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世界はいま一人ひとりの勇気を必要としている――千葉ウシノヒロバ、プレオープンに寄せて

みなさん、こんにちは。牛ラボマガジン編集部の山本です。
これまで少しずつ育ててきた千葉ウシノヒロバが、10月31日についにプレオープンを迎えました。不安もたくさんありましたが、初日からたいへん多くのお客さまにご来場いただき、スタッフ一同感謝の気持ちでいっぱいです。

今日は、プレオープンを迎えたウシノヒロバ、その施設にぼくが込めた願いや、期待していることをお話したいと思います。

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千葉ウシノヒロバのコンセプト

千葉ウシノヒロバは、株式会社千葉牧場という会社が運営しています。そして、その千葉牧場は、クリエイティブカンパニーChicabiの子会社です。ぼくはそのChicabiのエグゼクティブディレクターを務めています。
Chicabiのミッションは「チャレンジで社会の価値を更新する」です。社会には、勇気あるチャレンジが必要だと思っているのです。
だからもちろん、千葉牧場にもウシノヒロバにも、そのDNAは受け継がれています。

ぼくはウシノヒロバ全体のコンセプトの整理を担当していますが、ウシノヒロバのコンセプトの一つに、「現実から逃れるための場所ではなく、一人ひとりの生活が少しでも前に進むような場所」というものがあります。

現実から逃れるために行く現実離れしたユートピアのような場所も、世の中にはたくさんあります。そういう場所も、夢があってとても素晴らしいと思います。ぼくもときどき行きたくなります。
ですが、ぼくはそういう場所に対していつも思うことがあります。それは、帰り道がさみしいということです。現実離れしているからこそ楽しかった。夢のような時間だった。でも、それは終わってしまう。夢は必ず醒めてしまう。今日が終わらなければいいのに。帰り道がさみしい。
でも、1日の終わりがさみしいのは、なんだかあんまりよくない気がするのです。だからウシノヒロバは、帰り道に「明日はもっといい日にしよう」と思えるような場所にしたいと、当初から思っていました。

ではどうすれば、「明日はもっといい日にしよう」と思える場所になるのか。悩んだ結果ぼくたちはそれを、「勇気づけられる出会いやきっかけがある」と定義しました。
ウシノヒロバに来て人のやさしさに触れること、穏やかな空気を吸うこと、人間ではない大きないのちを目の当たりにすること、社会にはいろんな人がいると知ること。そういったさまざまな出来事を通じて、ここに訪れる一人ひとりの勇気のきっかけを作ることができたらと思ったのです。

勇気とは、チャレンジしてみることです。チャレンジと言っても、大きな目標に向かえと言っているわけではありません。
好きなものに正直に好きと言うこと、ダメなものはダメと叱ること、やりたいことはやりたいと言うこと、恥ずかしがらずに夢を語ること、いつもとはちょっと違う道を歩いてみること、欲しかったものを買ってみること、悩みを友人に打ち明けること、手を挙げて質問をしてみること。どんなことでも、それぞれに勇気が必要だと思います。

いま世界には勇気が足りない

これは単なるぼくの個人的な思いですが、いま世界には勇気が足りないと思っています。なんとなく良くないと思っていても、見て見ぬふりをしたり。やりたいことや欲しいものがあっても、失敗をおそれて我慢したり。言いたいことや思うことがあっても、空気を読んで黙り込んだり。
なんだか、日々の暮らしの中にまで、「リスクヘッジ」や「費用対効果」のような、効率を求める言葉が浸透してしまっている気がします。そしてその結果、なんとなく閉塞感の漂う時代になってしまっているように思うのです。

日々のニュースを目にする中で、世界が良くない状況にあることは、多くの人が感じていることだと思います。温暖化が進んだり、不景気が続いていたり、プラスチックごみの問題があったり、原発が物議を醸していたり、政治では保守派と革新派のバランスが崩れていたり、絶えず戦争が続いている国があったり。
でも、それを全員が見て見ぬふりをしてしまったら、世界は変わりません。所詮一人ひとりのちからには限界がありますが、それでも一人ひとりが世界を見つめなければ何も起こりません。そしてそのためには、一人ひとりが少しずつでいいから勇気を持つ必要があります。世界はいま、一人ひとりの勇気を必要としていると思うのです。
ぼくたちは、現実から逃れるのではなく、現実を前に進めなければいけません。ウシノヒロバはそのためにできました。

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一人ひとりの生活が前に進む場所を目指して

ただ、勇気を出してチャレンジしてみても、失敗することがあるかもしれません。でも、それは賞賛されるべきことです。もしその失敗を責めるような人がいたら、その人の方がおかしい。もしその失敗のせいで社会的に立ち直れなくなるのであれば、社会の方がおかしい。
Chicabiや千葉牧場、そしてウシノヒロバは、人々のチャレンジを応援します。人々の勇気を大小問わず全力で肯定します。
ウシノヒロバは、牛と人と自然が穏やかに交差し、勇気のきっかけが生まれ、ここに訪れた人がなんとなく前向きな気持ちになって帰路につく、そんな場所を目指しています。

と、ここまでいろいろと言ってきましたが、小難しいことは考えずに、とりあえず気楽に来ていただければ大丈夫です。ただキャンプが好きだから、ただ千葉が好きだから、散歩中にたまたま見つけて、近くでコスモスが咲いていると聞いて、広い空が見たくなって。ウシノヒロバに来る理由は、そういったもので十分です。
そうやって、いろんな人が来てくれたら、いろんな人が集まる場所になります。いろんな人が集まれば、きっと何かいいことが起こるはずです。

スタッフ一同、みなさんのご来場を、こころからお待ちしております。

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(執筆・編集:山本文弥)