実験動物。

これも戦争後遺症の話だが、実験動物の飼育管理の仕事というものがある。冷静に考えて、マウスなどでの実験がなければ、そもそも医科学とは成り立って来なかったものなのだが、動物実験などひどい、かわいそうだ、あんまりだ、何故そんな血も涙もないことが人間は平気でやってしまえるものなんだろう。かわいそうな実験動物の悲話を描いた絵本まで現れた。
過剰反応である。隣国で、子供が大学へ必ず入るようにと、号泣して願う感情的な母親たち、そういったニュースを見たことがあるが、そこまで人間は滑稽なものになれるかなと思うと、実際に友人は言うものだった。
動物実験をして、それで人間が助かるなんてことが、大体からしておかしいことなんだ。そんな事をしてしか生きていくことが出来ないのなら、人間は滅亡すればいいんだと。
この友人は、実際に実験動物の関係機関まで話をしにいった。対応した人は当然困惑したのだが、あなたも肉を食べますよね、それは人間にとっては構わないんですかと問われると、でっけえお世話だよと捨て台詞を残して立ち去って来たという。

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