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廣川ちあき
2017年6月22日 01:04
たたんたたん、たたんたたん、と窓枠を指のはらで優しくたたく音が規則を外れてやがて消える対向列車の通過を待つあいだ黄色く濁った菜の花が泡立ちながら殖えて土手から頭の中まで覆いつくすかつて恋人にしたかった人の首すじをつつむ想像上の鱗をくちびるでいちまいいちまいはがす時折、喉の奥で声がくるしく詰まるのはうっかり身体の中に溜めてきた水に自らおぼれているからだと思いつくモーターの