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15分あれば喫茶店に入りなさい。

久々に実家の部屋を整理していたら、懐かしい本を見つけた。齋藤孝さんの「15分あれば喫茶店に入りなさい。」だ。

齋藤孝さんは一時期ハマっていたので、彼の本を沢山持っている。この本は第一刷が2010年だったので10年以上前の本である。

読んでいて面白かったのは、当時と今の時代の変化を感じさせ、「今これはないよな〜」と思う面(電子辞書を持ち歩くとか)と、「今も変わらずこれは適応できるな」(カフェ・ライブラリーという空間を活用して、スキルアップに繋げる時間を作る等)と思う面が混在していた部分である。


喫茶店は大好きなのだが、個人的には周りの雑音が気になって集中出来ないので、勉強や仕事の為に利用する事は稀だ。なので、読んでいて「喫茶店利用のタクティクス」的な「いかに喫茶店の空間を有効活用するか」みたいな事が書いてあったのが自分にはない視点で面白かった。(コーナー席を死守せよとか笑)

私は基本的に人と会って話したり、待ち時間に1人で本を読んだり、ゆっくりする為に喫茶店を使う事が多い。著者がこの本に書いている女性の相談は、相談した相手と仲良くなること自体が目的という観点は自分もそうかもしれないと納得し、そのコミュニケーションの場として喫茶店を利用しているなと思った。

深夜のファミレスや夜中のカフェで勉強や仕事をする著者のそこに集まる人たちの人生や生活がリアルに垣間見える、ライブ感のある空間だというのは新鮮な観点でもあった。家に帰らず、又は敢えて家とは違う空間に足を運んで夜中まで勉強や仕事をするという事自体が、あくせく生きる現代を象徴しているようで疲れてしまうなぁと思った。


また今流行りのカフェのスタンスとは違う感じが、10年という時代を感じさせた。コロナを経て喫茶店の在り方も変化を迫られている。テイクアウトも普及し、家でハイクオリティの食べ物や飲み物を用意してゆっくりすることが出来る様になった。直接人と会う機会も少なくなり、喫茶店の店内でゆっくりとする事も出来なくなった。



そんな今だからこそ、あの喫茶店ならではの空間の良さを再確認できるのかもしれない。


日本とカナダのカフェは当然だが、雰囲気が全然違う。コーヒーの味もカナダのものは酸味と苦味が強いものが多い。


自分は、日本の喫茶店の古き良き空間がやっぱり好きだ。実家に帰っている間に、懐かしい自分のお気に入りの喫茶店を訪ねてみようと思った。


今もあるといいな。

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