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2024

あけましておめでとうございます。
昨年の年始、SNS更新を活発にするためにnoteの更新継続を行なっていましたが、毎日更新していた無理が祟って結局は2月中に頓挫してしまい、そのまま年越しまで一度も更新ができませんでした。

当時はダンサーとして人前に露出できる機会がほとんどなく、練習と勉強に明け暮れる日々を過ごしていました。
そのため、少しでも自分の日頃考えていることをアピールして人の目に留まれるようになりたい、という一心でnoteの更新をしていたのです。

今は状況がだいぶ変わり、とてもありがたいことに下半期から平均月3程度の頻度で人前でパフォーマンスができるようになってきました。
ダンサーとしての出演だけでなく、演出や企画などの頭脳・事務労働をする機会もいただけています。

そこで、当時とは違ってアーティストとしての表立った活動が増えてきた今の状況ならば、単なる下積みダンサーの日記ではなく、少しは公共性や社会的意義をまとった文章が書けるんじゃないかと思ったんですね。
私のメインSNSであるInstagramでは書くにふさわしくない類の文章もありますので、オウンドメディアとしてこのnoteを2024年に再出発させてみようという考えでいます。

今回はそんなご挨拶のための記事ですが、せっかくなのでInstagramに載せた「2023年に最も影響を受けた本の紹介」の文章を以下に残してこの記事を締めようと思います。
段落構成ミスったために頭から読む気が失せる文章になってしまって、あんまり読んでもらえなかったので供養の意味を込めて…。笑

今年からも、よろしくお願いいたします。



これは2023年で最初に買って最初に通読した本です。
そして、2023年で最も影響を受けた本でもありました。

この本の著者である原研哉さんは、グラフィックデザイナー・アートディレクターンをしている方です。
現在はツーリズムや観光業の分野に深く携わっており、視点で日本の未だ見出されていない価値を発掘しようと試みられています。
書名にある「低空飛行」とは、そのような視点で原研哉さんが選び抜いた日本各地の名所が紹介されているWebサイトのタイトルであり、この本はそのWebサイトに記載された記事を加筆修正してまとめた本となっています。

製造業での経済発展が立ち行かなくなった日本が次に最重視すべき産業は「観光業」だ、と主張する原研哉さんが見据えている日本の風土や文化はあまりに奥が深く、自分の持っている日本の知識が赤子同然に思えるほどでした。
それほど大きな衝撃を受けながら、私の2023年は始まりました。


「明治維新以来、顧みてこなかったこの国の資源は、ユーラシアの端に列島をなす独創的な自然と、それを畏怖する感受性、そして千数百年ひとつの国であり続けたことによる圧倒的な文化の蓄積である。」
この一節はこの本の帯に抜粋されている、この本の内容を端的に表している文章です。


原研哉さんがこの本の中で語られている、「多くの人が気づいていない日本の観光業の可能性」や、「日本の文化や風土について日本人自身が無関心であることへの警鐘」からは、原研哉さん自身が心から日本を愛している姿が浮かび上がります。
歴史学や地理学・海洋学・民俗学といった、日本の風土を捉える上で欠かせない分野の学問はもちろん、観光学や社会環境学・比較文化学・国際社会学など、非常に多くの視点から日本の文化と風土と社会が語られていることに感嘆せざるを得ません。

一体どれだけ勉強すれば氏のような眺望で世界を見つめられるのか…?と、途方に暮れさえするのです。


この本からは本当に多くのことを教わりました。

「日本に生まれたことを誇りに持ちながら表現しなければならない」、という使命感を抱いたのもこの本のおかげだったし、「自分の作った作品を海外に輸出して、それを機にさまざまな国と文化交流がしたい」と思ったのもこの本のきっかけだし、「そのためにも、仕事を与えられるだけでなく、自ら仕事を作る出せるダンサーにならなければならない」と教えてくれたのもこの本でした。
そして何より、もっと日本のことを知りたいと思い、日本を今までよりももっと好きにさせてくれたのがこの本でした。

そんな恩師の一人である原研哉さんと仕事ができるようになりたい、というのは、30~40代に達成したい私の中期的目標の一つです。

2023年を振り返ってみて、それらの決意や目標には違わず、紆余曲折がありながらも正しい道を歩めていると感じます。
去年の私を引き継ぎ、私はまた新たな一年を始めます。
去年と同じように決して順風満帆ではなく、挫折や苦労・予期せぬ不運に見舞われることはあるだろうけれど、同じ志を持つ仲間や偉大な先輩方の力を借りて自分の使命を貫いていこうと思います。

新年の決意を込めて。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

「低空飛行」、気になった方はぜひ検索して覗いてみてください。

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