開店する。

新型コロナウイルスの影響でお店が次々と休業するなか我が家では息子がお寿司屋さんを開店した。

自宅保育に切りかえるタイミングで、なるべく仕事部屋ではなくリビングで仕事をするように変えたわたしの耳には「おにおに」とおにぎりの効果音で寿司を握る息子の声が聞こえる。

マグロにいくらにエビにたまご。しばらくすると「どうじょー」とおいしそうなおもちゃの握り寿司たちが運ばれてくる。お寿司には目がない糖質制限をはじめたばかりのわたしのまえに。

「もぐもぐ、おいしい」などと一つひとつ食べているうちに、わたしの頭のなかは「くら寿司」でいっぱいになり、意識がくらくらとしてくる。それでもなんとか平常心を保っていると、なんと息子はラーメン屋まで開店する。

このご時世に果敢にも多角経営に乗りだした敏腕な2歳の店主は、おもちゃのラーメンをまた「おにおに」とおにぎりの効果音で湯切りしては「どうじょー」と運んできてくれる。ラーメンにも目がない糖質制限をはじめたばかりのわたしのまえに。餃子のお皿まで添えて。

糖質は自粛できそうにない。

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