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いつだって傍には猫④

保護っ子それぞれ

みんなケージの中いるかと思いきや、
ボラさんと私の足元で自由にしている、
シャム柄の大柄な猫が一匹。
「この子はみんなのリーダーで、
お父さんかもしれません」
なんでも、一番人馴れしていて懐っこいオス。推定6歳というから
「多頭飼い最初の一匹」なのかもしれない。

きっとゴミ屋敷にいた元飼い主だって、
最初は私達と同じように
可愛がっていたのではなかろうか?
何かが色々変わってしまい、食い違っていって、どうしようもなくなった。
・・・とか想像すると、ちょっと悲しい。

その人懐っこい大柄なオス。
賢く愛嬌たっぷりで
誰とでもやっていけそうな、器の大きさを感じたのだけど
「この子だけ猫エイズ陽性なんです。
発症はしてません。
もしかしたら仲間と縄張りを守る為に、野良猫と喧嘩したのかも。」
と、ボラさんが言っていた。

猫エイズは、激しい喧嘩で噛まれたりしなければ、伝染る事はないと知っていたけど
万が一、「ちび」「むぎ」と激しい喧嘩になったら?と思ったし
なにより、兄弟や子供達を守ってきたなら、次は一匹飼いで大事にして貰える。
そんなお家に行けた方が、良いかもなぁ
と思ったりして、
すごくいい子だったけど、漠然と
「キミが行くべきは、うちじゃないかも」
と感じていた。

一匹づつ紹介されていき、ついにお目当ての
「怖がりで動かない、件のオス猫」
のケージの前へ。いざご対面!

・・・ほんとに、ケージの端っこで、ぎゅっと固まってる。
イカ耳で、目は見開き、声掛けても微動だにしない。
「こんにちは。初めまして~」
私なりに精一杯、可愛く挨拶してみたけど、やはり動かない。
目も合わせてくれない。
そう、まるで石のよう。

「こ・・これは想像以上ですね」と、
私が言うと
「なかなか慣れてくれなくて。
夜中、人がいなくなると
少し動いてるみたいで」とボラさん。

正直、画像で見てて
「うちなら何とかなるんじゃないか?」と
根拠のない自信があったのだけど
怯える目を見て、その自信はこっぱみじんに砕けた。

「会った瞬間にビビッ!っと電気が走って、
運命感じたらどうしよう💛」
なんて、夢見ていた私。
まさに冷や水を浴びせられたというか
保護猫達の現実を知る事となったのです。






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