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【詩】Paysage printanier doux 優しい春の景色

image/Ametsuchikotonoha


ある日
こんな光景が見えた

私は看護師さんで
私に手当をしてもらおうと
動物たちが長蛇の列を作っているのだ

PETAのレスキュー隊の人ではなく
人間用の看護師の免許を持っている私のところへ
動物たちが来た

ヒヨコたちが助けてと私に言う
孵化場で怪我をして皆で逃げて来たようだ

その後ろには
生まれてあまりたってないくらいの小さな子豚たちがいる
助けてと私に言う
麻酔無しで手術をされて逃げて来たようだ

その後ろには採卵鶏の雌たちがいた
彼女達は怪我をしていた
バタリーケージに戻りたくないと言っていた

その後ろには牛たち
みんな子牛を取られる前に母子で逃げて来たようだ

その後ろには
羽毟りから逃げて来たガチョウたちと
強制給餌から逃げて来たガチョウたち
その後ろには重たそうな体のブロイラーの雛たち
その後ろには真っ白なウサギたち
延々と果てしなく動物たちの列は続いていた

神は動物に邪心を入れずに
彼等をお作りになった

神は大方の動物に素直で穏やかな性格をお授けになった

人間の友となるように
人間の敵とならないように

その無垢な性質を授けられた彼等は
人間の道具にされ人間の餌にされてしまった

純真な天使たちをこの世界に放ったが
人間たちが片っ端から彼等を捕まえて
暴力をふるい、殺し、持ち物を強奪した

神は動物に邪心を入れずに
彼等をお作りになった

神は大方の動物に素直で穏やかな性格をお授けになった

人間の友となるように
人間の敵とならないように

しかし、人間は弱いものいじめが大好きだった

ある日
こんな光景が見えた

私は看護師さんで
私に手当をしてもらおうと
動物たちが長蛇の列を作っているのだ

皆早く手当をして貰いたいだろうに

欲深い人間たちみたいに先を争う事もせず
動物たちは大人しく順番を待っているのだった

延々と果てしなく
向こうの丘まで
動物たちの列は続いていた

ある春の穏やかな昼の景色だった



(2024/03/27第一稿)