「キャリアパスなんてわからん!」からの脱出なるか? チームでキャリアに向き合う施策スタート。
キャリアパスが見えず不安だ。ここで言語化すらしたくない何かを恐れ、未来と向き合うことを避けてきた。でもずっと今のままでいられるわけない…。やれやれ。まずは仲間を探し、何かが変わることを期待してみよう――これは知識ゼロからプロティアン・キャリアの考えを支えにして、いつの日か「未来のキャリアに自信を持ち続けられる自分になる」ことを目指すお話です。
この動画、煽ってくる感じがヤダw!でも考え方はわかる…、キャリア形成って言葉なんか怖い、などなど愚痴ったり、笑いながらキャリアについて学ぶ動画を見て、ディスカッションする勉強会を最近部内でやっています。
前回の記事から時間が空きましたが、数カ月前からチームでキャリアに向き合う「チムキャリ」の施策を部内でスタート。今でもキャリアについて向き合うのは気が重いというコメントもあるものの、始めた当初よりみんなのニガテ感は安らいできた印象です^^
これまでやったこと、これからやること
参加メンバーの反応を見ながら臨機応変にメニューを変えながらやっているので変わるかもしれません。それでは、やったことを詳しく書いていきます。
① 部内でキャリアについてヒアリング
まずはキャリアについての「もやもや」を聞いてみる。
質問した内容
現状の確認や問題の洗い出し、今後の施策検討にあたって仮説を確かめる質問を10問程度用意。一緒にこの取り組みをしてるKokonutさんとお話を伺う。
ヒアリングの効果
ヒアリングはとても盛り上がり、キャリアに向き合ういい機会になりました。話し手にとってキャリアについてだけ集中して話すめったにない機会になったようです。
ヒアリングはリサーチが目的だったのですが、キャリアの話は人生に関わる話なので、何年も一緒に仕事しているのに深く聞いたことがない話ばかり聞けたりして。お互いに、楽しい、面白いという感想がたびたびでました。
あまりに面白いので、今後ヒアリングシート集をメンバー全員で眺めて気付きを共有し、キャリアパス検討の参考にしたり、相互理解を深めていくワークショップを企画したいと思いました。
② ヒアリング振り返り。課題やニーズをまとめる
ヒアリングで見えた問題
全員分のヒアリングのコメントを集約するとこんな感じです。
組織中心、昇進ベースのキャリア観はそぐわない
メンバーが40代専門職が多いからか、専門性を活かした業務を続けたかったり、生活のなかでも大事なことがたくさんある方ばかり。ヒアリングをとおして組織内での昇進をベースにしたキャリアパスの考え方がメンバーにはそぐわないことがわかりました。
やはりライフステージなど予期せぬ変化に対応できる、従来の会社組織を舳にしたキャリアパスとは異なる考え方が必要そうです。
ちなみに上司(部長)もこのキャリアに向き合う施策「チムキャリ」の参加者。人生のスパンでキャリアを考えれば、役職があったとしても変化に対応する準備をしておくことはリスク軽減に繋がるのだと思います。
③ このキャリア不安を乗り切るための方針を考える
理想は、未来のキャリアに自信を持ち続けられること
ヒアリングで見えたキャリアに関わる不安感、もやもやを解消するために、まずは理想の姿をKokonutさんと設定してみました。
・やるべきことがわかり、未来に自信を持てている
・変化する未来の泳ぎ方がわかる
今年2023年は、メンバーが自身のキャリアへの理解を深め、モチベーションを高めるためのしくみを試行することを目指すことにしました。
考え方の軸を「プロティアンキャリア」にする
理想のキャリアを実現する方法についてKokonutさんとリサーチして「プロティアン・キャリア」の考え方を軸にするとよさそうという結論に。キャリアを「社会の変化に応じて、自分の意思で自由に姿を変え、形成していく」という考え方だとか。ワレワレにぴったり?
ヒアリングでは「計画的偶発性理論」について、納得感がある、自分もそんな感じ、合っているといった意見が多数。そしてプロティアンキャリアは、「計画的・・・」をより実践的に進めるものに見えます。情報も多く、参考にして進めやすそうです。
④ キャリアに向き合ってみる取り組み、参加のお誘い
キャリアは自分の人生のことだから、この施策は自由参加。共感してもらえるように考えをまとめた簡単な資料も作りました。こちらです。
幸い共感してもらえ、部のメンバーは全員が参加してくれることになりました。
⑤ プロティアン・キャリアの勉強会 【★いまここ】
まずは、みんなでプロティアン・キャリアについて知ることからスタート。理想の「未来のキャリアに自信を持ち続けられる」状態になるためには、キャリアについて考える機会が単発ではなく、継続することがきっと大事。習慣化するところまでいったら最高でしょう。
ムリなく継続できるよう、1~2週に1回のペースで25分の短時間、プロティアン・キャリアの勉強会を繰り返し開催しています。
YouTubeの動画を見て、ディスカッション。初回はこの記事の冒頭のような困惑の反応がw。予想外でKokonutさんと2人でびっくり。少々スパルタ感がある動画だったからでしょうか。確かに当社(サイボウズ)ではあまりないスタイル。方針を考え直そうかな…と迷いましたが、考え方には共感してくれていて、2回目、3回目と続けるうちに受け入れてもらえた印象(かな?)。
勉強会の進め方は、全員の「参加感」を高めやすいワークショップ型
勉強会はこんな進め方です。オンライン会議でやっています。
このワークショップ形のよいところは、全員が自分の考えを共有したり、他の方から刺激を受ける機会を作りやすいことです。
Kokonutさんと私がファシリテーターとして入っていますが参加者でもあります。自律的にキャリアを考える活動することがポイントなので、今後は他の参加者にも企画やファシリテーターをやってもらえるようにしたいです。
これまでチームで一緒に見た動画
youtubeの明光キャリアアカデミーチャンネルさんの動画ばかり。他にもいい動画がたくさんあります。
動画ではなく、プロティアンキャリア診断シートをやる時も。
夏休み期間でも参加しやすいように同じテーマで2回開催したのですが、わざわざ2回とも参加してくれる人が多かったりして(嬉しい!)、参加者も楽しんでくれているのではないかと思います。部の全員がプロティアンキャリアの基礎を知っているというケースは珍しいかもしれませんね。
人事部門ではなく、自分たち主導でやる意義
こういったキャリア啓蒙施策は人事が進めてくれることが多いと思いますが、キャリアは自分の人生に関わることなので、自分たちでイニシアティブを持って取り組んでいくことが理想といいますか、本来は当然なのだと思います。人事は基本的に自組織について考えるのがミッションで、親身に支援はしてくれても、他人の人生に責任までは持てません。
この施策がうまくいって、より大きな視点でキャリアを捉えられるようになれば、他社で副業する方がもっと増えたり、ひょっとしたら辞めて転職する方もいることでしょう。
でも、この施策でキャリア資本が高まれば自社への貢献度も増すし、キャリアを成長させられる魅力的な環境になれば採用活動にもよい影響が生まれ、会社にとってもよい施策になる。活動を継続していくためにも、そんな理想も個人的には追求したいと考えています。
キャリアを振り返るのはなぜいやななんだろう
冒頭で言語化すらしたくないと書いたものの、あえて向き合ってみます。だんだんわかってきた気がして。
ここまでの人生の通知表と向き合うようなものだからかもしれません。
それなりに苦労したわりにどうせそんなにいい評価ではないだろうから、見ない方が気楽。現状に大きな不満があるわけではないけど、他のうまくいってる人と比べて残念だったり、羨む気持ちになったこともあるし、そんな自分の感情も嫌だった。そういう理由ではないか。
でも、いつか転職やリストラとか、望もうと望まなくても転機が来て、そのときには通知表を出すことになりそう。
その時に、あー、もうちょっといい成績とっておけばよかったとおもったり、それどころか通知表を出す先すら見つけにくいかもしれない。
そうなって食いっぱぐれるリスクがあるくらいなら、今からでも向き合ったほうがいいのでしょう。どうせやるなら楽しく。誰かと比べるのではなく、自分にとっていい形を。そういうことかな。書いたら少し楽になりました。
次回はキャリア資本(スキルや人の繋がり)を高める施策のアイデア出し?
今月はキャリアの現状把握と目標設定のワークをやる予定です。キャリアの素人がゼロからなにをやるかを考えるのは難しいはずですが、プロティアン・キャリアという考え方や、田中研之輔先生の書籍「キャリア・ワークアウト」や動画のおかげでやるべきことが見え、あまり苦労していません。
田中研之輔先生の動画を見ると切実さ、本気さが伝わってきます。豊かな人生を送ってほしいという優しさからの厳しさでしょうか。私としてはそこにサイボウズ的な「わくわく」「面白がる」の要素も重視して、アイデアを出しあって今のワレワレにあった「キャリア資本」を高める企画、施策にしていきたい。楽しみ!
また、進展があったら書いてみます。