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外国のコインをもらったことは🪙ありますか?

              (約1,300字)

妹と「中年の女性」について話した。

妹は先月までマスコミ関係の会社で働いていたが、実家に戻ることになり、退職した。

引き継いだ女性が、妹より一回りくらい年上の事務員だったそうで。

「すごい体型はスリムなんだけど、肌が見えるところがシワっぽいっていうかね、色っぽく見せようとしてないんだけど、ちょっとそれは見たくない、っていうか、分かる?
スカートが短いんだよー。ストッキングは薄く透ける感じの、後ろ姿がお婆さんぽくて。
でも、すごいイイ人なんだよ、綺麗だし。
残念なんだよねー」

妹が言いたいことが、すごく分かるのだ。

女性は、時間が止まってしまう人がいる。

多分、昔からスタイルが良くて、周りから褒められてきた人生だったんだと思う。

久しぶりにバッタリ会ってしまったときの、頑張って絞り出す精一杯の、変わらないですね、っていう社交辞令が通じない。


テレビ番組で『あの人は今』を観るのが嫌いだ。何十年も前に一世を風靡した芸能人が、旬の芸能人から「変わらない、不思議。昔のまま。何でそんな美貌が保てるんですか」
と無理やり言わされているのも。 

すごい変わったし。
数日前にプラセンタ入れました?くらいに
不自然だし。

私は小さい頃から、人並みで目立たないように、をテーマに生きてきたから、同じような地味な服ばかり着ていると、花柄とか、甘めの洋服を勧められた。

でも、
「絶対似合う」の言葉には踊らされない。

その人の似合うイメージが、自分の居心地の良い服ではないからだ。以前、ピンクハウスのハンカチをいただいて、ゾッとしたことがある。

そういうフリルや、リボンや、レースなどが好みだった人かもしれないが、こちらにもポテンシャルというものがある。

「三つ子の魂百まで」

幼い頃の性格や性質は、年を取っても変わらない、というもの。

私はおばあちゃん子で、
夏には祖母の作るとうもろこし🌽やトマト🍅が何よりもご馳走で、社会人になって始めた趣味は「水墨画」だった。

ピンクハウスも、シャネルも、ベンツも、ロレックスも、まったく興味がない。

時が止まってしまうことが悪いのではない。

止めてしまおう、という努力もいい。

ただ、その短いスカートからのぞく不恰好になった足に気付けないコミュニティを何とかした方がいいと嘆く。

「もう膝上スカートは、卒業すれば?」
とか、
「首まわりとか、手に、年が出ちゃうよね」
とか、
軽口がたたける友達とか知人がいてほしい。

2年位前に、当時は仲がよかった友達から、誕生日プレゼントをもらった。
おまけ、と書かれた開閉できる小さなビニール袋に、外国の小銭が入っていた。

私は、その国に行きたいと言ったこともないし、行く予定もなかった。

外国のコインは、捨てられない。

神社にお賽銭として投げ入れることもはばかられる。

彼女には必要のないゴミを、誕生日プレゼントと一緒に処分したかったのだと思った。
誕生日のお祝いなんだから、コレも貰ってよ、って押しつけられた気がした。

彼女には、多分、もう会わない。

10年後くらいに、
薄いストッキングを履いて
「元気〜?」と言って
街を闊歩していそうだから。



《お詫び》
初めましてのnoterさんが色々な記事を読んでくださってうれしいのですが、2記事づつを読みきれません。必ず伺いますので、懲りずにお立ち寄りください🙇‍♀️





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