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アートギャラリーで運命的な出会いをした話

職場の近くにアートギャラリーがある。
絵を描くようになるまでは存在にすら気がつかなかった、モールの一角にある小さなギャラリー。

仕事終わりに立ち寄ってみたら、この日は海外の画家の個展が開催されていた。
1点〇〇万円という値がつく作品ばかりだったけど、コロナ下のせいかギャラリー内は私と受付のお兄さんだけ。
ゆっくり見ていると、お兄さんが声を掛けてくれた。

『絵、好きなんだ?』

最近絵を描き始めて似顔絵師をしていること、ゆくゆくはイラストレーターになりたいなぁ~なんてことをゴニョゴニョ伝えると、お兄さんは『絵、見せて見せて!』と無邪気に言うのだ。

まさかの展開に戸惑いつつInstagramを見てもらった。

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絵柄もクオリティも統一感の無いショボいインスタだが、お兄さんは『ふんふん、かわいい!かわいい!』と言いながら、いくつかコメントをくれた。

『色遣いは明るくて可愛くて良いと思う!でもリアル調ってやっぱり難しいんだよ(売れるのが)。』

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『人と同じものを描いちゃ駄目なんだよ。人と違うものを描かなきゃ。
だから、このアイコン達のほうがずっと良い。』

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・・・衝撃だった。
この頃、ちょうどリアルとデフォルメのどちらで進むか悩んでいて、もしかするとリアル調の方がウケが良いのかもと思っていたから。

さらに彼は『Tシャツとか作ってないの?』と聞いてくる。

私はあまり物は買わない・売りたくない主義で、大量生産、ファストファッションを助長するようなグッズ販売や販促はしたくない、しない。という頑固な自分ルールを持っていた。

そんな私に彼はこう言った。

『手段は選ばず、まずは何でもやってみた方がいいよ。今は色々やり方があるし、不意に何かのきっかけで一気に広まることがある。チャンスはどこに落ちているか分からないんだし。』

ーーー確かに。駆け出しのうちは、余計なプライドと拘りを持たずになりふり構わず行動してみるべきなのかも知れない…

という感じで、たった今出会ったばかりの人物の言葉に妙に納得してしまい、どんどん価値観をぶち壊されていく私(笑)。
ギャラリーで様々なアーティストを見てきたお兄さんの言葉だったからこそ重みと説得力がある。

他にも、あるエピソードを教えてくれた。
某テーマパークで似顔絵を描いていた人が、似顔絵師を辞めて画家になった話だ。似顔絵師の当時は一枚3000円で売っていたが、今の絵は一枚200万円の値がつくそうだ。
実際の絵を見せてもらったら本当に美しく、その人にしか描けない世界観だった。(作家さんの名前を聞きそびれてしまったのでここで紹介できないのが悔やまれる・・・)

***

彼の言葉は『画家を目指す人』への意見だったと思うけど他にも通ずることがある。

・まずは何でもやってみる
・人と違うことをする(自分の世界観を確立させる)

成功者は必ずやっていることだと思う。

小さなギャラリーに立ち寄ってみて、まさか自分が絵を見せることになるとは思わなかったけど

『また絵を見せに来てね。』

お兄さんはそう言ってバイバイしてくれた。

***

――次は成長した自分の絵を見てもらおう
――自分にしかできなことをもっと表現しよう

そして

――いつかは置いてもらう側になろう

ふらりと立ちよったアートギャラリーでの出逢いで、私の視界は昨日よりもずっとクリアになった。

2020.9

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