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廣川ちあき
2018年11月14日 02:54
むせかえるほどにのぼせそうなほどに街灯にやたらまぶしく照らされた人波その流れをさかのぼって歩みを早めるこんなときくらいは強いシャチのひれでも欲しい人混みの中をすり抜ける耳は浮き立った会話たちのハイライトを拾う遠くの水音が通奏低音のように途切れずに近づいてくる雑踏から取り残された一角にほてった頬を冷ます風が吹いて見上げれば月の光を透かしてふわふわと揺れるハクモクレンはまだ終