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腹を括り道が開ける


パン屋…やりたいけどさぁ、周りみんな反対してるんだよねぇ。

友人の繰り返された呟き


私は彼女に「絶対大丈夫!とにかく自分を信じて突き進んで大丈夫。」と数え切れないほど声をかけた。


その人の生きる姿勢で分かる。
背中を押していいのかどうかが。


とうとう先週、彼女は念願のパン屋をオープンさせ、約300個のパンを1時間かからないうちに完売させた。オープン2日目も3時間で完売。SNSを使わず友人知人に個別にお知らせしただけだとか。

店内は香ばしいパンの香りよりも
開店祝いの甘い花の香りでいっぱい
(店舗作:夫)



「あんたが自分の店持つなんてとんでもない。」
「言いにくいけど…パンが固いし、美味しくないよ。もっと柔らかく作れないの?」
「本当にやっていけるの?」
「長時間の肉体労働だし、儲かんないよ。」
「絶対やめた方がいい!」
「今どきパン屋始めるなんて時代錯誤。」
「オープン予定日は厄日ですよ。」
「あそこの角にゴミが落ちているのがちゃんと見えてますか?掃除してるんですか?」

夢に向かって一歩を踏み出そうとした途端に
次々と現れたドリームキラー

彼女は開業までに何度も立ち止まって考えた。

日本人の体質とグルテンの相性が良くないって気付いてるのになんでわざわざパン屋始めようとしてるんだろう。と。
それでも開業したい気持ちを抑えることは出来ず、とうとう彼女は素直にお客さんに告知。

私自身、お米大好き。お腹が空いたらご飯を食べたくなります。パンよりもお米の方が身体に良いと思います(笑)でも、時々でいいのでパンが食べたいなぁと思ったら、当店に足を運んでいただければとても嬉しいです。

こんなお店の紹介文見たこと無い

集客の常識を破り、挙句の果てには「パンよりご飯が食べたい。」と。

数百万円の開業費を掛け、月に10日ほどしか営業しないそのビジネススタイル。創業支援者なら何と言うだろう?きっとお手上げ。

パン屋も含めて飲食店の廃業率は10年以内に9割という現実を突きつけられたら、開業を夢見る誰もが怖じ気づく。

けれど、

パンひとつ売って、いくらの利益が上がるという計算はもうやめて良い。(皮算用が楽しい人はぜひ。)

時代はアセンションダヨ。
勇気を出して好きなことをしなければどうなるかというのは人間なら誰しも潜在意識が知ってること。

採算?
ケセラセラ。


彼女は、主婦(家事育児)とパン屋兼業の為、営業日は週に2日、たまに3日と決めた。仕込みは朝早く、2時台に起床し3時台には工房に入る為、睡眠時間と体力の確保を考慮すると週2日が限界。


2.3年前から登園、登校渋りのある息子くんに毎朝手を焼いていたはずが、最近とんとそんな話を聞かなくなったのは、彼女が上手く手放すことに成功した証。

プレオープンの日、
彼女とお母さんがカウンター内で
輝いてる姿を見て不意に視界が滲み、
店の外へ出たことは彼女への手紙にて報告済み。


彼女の身の回りで起こる出来事も以前とは明らかに異なる、人生の転機。



貴重な節目に伴走させてもらえたことに深く感謝いたします。オープンおめでとう。ずっと愛されるお店でありますように。





覚悟を決めた人の潔さが好きです。

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