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ミュージカル「この世界の片隅に」~歌唱指導の視点から~(2)

今回の作品で実現したいこと。

アンジーが続けて話してくれたのは、
彼女が「今回の作品で実現したいこと」でした。

その時に話を聞きながら慌ててメモをとったのがコレです。

書き殴りでだいぶ汚い字ですが、
読めるかな(汗)


最近のアメリカのミュージカルは

Hip Hopで物語を綴ってゆく
「ハミルトン」だったり、

声を作らず、スピーチに近いトーンで歌う
「ディア・エヴァン・ハンセン」だったり

シンガーソングライターSara Bareillesが
楽曲制作した「ウェイトレス」だったり、

より「ポップス」の影響を受けた
作品が多くなってる
ということ。


それらの作品の歌の特徴は


いわゆるミュージカル嫌いの人が
イメージする「ザ・ミュージカル」

(突然高らかに歌い上げたり、
「イイ声」を作って大袈裟に演技するような…)
ではなく、

もっと自然な。
喋り声の延長に歌があるようなスタイル

多いこと。


そういう、ナチュラルな
日本の舞台にとってはまだ新しい
スタイルのミュージカルを作りたい。


それが、彼女が今回の作品で
実現したいことの1つでした。


そして、
もう1つは、リズムです。


リズムの解像度を上げる

たとえば翻訳劇などの場合、
「日本語の響き」
「日本語のリズムやイントネーション」
を重視するため、

訳詞の歌詞からは、
本来原語の歌詞にあったはずの
グルーヴやシンコペーションなどの
リズムが失われやすいのです。


そして、声楽など
クラシック音楽のトレーニングを
ベースに受けてきたミュージカル役者にとっては

16beatバックビートを感じること、
スウィングなどのリズムは
耳馴染みの薄い、慣れていない
ものであると思います。


ですが、アンジーが作る楽曲には
これらのリズムの要素は必要不可欠!
絶対に外したくないものです。


そして、それ以外にも
楽譜に書かれていない表現の要素や
クラシックにはない発声法の数々、、、


アンジーはそれを

「私は歌えるけれどそれを
どうやって教えるのかを知らない

だから、その解像度を上げる作業
CHIBIちゃんにやってほしいんだ」

と言ったのです。


(続く!)








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