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いつだって傍には猫③

赤い糸を探して

個人ボラさんとメールのやりとりで、
アンケートに答えたり
我が家の環境などもお教えして
いよいよ保護猫さん達と、ご対面の日取りが決定!

数人が交代でお世話している、とあるマンション。
県外の今まで縁もゆかりも無い場所で
かつての私なら、尻込みするところなのに
ペットロスの反転エネルギーたるや、すごいもの
せっせとルートを調べ、場所と所要時間を確認。
こちらが知りたい事を、忘れぬよう箇条書きにしてみたり。
無気力だった日々が嘘のよう。

「あぁ、あの子が私の運命の猫かも」
「でも、他の子達の顔見たら、迷いが出ちゃったりして」


などなど、だいぶ前のめりに妄想が膨らみます。

そしてついに、ご対面当日。
無事、一時保護しているマンションに到着して
個人ボラさん達との、挨拶もそこそこに
猫達のケージがある部屋に通される。

2部屋に所狭しと置かれた、いくつものケージ。

「・・・い、いっぱいいる💧」

頭じゃ分かっていたものの、
実際に多くの猫がケージにいるのを目の前にして
驚きで、ちょっと引く私。
「実際に、目の前にすると緊張しちゃうな。
この中から、画像で見ただけの子を、希望していいもんなんだろうか?」
と、密かに動揺している私の横で
ボラさんが丁寧に一匹づつ、ケージの中の猫を紹介してくれる。

私が心に決めていたのは、緊張で動かない、不動のオス猫だったけど
その子以外にも、シャム系の柄の子達が多く、メス猫もいた。
生後一年未満であろう子猫も、数匹いたそうだけど
幸いな事に、子猫達は早い段階で、里親さんが決まったのだそう。

結果、マンションで里親探しをしている子達は皆、大人猫。
推定3歳~6歳くらいの子達が、運命の赤い糸を探しているとの事だった。

ボラさん曰く、やはり子猫は里親が決まりやすいそう。
そりゃ、小さい頃から成長を見たいって思うのも、普通かなぁと理解できる。
なんつっても子猫の可愛さは、たまらんもの。

でも、ここで保護されている子達を知った時から、私は
「大人猫だっていい。むしろ、その方がうちは良いかも」
と思っていたのです。
我が家は子無し夫婦の共働き。
家は留守がちで、目が離せない子猫だとかえって大変。
何よりも
「モカが席を空けてくれたんだもん。
里親さんが決まりやすい子より
決まりづらい子に、その席をあげても、
きっとモカは応援してくれる」
と、思ったのが大きかったのです。

「父ちゃんのお膝、譲ってあげるにゃ」

「大人猫じゃ、モカの生まれ変わりじゃないだろうけど、そんなん関係ないよね」と、
笑って言えるようになっていたから
この時点で、だいぶペットロスから
脱出できていたのかもしれない。





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