その1

特別何かがあったわけではないのだけど。
ふと思い立って何かをはじめようとする。

むしろ、これから仕事がひとつ目の山を登ろうとしている。
のちのちこれを見た私は
 「なにゆえこの時期に。夜な夜な書きものをしているの。仕事してなさい」
とか言いそう。

ふと思い立ったものは、
「この雑な文章力を治したい」ということ。
そして、さっさと文章を書いて帰りたいのだ。

普段はエンジニアの私。エンジニアと言ってもIT関連ではなくメカ。機械系。
理系の中でも、ゴリゴリの物理。機械・電気・流体などの力学を扱う身で、数式や絵を描いてきた。
モデリングや図面引き、計算・検証して、商品を形作るのが私の仕事だ。

どう話したら分からなくても、数式とピラミッドの壁に描かれているような絵と、身振り手振り、そして察してもらう能力で社会人を切り抜けてきた。
これで工場(こうば)のおっちゃんたちや、取引先の方々とも、なんか、こう、ヨイショーっ!とできてきたのだ(たぶん)。

ところが、無事に次のキャリアになってしまって、コミュニケーションの機会が増えてしまった。コミュ障の身としては迷惑な話である。
いくらゴリゴリ理系の機械エンジニアと言っても、より様々な方々とコミュニケーションは取っていくことになる。音声で。メールで。プレゼンテーションで。

そんなことで、自分の文章力に自信のない私は、その日のうちに書きものの練習をしてみるのだ。

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