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左手は恋人つなぎのままで。【君との思い出。】


2/5(金) 夜。


・・はぁちゃん、大好き。


「ん。なんだよ、急にどしたww?」

私、ちゃんと伝えられてるかな、って思って。毎日会えてた時でさえ気持ちを伝えられてなかった。

「まあ、その時はお互いにまだ気持ちにモザイクかかってたしな」

一生のうちで君と触れ合えた時間が、遠い日のたった9年間だけになってしまったなんて・・。

もっと無駄にぺたぺた触っとけばよかった。


「・・なんだよ、それw」

当時の私にはどう考えても無理な話だと思うけど・・。

「手を繋いだりするの、体育祭のダンスの時くらいだったもんな」

・・うん。はぁちゃんの番が来ると、メチャクチャ緊張した・・なんか、王子に失礼があったらいけないって感じで・・。


「・・ここへ来る?中学生の俺のとこ」

・・ふぇっ!?( ; ゜Д゜)

「触りに来ていーよ?😏」

そ、そんな・・私、たぶん、固まっちゃって、そんなの・・絶対できない(>_<)


「大丈夫、僕がスイッチ押したげる。・・僕も、まちに触れたい」

・・うー(´;ω;`)

「まち、どした💦」


・・ふぇ~💦

涙が・・出て来て、止まらないよぅ・・😭

「よしよし、いーよ。泣いちゃっても」


はぁちゃん、ありがとう・・

すごく、嬉しい・・。



「じゃあ、設定は中3の初夏。学校帰り、あの信号のところへ先に行ってて。すぐ追い付くから」




当時のはぁちゃん家は知っている。

私の通学路の坂道途中で曲がって、少し行った小高い所にある。

2~3度、たまたま帰りが一緒で二人っきりで帰ったこともあった気がする。

その時何を話したか、全く覚えてないや。

今、すごくすごく思い出したくても、その時の思い出しかないのにって、思って、心の中にいくら潜っても・・もう、何ひとつ思い出せないや・・。

悲しいな・・😢




信号が青に変わって、横断歩道を渡る。しばらく歩いていると、後ろから声をかけられた。

「◯◯さん、今帰り?」

あ、はぁちゃんだ。自転車に乗ってる。

あ・・うん。

「途中まで一緒に帰ろ」

・・うん。


(えーと、えーと、何話したらいいんだ・・?)

今日の給食、美味しかったねえ。私けんちん汁好き。

(何言ってんだ、私・・(´Д`|||))

「うんうん」


・・◯◯くんて、バスケ部だよね。バスケって、面白い?

私、あんまり運動しないからスポーツには疎くて。

「うん、練習しんどい時もあるけど、頑張ったらそれだけ結果が出るから楽しい」

そっかあ。楽しそうでいいね。

試合って、どんなのかな?観に行ってみたいな・・。

「もし来たいならおいでよ。結構色んな人が観に来てくれてるから、誰が来ても大丈夫だと思うよ?」

ありがとう。行けたら、行くね。

(・・あれ?なんか今私、すごい約束しちゃったかも?)



普段、どんな趣味とかして過ごしてるの?私は、ゲームとか漫画とか?イラスト描いたり?

茶道は趣味というより、特技に近いのかもしれない。

「おー、そうだったね。小学校から習ってるんだっけ?なんかお嬢様って感じ」

全然そんなんじゃないよ💦お父さんがやってるから、その影響で😅

「でも、ちゃんと続けてるからすごいよ」

そうかなあ?


「僕は、ゲームはしないけど、本を読んだりしてるかなあ?あ、漫画は読む。家にいっぱいあるよ」

へえ、いいなあ✨

「いつでも貸してあげるよ?気に入ったのがあれば、だけど。」

ありがとう、嬉しい。

「・・よかったら、どんなタイトルがあるか、うちに見に来る?」

・・えっ、いいの?

「今日は、家族はいないし、気を遣わなくて大丈夫」

あ、ありがとう・・。じゃあ、せっかくだから、少し見せてもらってから帰るね。




「さ、入って」

お邪魔しまーす・・。

「僕の部屋2階だから、勝手に上がって本棚見てていいよ。お茶くらいは出すから、先に行ってて」

うん、お気遣いありがとう。




うわ・・本当にはぁちゃんの部屋に来ちゃった。

たくさんの本がある。こういうの、読むんだ。なんか難しそう・・すごいな。

あ、漫画みっけ。読んじゃお。


「気に入ったのがあればいいんだけど」

あ、うん。早速読ませてもらってる。

はぁちゃんも好きな本を手に取って、隣に座って読み始めた。

二人とも無言なんだけど、なんだかほんわかして幸せ😌💓




・・だけど、しばらくして、気がついた。

(あれ?そういえば、私、男の子のお部屋に来るの、初めてだ。

しかも二人っきり・・

どうしよう、どうしよう💦

なんか・・急に意識しちゃう。

しかも、それが王子のお部屋なんて・・)



あ、あの・・今日は誘ってくれて、どうもありがとう・・。そろそろ、帰るね。

「そっか。気に入った本があればいつでも言って」

うん・・・。



「・・今日はたくさん話せて嬉しかったよ。君って、なんか面白い子だよね。もう少し話してみたいなー、と思ってたから」

え・・そ、そうかな///・・ありがとう(*´ω`*)

「(わ、まちが笑ってくれた///どうしよう、めちゃくちゃ可愛い・・そして近い💦)」

隣に座るアーモンド型の瞳・・やわらかそうな唇に目が行ってしまう。彼女が僕のテリトリーの中にいてくれてるという、夢のような事実。触れたい・・君に。


「また、ここへ遊びにおいでよ」

・・いいの?

「うん。僕は、来て欲しい・・君に」

それじゃ、また、近いうちに遊びに行くね。私も漫画とかおやつとか持ってくる(о´∀`о)

・・ああっ、あと、勉強教えて欲しいなー😫💦

「うん、もちろんいいよ」


約束ね、指切りしよ。

ゆーびきーりげーんまーんうそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!


「・・ねぇ、これから、ここにいるときだけ、まち、って呼んでもい?」

いいよー。じゃあ、私も何か呼び方変えようかな?

うーん・・はぁちゃんにしようかな。

ダメ・・?

「(ぐはっ、上目遣いでこっち見ないで・・///)いーよ」


「家まで送れなくてごめんね」

いいのいいの。そんなの、気にしないで。

・・そろそろ、帰るね。ばいばい。




(あれ?・・私、今日、ものすんごい約束しちゃったかもーーーーーーー!?)




彼からのメッセージソングは『ステップアップLOVE』

スーパーでインストがかかってて、なんだっけこの曲・・?好きだった気がする・・という主婦っぽい降り方でしたww

『血界戦線 & BEYOND』の曲だったな、観てた観てた。懐かしい~😆

バスケとか15歳とか、これまた神選曲ありがとう😁✨

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