見出し画像

自分らしい輝きを――山元加津子

2020年末に第1弾が発売されて以来、
いまも連日、読者の皆様から感動の声が寄せられている
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズ。

わずか1ページの分量でありながら、
一つひとつのお話には、
胸が熱くなる感動が詰まっています。

全部で730あるお話の中で、
皆さまの心に最も深く残ったのは、
どのお話だったでしょうか?

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズの中から、
特に心に残った記事と、その感想をシェアしていきます。

https://www.chichi.co.jp/specials/2022_kansha/

――――――――――――――――――――――
妹は私の誇りです
山元加津子 石川県立小松瀬領養護学校教諭
――――――――――――――――――――――

お姉さんの結婚式には、
お姉さんに浴衣を縫ってあげようと提案しました。

でもきいちゃんは手が不自由なので、
きっとうまく縫えないだろうなと思っていました。

けれど一針でも二針でもいいし、
ミシンもあるし、
私もお手伝いしてもいいから
と思っていました。

けれどきいちゃんは頑張りました。
最初は手に血豆をいっぱい作って、
血をたくさん流しながら練習しました。

一所懸命に
ほとんど一人で仕上げたのです。

とても素敵な浴衣になったので、
お姉さんのところに急いで送りました。

するとお姉さんから電話がかかってきて、
きいちゃんだけでなく、
私も結婚式に出てくださいと言うのです。

お母さんの気持ちを考えて
どうしようかと思いましたが、
お母さんに伺うと、
「それがあの子の気持ちですから
出てやってください」
とおっしゃるので、
出ることにしました。

お姉さんはとても綺麗で、
幸せそうでした。

でも、きいちゃんの姿を見て、
何かひそひそお話をする方がおられるので、
私は、きいちゃんはどう思っているだろう、
来ないほうが良かったんだろうか
と思っていました。

そんなときにお色直しから
扉を開けて出てこられたお姉さんは、
驚いたことに、
きいちゃんが縫ったあの浴衣を着ていました。

一生に一度、
あれも着たいこれも着たいと思う披露宴に、
きいちゃんの浴衣を着てくださったのです。

そして、お姉さんは
旦那さんとなられる方とマイクの前に立たれ、
私ときいちゃんをそばに呼んで
次のようなお話をされたのです。

「この浴衣は私の妹が縫ってくれました。
私の妹は小さいときに高い熱が出て、
手足が不自由です、
でもこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。

高校生でこんな素敵な浴衣が縫える人は、
いったい何人いるでしょうか。

妹は小さいときに病気になって、
家族から離れて生活しなければなりませんでした。

私のことを恨んでるんじゃないかと思ったこともありました。
でもそうじゃなくて、
私のためにこんなに素敵な浴衣を縫ってくれたんです。

私はこれから妹のことを、
大切に誇りに思って生きていこうと思います」

会場から大きな大きな拍手が湧きました。

きいちゃんもとてもうれしそうでした。

お姉さんは、それまで
何もできない子という思いできいちゃんを見ていたそうです。

でもそうじゃないとわかったときに、
きいちゃんはきいちゃんとして生まれて、
きいちゃんとして生きてきた。

これからもきいちゃんとして生きていくのに、
もしここで隠すようなことがあったら、
きいちゃんの人生はどんなに淋しいものになるんだろう。

この子はこの子でいいんだ、
それが素敵なんだということを皆さんの前で話されたのです。

きいちゃんはそのことがあってから、
とても明るくなりました。

そして「私は和裁を習いたい」と言って、
和裁を一生の仕事に選んだのです。

……………………………………………………
1日1話、私のイチオシ

50代男性 一般読者
……………………………………………………

障害のある子どもと
日々かかわる自分にとって、
とても大切な視点をあたえていただいた話でした。

「私はこれから妹のことを、
大切に誇りに生きていこうと思います」

というお姉さんの言葉、人間愛を感じます。

障害があろうとなかろうと一人の人間、

本校の教育目標は「いどむ つながる かがやく」です。

一人一人の子どもが自分らしく輝いて生きていけるよう
教育活動に携わりたいと思いました。

………………………………………………………………
「1日1話、私のイチオシ」応募概要
………………………………………………………………

皆さまからの熱い想いもぜひお聞かせいただければ
嬉しく思います。ご投稿をお待ちしております。

◆募集内容

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』もしくは、
 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』の中から、
  最も強く心に響いたお話と、その理由(250字程度)を
  下記の投稿フォームよりお送りください。

◆投稿に当たっての注意事項

 お送りいただいた内容は、
 弊社から配信しているメールマガジンやSNS、
 月刊『致知』誌面などで紹介させていただくことがございます。
 フォーム上で、掲載可、匿名なら掲載可、掲載不可を選択ください。
 ※感想をお寄せくださるだけでも結構です。

◆応募特典

ご投稿いただいた方全員に、
「読めば心が熱くなる1週間の言葉カレンダー」
(PDFダウンロード形式/非売品)を
プレゼントさせていただきます。

【応募フォームはこちら】

「読めば心が熱くなる教科書二部作スペシャルBOXセット」の
ご購入はこちら

―――――――――――――――――――――――
シリーズ累計39万部のベストセラーとなっている
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』
は、人間学を学ぶ月刊誌『致知』から誕生しました。

『致知』は1978年に創刊され、
以来、「いつの時代でも仕事にも人生にも
真剣に取り組んでいる人はいる。
そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」
を創刊理念に、一流のプロフェッショナルの
生身の体験を伝え続けてきました。

書店では手に入らない定期購読誌でありながら、
44年間、口コミで増え続け、11万人に購読されています。

【『致知』のお申し込みは表紙をクリック】

『致知』2023年2月号特集「遂げずばやまじ」には柔道家・阿部詩選手が登場します。