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【今日からすぐ使える】 本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント

「明日こそは子どもを怒らない!」

そう決めたはずなのに、いざ子どもと向き合うとどんどんイライラ。最初は優しく注意していたのに、ついにはドッカーン!そしてまた、寝顔を見ながら後悔する……。お子様をお持ちの方なら、一度は経験があるのではないでしょうか。

自身も三児の育児を経験し、日本アンガーマネジメント協会認定叱り方トレーナーとして多くの母親を救ってきた島田妙子先生は「怒ってしまうのは性格のせいではない」と断言します。

『本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント』では、怒りの要因を明らかにするとともに、六秒ルールや深呼吸など、怒りのホルモン「アドレナリン」をやりすごすための10のトレーニングや、怒るときの7つの注意点といった具体的な怒り方も紹介。

何度注意してもやめてくれない、決めたルールを守らない、口答えばかりで腹が立つ……。日常の「イラッ」とくるシーンにいかに対処するかも、漫画つきで解説されています。
アンガーマネジメントとは、「怒らないようになる」のではなく「怒りと上手に付き合うためのトレーニング」だと島田先生は言います。コロナ禍の影響もあり、いつも以上にイライラが募っているお母さん。本書には怒りから自分を解放するヒントが詰まっています。その内容の一部をご紹介しましょう。

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【初級編】 今日からすぐ使える!
アドレナリンをやりすごす4つの基本
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怒っている時、身体の中では心拍数と血糖値を上昇させるアドレナリンが大量分泌されることで、脳や身体が緊張し、興奮状態になっています。特に女性の場合は、出産や育児などライフスタイルの変化によって精神の安定を司るセロトニンと呼ばれるホルモンが激減しやすいといわれています。

その上、日常生活のストレスが加わることでアドレナリンまで付加されてしまうのですから、感情表現はどうしてもきつくなりがちです。子育ては思い通りにならないことのほうが多く、「怒りたくないのに怒鳴ってしまう」「一度怒り出したら止まらない」という悩みを抱えるお母さんが大勢いるのはそのためです。カッとなって言わなくてもいいことを言ったり、手が出そうになったりするのを防ぐためにも次の方法を試してみてください。


【1】 6秒ルール(衝動のコントロール)

諸説あるそうですが、怒りの感情のピークは6秒程度といわれています。

イラッときたら、6秒やりすごしましょう。カッとなっていると六秒やりすごすのは
難しいように感じますが、大切なことは、他のことに意識を向けること。心の中で6秒、数を数えるといった単純な作業を行うことで、意識を自然とそちらに向けられるのです。

【2】 コーピングマントラ(魔法の呪文)

コーピングは「切り抜ける」、マントラは「言葉」「呪文」という意味です。ついカッとなって怒ってしまいそうな時には、怒りとは関係ない言葉を心の中で言ってみましょう。最初は、なかなか出てこないと思いますが、イラッとした時に毎回唱えてみること。

トレーニングで習慣になってきたら、とっさに言わなくていいことを言ったり、手を出してしまうことが少なくなってきます。オリジナルのコーピングマントラを考えてみましょう。

(例)

「大丈夫、大丈夫」

「そうきたか!」

「最強やな!」

「それってギャクよねー」

「そよ風ふうー」

他、CMソング、芸人さんのギャクなど。

家庭で、職場で、街中で、それぞれの呪文を持っているといいですね。


【3】 4秒吸って8秒吐き出す「深呼吸」

アドレナリンがある間に反射的に行動するのをやめるトレーニングの
一つとしてお勧めしているのが、深呼吸です。

アドレナリンが分泌されると、心臓がドキドキしたり、呼吸が浅くなってしまいます。私のように食いしばり癖があると、怒っている時や、ぐっと我慢している時、奥歯を噛みしめて、呼吸が浅くなってしまうのです。こんな時こそ深呼吸です。

吸う時は必ず鼻で吸います。4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐き出していきましょう。鼻で吐いてもオッケーですが、吸うのは鼻です。苦しければ最初は3秒吸って、5秒吐き出すのでも大丈夫ですが、吸う時間より、吐く時間を長くします。深呼吸をするとセロトニンが分泌されて気持ちが落ち着きます。細胞に酸素を送り込むだけでも全然違うはずです。

【4】 いったんその場を離れてみる(頭を冷やす)

本当は怒らなくてもいいことに、怒ってしまうことがあります。特にアドレナリンがある間は衝動的に怒ってしまうことが多いので、そんな時は「タイムアウト」。スポーツにも「タイム」があるように、怒ってしまう時にも「タイム」を使うことをお勧めしています。

カッとなっている時に「タイムアウト」は一見難しそうに感じますが、これもトレーニングです。一旦その場を離れ、深呼吸してアドレナリンをやりすごしてみましょう。夫婦喧嘩や、思春期のお子さんとは、バトルを避け、タイムアウトしてみましょう。その際には、黙って離れるのではなく、「今少しコーフンしているから30分あけよう」など、相手にも「タイムアウト」を伝えましょう。


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目次
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第一章 イライラ・ドッカーン! は「性格」のせいじゃない!
怒ること自体は悪いことではない
「怒り」にはプラス面もある
怒りっぽいのは「性格」ではなく「感情のクセ」だった


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第二章 アンガーマネジメントって?
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怒りと上手につきあう方法を身につける
こんなこと、ありませんか?
袋の緒が切れる」お母さん
大人は自分の感情に責任を持とう
人の感情や周囲の出来事に振り回されない
〝怒らない〟のではなく、〝怒りと上手につきあう〟
あなたの怒りで傷ついているのは、子どもだけじゃない
自分の心と体を守るためのトレーニング


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第三章 本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント
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「イラッ!」とした時に怒鳴らない。それだけでも十分!
【アンガーマネジメントを始める前に】
アドレナリンの適切な対処法
【初級編】今日からすぐ使える! アドレナリンをやりすごす四つの基本
【中級編】少し慣れてきたら
正しい「怒り方」、知っていますか?
怒る時の七つの注意点
怒り方はトレーニングで変えられる
スモールステップ


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第四章 こんな時はどうしたらいいの?
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優しく言っても効果なし!
何度注意してもやめてくれない
やることなすこと「イヤ!」
毎日同じことの繰り返し!
仕事や家事をしたいのに邪魔ばかり!
決めたルールを守らない!
口答えばかりでムカつく!!
いったい何様?! 親をこき使う
いつもぎりぎりまで行動しない!
直前にしか大切なことを言わない!


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第五章 「変わりたい!」と思えば誰でも変われる
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たった一言謝れなかったことが、優しかった父を変えた
運命を変えた「マッハ先生」との出会い
虐待の縁から私を救ってくれた言葉
罪悪感に苛まれ続けた父と継母
小兄との約束
「変わりたい」と思えば人は変われる