとつ。「エンタメ費」である。
エンタメ費とは、家族が楽しむための費用全般を指す。
例えば、家族の誕生日プレゼント、ちょっとしたお出かけ費用、外食費、映画館のチケット代など。
特に予定のない月は、だいたい5000円くらいを予算として別財布に入れている。家族の誕生月や出掛ける予定がある月は、多めに別財布に入れる。

ちなみに、エンタメ財布は主人と付き合っていた頃から導入していた。
お出掛けする時は、ふたりで同じ額を入れた別財布を持っていく。出先の出費はすべてその財布の中から支払えばいいので、いちいち「これどっちが払う?」のやりとりや割り勘の計算をしなくて済む。
財布の残りを見て、次の予定を立てられる。「今月お金がなくて・・・」とカッコ悪い台詞も言わなくて(言わせなくて)済む。男女の公平感も保たれる。
このやり方がわたしたちに心地よくフィットしたので、今でも継続中だ。

夫婦の財布はバラバラ管理?一元管理?

少し話が逸れるが、結婚している友人の家計管理の話で、「家賃と光熱費と車のローンは主人が払っている。食費、日用品、子どもにかかるお金はわたしが払っている。」というような「夫婦別財布」パターンをよく耳にする。
それを聞くたびに、とても複雑に感じる。
食費を払わないご主人が勝手に高いお肉とか買ってきても喧嘩にならないんだろうか・・・子どもにかかるお金ってかなり変動があるけど、どういう見通し?「今月はわたしほうがお金出してる!ずるい!」という喧嘩がいつでも起こりそうでソワソワしない?

わたしは圧倒的に「夫婦の財布は一元管理」派だ。
上記のような夫婦別財布パターンでは、だいたい各自の収入と毎月の貯金額がブラックボックスのように見えない化していることが多い。
これではなかなかお金が溜まりにくいし、相手に知らない借金があった、思ってたより貯めてなかった、などのトラブルになりやすい。
「家族にとって価値あることにお金を使うために貯める」という目的の上では、夫婦の財布は一元化が間違いなくベストだ。もちろん、「正しい家計管理」の筆者も、そう提唱している。

予算のある暮らしを楽しむプロ、おづまりこさん

毎月の予算管理をすることは、ケチケチしたり、自由を奪われるイメージを持つ人もいるかもしれない。
ここでぜひ伝えたいのは「予算があるからこその楽しさ」があるということ。

わたしがひとり暮らしをしていた頃、予算管理を楽しめるようになったきっかけの本がある。
こちら、漫画家のおづまりこさんが「1ヶ月食費2万円」でやりくりするひとり暮らしの日常が漫画で楽しめる。

限られた予算だからこそ、買う食材や量、料理法や保存方法に工夫が見られる。これは予算があってもなくても暮らしに必要なスキルだと思う。
食材を無駄にしないので月末には冷蔵庫は空っぽ。美味しくて安い、旬の食材を味方にすることで経済的にも健康的にも良い。

もし予算が少し余っても、来月に繰り越さず使い切るというのもポイント。
1000円余ったのなら、普段買わない高級なイチゴを買ってもいいし、興味半分でクラフトビールを買ってみるのもいい。予算内でやりくりできた月末のご褒美として、普段買わないものでちょっと特別な時間を過ごす。

おづさんの本では、メリハリのあるお金の使い方で、暮らしも楽しくなることをわたしに教えてくれた。
わたしの拙い文章では伝わりきらないので、おづさんの本をぜひ読んでほしい。派手でも豪華でもない、身の丈にあった予算のある暮らしが、豊かで幸せに感じるはずだ。

別財布として「エンタメ」と「食費」で運用中。エンタメ財布は旅行でも大活躍する。

3、買い物リストを作って共有する

わたしはドラッグストアや100円均一のお店でフラフラと商品を眺めるのが好きだ。疲れたときなんかは、真夏の虫のように明るい店内に引き寄せられ、数時間徘徊できる。
しかし、そんな時はだいたい「買う必要のないもの」を買ったり、欲望のままに散財してしまって後悔する。

それを回避するためのものが「買い物リスト」だ。
生活をしながら、買いたいと思った食材や、ストックがなくなった日用品のリストを作る。そして、スーパーやドラッグストアに行った時、リストを見ながら必要なものだけを買うことを意識する。
買うものが明確なので、店内をあてもなくフラフラすることがなくなり、無駄な買い物も買い忘れも防げる。

買い物リストを家族で共有する

これまでは自分のスマホのメモ帳に買い物リストを作っていた。買いたいものは自分だけが把握し、自分が買えばいいと思っていたから。家族に頼む時は、その都度何を買ってきてほしいか細かく指示をしていた。

だが、買い物リストは家族と共有し、誰でもリストを編集できる状態にしておくほうが便利だ。

iOSの純正アプリ「メモ帳」では、指定したメンバーとメモの共有・編集が簡単にできるし、Notionを使う人ならそれもいい。
おすすめは「チェックボックス ☑︎」を表示して、項目を消し込めるほうが視覚的にわかりやすい。

リスト化は音声入力が便利

買い物リストを作る時に、陥りやすいのは「リストに入れようと思って忘れていた」ということだ。後で入れようと思うと「何だったっけ?」となってしまう。
そうするうちにリストをつけること自体が面倒になってくることは避けないといけない。
こうなる原因は、スマホでポチポチ入力できるシーンに限りがあるからだ。例えば、洗い物をしながら「食器用洗剤がない」と思っても、スマホへすぐに入力できない。
買わなきゃと思った瞬間にリスト化するスピード感が理想的なのだ。

そこでおすすめしたいのは、スマートホームのAlexaを使って音声入力でリストを作ることだ。

我が家では、「食品」と「日用品」のカテゴリーを作り、わたしと夫でリストを追加・編集できるように設定している。
(カテゴリーは複数作成できるが、煩雑になるとどこになにを入れたかわからなくなるので、多くても2〜3種類がおすすめ。)

まだスマートホームを持っていない人は、この機会にリビングに一つ、Alexaを置いてほしい。(↓最新機種はカラーバリエーションが豊富でおしゃれで羨ましい。)

洗い物をしながら「アレクサ!日用品リストに食器用洗剤を入れて。」と言うだけで簡単にリスト化される。
食品の場合は「アレクサ!食品リストに卵と牛乳を入れて。」と言うだけで自動的に2つと判別されて追加される。

ちなみに、誰かが買い物リストを音声で入力するときの声を聞いたら、「ん?それはまだストックがあるから買わなくていいよ!」とその場で気づいて教えることもできるので、手入力より音声入力にメリットを感じている。

リストはAmazon Alexaアプリでスマホやタブレットで下記のように確認できる。チェックボックスで消し込んだものも「完了」ステータスに残るので、復元して使い回しやすい。

スマホで見たAmazon Alexaアプリのリスト表示。買い物に行ったらこのリストとにらめっこ。

もちろん、リスト機能はどんなスマートホームにも備わっているので、使わない手はない。

ちなみに、Alexaデバイスには色々種類があるが、正直なんでも良い。
echo showというモニター付きのタイプなら、画面に買い物リストを表示させることができる。100均の吸盤付き棚でキッチンの壁面に置いたり、リビングテーブルに時 時計代わりに据え置きするのもいいかも。

まとめ

以上、我が家の家計管理のポイントを3つにまとめてみた。

「1、財産目録をつける」では、とにもかくにも現状の把握。家計が赤字なのか黒字なのか、自由にできるお金がどれだけあるのか、目を背けることなく向き合い続けることが大切だ。
もし、パートナーと一緒に暮らしているのなら、毎月財産目録を一緒に書いてみるのもいい。パートナーと同じ情報を共有し、お金を通して同じ将来を考える。簡単なことのようで、実際にそれができている家庭は少ないと感じている。

財産目録でパートナーと現状を把握し、家計管理の目的を共有する。そうしてモチベーションを高めることができたら、「2、変動費に予算を設定する」「3、買い物リストを作って共有する」は、ゲーム感覚で楽しくできる。
実際にわたしの夫は、料理をまったくしない人間だったけど、食費を予算化したことをきっかけに、すすんで買い物に行ってくれるようになり、料理にハマって楽しんでいる。(わたしも随分楽できている。)

ぜひ、パートナーや家族を"巻き込んで"楽しく家計管理をしてみてほしい。

毎月で見ると節約できるのは微々たる金額かもしれない。
だけど、それを何年、何十年と積み重ねたお金はあなどれない。
時間を最大限味方にするべく「思い立ったら吉日」、出来そうなことを今日からはじめてみては?

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