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20210710おはようございます。合気道に学ぶ⑨植芝守央道主特別講演会の風景

💚今日のイメージBGM。

『結城友奈は勇者である』(ゆうきゆうなはゆうしゃである)

「♪言葉にならないキミの声を聞いた気がした

どんな秘密 胸に抱えているの
水辺に影 ひとつ浮かべた想い
あの日なにも 声をかけられなくて
細い背中 消えそうだった

ああ 今 走り出せば (動き出した刻(とき))
キミに追いつくかな (揺るぎない瞳)
未来に結いつけた (その糸を)
決してその糸を離さないで

花降る 寂寞(せきばく)の中
花散る まだその前に
キミは独りなんかじゃないよと
この光を届けに行く だから…


ぽつりキミは涙 落としていたね
丸いしずく 土に染み込まなくて
雨になって ずっと降り続いてる
この心を濡らしている」

ゆゆゆは、まどか☆マギカの後に、作ったやつ。
英雄さんにお願いして、さっきはジャンヌや魔法少女を、三千世界に咲く花のように、助けに行ったけど・・・もう一つ行きたいところがあるって。

それは、稚児や巫女たち、人々によって選ばれて、神に捧げられた子供たちを、助けに行きたい。命を削って人々の幸せを願って戦う、子供たちに祝福を。助かる側の人間が、助けてもらう側の人間が、「尊い」などと祝福して祀りあげる中で、神様に捧げられてしまった子供を持つ、お母さんがどれだけ悲しんでいるか、その子のお父さんや、その子を好きな子が、どれだけ苦しみ、人々や神を呪っているのか。

日本という国は、数多の祝福で支えられているけれども、それはいい話ばかりじゃなくて、ただの神への生贄にされた、子供たちの声や、願い、祈り、それらが報われるように。対価に神々に、五感の何もかも奪われていく中で、記憶さえも奪われていく。それでも、助け合っていく子供たち。どうか無事に帰って来られますように。

ぼくが、勇者になって、舞い降りて、いっしょに戦うよ。いつか、車椅子になる、妹も戦うことになって。ぼくとしては、ずっと安全なとこへ、せめて心のままに、自由に生きれるように、してあげたかったんだけど。戦いの全ても、命のことも、何もかも、ぼくが盾になろうって思っていたんだ。

💚お母さん、ごめんね。

「♪キミを連れて駆け出すよ
誰も追いつけない場所へ
今こそ叶えようよ あの日のやくそく

片隅の幸せのつぼみ
銀色に輝いた
咲いたら見せてあげよう

見返したアルバムの中で
その頃も今もそう
一緒に笑ってる」

お母さん、ごめんね。

「あのね、お母さん、今すぐこの仕事をやめて欲しいんだ・・・」
「?どうしたの?」
「ううん・・・この旅館の人から、悪い匂いがした。よくないよ。だから、今すぐに、この仕事をやめて欲しいんだ・・・」
「何かみたの?何か聞いたの?」
「ううん・・・でも、台所にいる人たちだよ。あの人たちは、よくない。」

この時、ぼくは幼すぎて、説明する言葉を持ちえなかった。
まだ保育所前だったと思う。

「やめるにしても、旅館の人に言わなきゃ・・・」

ぼくは、お母さんを助けようと、心から、魂から、強く願った。

その時、頭の上の方で、透明なガラスの割れる音がした。
ガシャーン!
頭の上から、とてつもない情報が流れ込んだ。
びっくりして、目が回った。
でも、わけがわからなかった。

その日は帰って、ぼくはおじいちゃんを歩いて尋ねる。
「おじいちゃん、ぼくは、お母さんを助けれなかったと思う。お母さんの窮地を、助けれなかった。根拠はない、でもきっとそう。お母さんが、危なかったのに、助けれなかった。どうしよう・・・お母さんが大変なことになる。ぼくのせいだ。ぼくが助けてあげれなかったから。どうしたらよかったの? うわぁぁぁぁぁん。(>x<。)」
ぼくは、泣き崩れた。
おじいちゃんは、「チャンスは何度もある、次に助ければいい。」
「c(OxO。)わかった、今回はダメだった。次は助ける!」
とぼとぼ帰った。

時は流れて、ぼくは高校生になった。
ビジネスの授業で、手形の裏書きを習った。
先生はいう。
昔は、この裏書きで、借金を騙してなすりつけるのが流行りだったという。
たくさんの人が騙されて、多額の借金を、何千万から1億円が、平気で背負わされたという。ほとんどの人が、一家離散したり、夜逃げになったり、人生が破滅したという。

「 ! 」
あの日、ぼくが読み取ったのは、これだ!この情報だ!
ぼくは、急いで帰った。

「母さん、今日、裏書きのこと、授業で習って・・・。昔、これ・・・なかったかな?」

お母さんは、少し苦笑いして事情を話してくれた。

あの日、母さんは、旅館の人から、頼み事をされたという。
旅館の女将さんが借金をして、困っているという。
一人当たり500万ずつ、支えないか、協力して欲しい・・・ということだった。
お母さんは、500万なら働けばなんとかなるかなって、応じたという。

一枚の手形に、みんなで名前を書いていくよ、という。
みんなが名前を書いた後、お母さんの番になった。

そうして、一番最後に書かされたお母さんが、
4000万円の借金を背負わされたのだった。

「だまされちゃった。c(///=v=///)えへへ・・・。」

だから、母さんは馬車馬のように働き出して、保育所のお迎えの全てを、ぼくに任せた上で、宗教の宣教師や、お稽古や、何もかもぼくの時間を、誰か大人といるようにして、働きづくめになっていた。
それでも、毒をもられやすいぼくのために、手作り弁当も作ってくれて、残業のときは温めて食べれるものを作っておいてくれて、オーブンレンジも用意してくれた。ぼくは、弟妹の面倒を見ながら、21時に寝かしつけていた。

黒服の人らが、ぼくを殺すために、5人が家に土足で上がり込んできたり、おじいちゃんちに隠れていたら、そこも5人が土足で乗り込んでこられて、おじいちゃんおばあちゃんの命さえも危険に晒して、何もかも、毎日がめちゃくちゃだった。

でも、ぼくらが子供が、大変だった時、お父さんお母さんたちも、大変だったんだ。

お金の迷惑を極端に嫌う、お父さんが、お母さんを迷惑がるには十分だった。

だまされたお母さんが悪い件なの?

お母さんの借金を返済しようと、母方のおばあちゃんが、僕らが住んでる家を、不動産に売りに出す。その結果、差し押さえの赤紙を貼りにきた大人が、土足で家の中を踏み鳴らす。
お金の問題は、親戚を巻き込んで、揉めにもめた。お母さんが嫁ぐ前に買った家は、半分はおじいちゃんが出していたから、簡単には売られなかったけど。周りは、お母さんがいいとこの子だから、お金をふんだくるつもりで、かかってきた。お父さんの名声に、一日15人の来客が、甘い汁を吸おうと、優しくしてもらおうと、お父さんを手に入れようと、勤務中であるはずなのに、自宅へ押し寄せて、たかってきた。

ぼくは、お母さんの笑顔を損ねる、お父さんのことを、助けて欲しい時に助けてくれないお父さんのことを、恨んでいた。でも、お父さんは強くて、ぼくにいろんなことを指導してくれる。ぼくが、お父さんに甘えれたとして、お父さんが誰に甘えれるのだろうか?お父さんのおじいちゃんか?いや、違う。助けがないのではないのか?お父さんは、たった一人で戦っているのか?

幼馴染のお父さんはいう。「こんな目に遭っていれば、こんな人間のクズばかりに囲まれていては、人間不信になってしまう!人を信じる心が、枯れてしまう!」

ぼくは、平気だったけど・・・父さんは?
だって、殺しにくる殺意のある奴と、殺しにきたけど悲しい匂いの人の見分けはついた。お父さんへの来客は、99%が名声へのたかりで、良い人はまれに1人だった。

ならば、ぼくが、お母さんの笑顔だけじゃなくて、
お父さんの帰り路だけでも、守ってあげよう!

でもね、お父さん。
ぼくががんばるより、お父さんのくだらない話のほうが、お母さんは笑うんだよ。

ぼくが、がんばって、二人を支えて、どれだけ一緒にいられるだろうか。
これは、きっと長く持たない。
でも、たとえ二人が、離れることがあっても、その日まで、ぼくは勝手に、ぼくの願いのためだけに、一緒にいたいから、がんばり続ける。


お父さんと、お母さんは、次第にすれ違いだし、目が合わなくなり、会話がなくなり、優しく愛情いっぱいだった二人は、性格が変質して、その果てに別れて、お父さんは出て行った。

C(OxO。)お母さん、ごめんね。
今思い出しても、あれは運命の分岐点だった。
お母さんの話を聞きながら、ぼくは泣き崩れた。

もっと、うまく説明できていたら。
ぼくが、お母さんを助けれていたら、
4000万の借金を背負わなくて済んだかもしれない。
お母さんが、馬車馬のように働くことも、弟妹が寂しがることもなかったのでは。
お父さんと、お母さんが、無言のケンカをしなくても済んだのでは。
お父さんが、家を出ていくこともなかったのでは。
何より、優しかった二人を、こんなにしてしまったのは、自分ではないのか。

c(>x<。)涙が止まらなかった。

ごめん、お母さん、あの時、助けれなくて。
本当にごめんなさい。
やっぱり、自分は大変なことをしてしまっていた。
胸が張り詰めた。
涙が止まらない。

自分は、未来がわかっていたのに、助けれなかった。
母さんが仕事をやめてくれたのは、
もう、おとしいれられた後だった。
遅かったんだ。

「バカね、お前のせいじゃないわ。お母さんがちょっと、だまされちゃっただけよ。」
「ちょっと、て・・・」

ぼくは、おじいちゃんを尋ねる。
おじいちゃんは「大丈夫か?苦しいか、未来のことがわかるのは。」
「今回は、ダメだったよ。次こそは、お母さんを助ける。」
「あまり無理をするなよ。」

「おじいちゃん、あのね、お母さんの声がするんだ。『助けて、お願いよ、帰ってきて!』どこかの世界のお母さんが、泣いてる声が、助けを求める声が聞こえるんだ。心に届くんだ。気持ちが伝わってくる。多分、まだ先の話だよ。妹が、車椅子になるのも、まだ先だよ。おじいちゃん、教えて欲しい。今のぼくのままでは、立ち向かえない。手っ取り早く、経験値を稼ぐ方法を教えて欲しい。」

おじいちゃん「どうして、私に聞く?」

ぼく「おじいちゃんは、いろんな人に慕われて、このまちで一番尊いかもしれない。おばあちゃんのナイトであり、市杵島姫神の神官だ。50年先の7世孫孫を1万人助けようとしてる。たとえ、それが自分が亡くなった後の世界の、災害だとしても。報われなくても、人を助けようとしてる、おじいちゃんだから、聞くんだ。だから、教えて欲しいんだ。」

おじいちゃん「・・・。150km以上離れたところへ、奉公に出なさい。進学して、就職でもいい。土地の加護を離れて、自分の力で、生活してみなさい。今なら、親の支援も得られるから、出向くのは楽なはずだ。親の干渉のないところで、生活のすべて修行だと思って、日々のことをこなしていく上で、研鑽を積みなさい。期間は5年。5年以上はしなくてもいい。帰郷の一時帰還はしてもいい。住まいを遠くにするんだ。仕事は、一番下から、上へと全ての役職を経験して、働くとは何か、下働きから、上に立つものまでの、全てを学んできなさい。そうすることで、お前は、望みの力を得られるだろう。」

ぼく「おじいちゃん、ありがとう。進学するよ。お父さんは、進学の支援はしないと、ぼくが5歳の時に言っていた。そんなこともあろうかと、成績は用意してあるよ。高校二年で、体育以外をオール5にできる準備は整っている。推薦での進学で、学費は、新聞奨学生で行けないか、確認をとってみる。」

おじいちゃん「お前は孫の中で、一番、おじいちゃんによく似てるよ。はじめから、人を助ける者だ。」

ぼく「おじいちゃん、いつも陰ながら指導してくれてありがとう。ぼくは、おじいちゃんみたいに、手を出さないで見守る、ということが、今だにできないよ。やっぱり、心が枯れそうになってるのみると、助けに入ってしまう。それが、他人を助けて、自分の命の裁量を推し量れていないから、気をつけるようにと、師範からは、再三、タコ耳の如く、よく言われていた。妹のことだって、護衛の人が、いつか車椅子になる妹のために、今から賢者の石が欲しいのかって。泣いてるお母さんじゃなくて、笑顔のお母さんに会いに行ってやれよって言われたんだ。・・・でもさ、未来のお母さんは泣いてたっていい、笑ってたっていいと思うんだ。笑ってない世界のお母さんの存在を、殺したり、見捨てるのは、ぼくにはできないんだ。ぼくはね、見えてる7つの未来を束ねて、一つの世界にして、その向こうにいる、泣いたり笑っているお母さんを助けにいくよ。」

おじいちゃん「お前はいつ帰ってくる?いいのか、守られたる里を出れば、確実にお前は殺される。わかっているのか?絶望の淵に立たされるんだぞ。それは、未来のお母さんや、未来の妹を助けることのために、お前の命は、どうでもいいことなのか?」

ぼく「どうでもいいことはないよ。やっぱり、少し怖いよ。ぼくの苦手な方角から、殺しにきて、絶望の果てに殺されるっていうんだから。こんなの、未来を前もって聞かされて知っていても、先のお母さんの時みたいに、回避することも、未来を変えることも、無理な時もあるし。なるように、なるしかないさ。おじいちゃん、ぼくはね。殺されるぐらいでは、5年の修練の途中で投げ出すことはないと思うよ。きっと、お母さんが帰郷して欲しがるから、何度も帰るだろうけどさ。」

おじいちゃん「お前の決めることだ。おじいちゃんは、おすすめできないことは、しない。でも、君、死にたもうことなかれ。」

ぼく「おじいちゃん、死んだら、誰かに、生き返らしてもらうよ。それは、約束するよ。みんなが願っているからね。耐えれるように、キリストのように復活できるように、稽古で叩き込まれている。そうして、修行をへて、お母さんの声が聞こえたら、ぼくはその時は、何もかも、捨てて、帰還するよ。お母さんを助けに、帰ってくる。お母さんのピンチが先なのか、妹のピンチが先なのか、同時なのか、ちょっと、今からでは不確定要素なんだけどさ。妹の方は、助けを呼ぶのが申し訳ないって声が小さいから、ちょっとわかりにくいんだ。ただ、ぼくを呼んでいる妹の心が伝わってくる。お母さんの声は、はっきりしてる、かな。」

おじいちゃん「しんどくないのか、先のことまで、そんなに準備して」

ぼく「ぼくの未来への準備は、たかだか10年20年ぐらいの範囲に過ぎないと思うよ。おじいちゃんの、50年後の準備に比べれば、かわいいもんだと思うよ。」

おじいちゃん「おじいちゃんはね、先々代に憧れて、尊敬する、お世話になった、その人のようになりたいって思って、今があるんだ。」

ぼく「ぼくは、おじいちゃんに憧れて、尊敬して、そのようになりたいと思っているよ。ただ、おじいちゃんみたいに、神の御前に、神の御用に呼ばれてもいつでも出れる、一流の待機状態は、庶民のぼくには、ちょっと用意できてないけどね。」

おじいちゃん「あの日、先々代が降りてきた。」

ぼく「そうだね。三世代になったね!あの人、すごかったね。時を渡ってくるなんて。あの人にとって、未来のおじいちゃんを助けるために降りてきて、過去の世界で、あの人はおじいちゃんに託したんでしょう?」

おじいちゃん「おじいちゃんが生きてる間に、出会うよ。その子は、能力に振り回されて、困っているから、ちょっと助けてやってくれ。お前が出会うよ、て笑って先々代はみんなを助けて、亡くなったんだ。お前のことだったんだな。」

ぼく「だって、おじいちゃん、遺言書を書くたんびに、未来を思って、すぐ涙ぐむんだもん。」

おじいちゃん「お前に、遺言書の内容を話すと、その場で解決されて、書くことがなくなっていくんだよなあ・・・。」

ぼく「ぼくは、お父さんや、お母さんだけじゃなくて、自分より強い人を支えるのが、趣味なんで!そして、自分より弱いものに、守ってもらうんで!いつの間にか、自分の周りが、日本一クラスに強くなってるけど・・・。」

おじいちゃん「お前は、おじいちゃんが1万人の7世孫孫を救おうとした時に、産まれてきた。おじいちゃんは、地元の未来の1万人を救う。でも、きっと、お前は『家族だけ救う』と言いながら、家族が住める『世界ごと救う』だろう。


おじいちゃん、あのね。お元気ですか?
ぼくね、おじいちゃんに似た人に出会ったんだ。
『世界のすべての人を救う』そんな、途方もない願いを持つ人に出会ったよ。
陛下以外にも、いるんだね、そんな人が。
ぼくね、その人の『正義の味方』を引き継ぐこと、約束しちゃった。
それでね、『遊び』だよって、いうのに付き合ってたんだ。
なんか、その人の元で、たくさんの修行をしたよ。
ぼくね、日本一で、もう十分だと思っていたんだ。
『日本』に小さく収まっているぼくに、英雄さんが『世界』を教えてくれたんだよ。
おじいちゃん、『ぼくが世界ごと救う』というのは、
『英雄さんとの出会い』のことを言っていたの?

あれからね、『助けて!お願いよ、帰ってきて』てお母さんが泣きながら、電話かけてきたんだ。ぼくは帰郷したよ。妹が、若くして倒れたんだ。太陽がダメになって免疫が弱りめずらくて治ることのない不治の病の、難病を発病したよ。それからね、治療の甲斐もなく、治療のために使った抗がん剤の副作用で、合併症で、生きたまま股関節の骨が腐ってしまって、手術して、妹は車椅子になったよ。

治療と称した薬漬けにより、味覚は奪われて、パティシエを断念。車椅子になって、歩けなくなって、剣道大将も、有段試験も断念したよ。

妹が、人生に絶望するには十分だった。

あのね、妹は、何度もいなくなって、自殺に行ったよ。ぼくはね、子供の時に、妹を救いにほぼすべて行ったように、再び、妹の声なき救いを求めつつも自殺にいくすべての時間に降り立ったよ。ぼくね、医大でも、地元の病院でも『エンジェル』て呼ばれていたんだよ。

「私たちはもう助からない、でもあの子はまだ若い。だから、エンジェル、私たちの人生の分までも、あの子を救ってほしい」たくさんの願いを受けて、ぼくは妹を助けに行く。ぼくはね、周りにがいうにはね、妹が自殺しようとした、5秒前にいつも、必ず、現れるんだって。おそ過ぎず、早過ぎず、そして、説教もしない、ただ、死ぬのをあきらめるのを待ち続ける。

何もかも説明を求めて、主治医と喧嘩して、退院をのばされる妹に言ったんだ。「帰っておいで。ぼくが生活を支えるから。ここから、出れる方法を考えよう?」長い時間を経て、妹は実家に帰れた。

ぼくはね、今だけしか一緒にいられないのを知っていたんだ。未来に、ぼくは家族全員に裏切られて、失意のうちに去る。だから、先んじて、ぼくの持っているもの、すべて授けようとした。

『愛してるよ。ぼくの膝に座って大きくなった妹。ごめんね、車椅子の未来は変えられなかった。ぼくが5歳の時、毒をもられて、生活以外の記憶を無くして、困っていた時に、妹はたくさんの記憶を授けてくれた。今度は、ぼくが助けてあげるね。』

ぼくの留守に寂しくないように、ゲームのプレイビデオを渡して、同じ世界を見れるようにしたり。それから、かつて妹へお菓子作りを授けたように、妹へ新たに家庭料理を授けたんだ。一緒に作って、それから、一人で作れるようにした。いつでも、嫁げるようにね。

お菓子作りも、レシピ通りにすることで、味覚に頼らないで作れるようにした。今では、体調が良ければ、家庭料理を楽しんでいると聞くよ。ケーキ作りも復活して、記念日に作りまくりだと聞いてる。

最近では、機械が苦手なお前が、新型スマホに奮闘してるんだって?そばで手伝えないのが、残念だよ。『助けようか?』『施しは結構!』きっと、お前は、自力でやりたくて、突っぱねるだろう。時間だけが過ぎて、サポートセンターを質問攻めにして、暴れてるのかと思うと、少し笑えるんだ。

おじいちゃん、先々の未来を、前もって、教えておいてくれてありがとう。ぼくは、失敗は多い方だけど、やりたいことは、全部ほぼやれたと思うよ。

そのことに、悔いはない。いつだって、覚悟の上で望んだ。きっと、他の人任せにしていたら、絶望に飲まれた家族は、寿命が枯れて、みんな死んでいただろう。

おじいちゃん、ありがとう。変なかたちの、家族関係になってはいるけど。
「今回は、お母さんのことを助けに行けたよ」「妹のことは、助け尽くしたよ」「お父さんのこと、心が弱った全てに寄り添って支えたよ」

成功したとも言えないし、それで幸せなのかというと、何してたかわからないけどね。幼馴染にも、護衛にも、部下にも、ぼくは「未来に生きている」と言われたよ。それが、いいことか、悪いことなのか、よくわからないけど。それでよかったと思っているよ。他に、これ以上の生き方なんて、わからないし。

おじいちゃん、ぼくの人生はなんとか続いてます。
次は、おじいちゃんの50年計画の成就を見届けるよ。3代目として、見守る必要はないと、聞いてるから、あくまで、自分のことをしながらに、控えるつもりだよ。

予定では、2025年に、地元に津波が到達するんだったね。ぼくは、あと4年のうちに、できる限りの布石を打ち込むよ。おじいちゃんの防災都市を守っていた、おじいちゃんの親友はもう亡くなった。おっちゃんも、いつまで生きていてくれるかわからない。だから、ぼくは、おじいちゃんの防災都市を見守るよ。あそこには、ぼくの丘の家に遊びにきていた、子供たちが住んでいるからね。

津波で、今の図書館1がなくなることを想定に、次の図書館2をつくろうと思うよ。その中で、この街の子供たちが育つ環境を整えていこうと思う。

どうか、おじいちゃん、見守っていてください。

🕒2021/07/10(土)6:14

💚おつかれさまでした

(OHO)おしまいっ!

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