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イモづる読書【その25】こてん!と眠れる電子書籍 ・・・赤川次郎『ボクのミステリ作法』〈実作編〉から筒井康隆『ヘル』特別付録ヘ

mohamed HassanによるPixabayからの画像

筒井康隆『ヘル』をどんなキッカケで手にしたか? 覚えていません。
装丁が横尾忠則であったから【アリエール】
七五調の作品だから【もっとアリエール】
この文庫には特別付録が付いているから【シランケド!】
もちろん、本文は本文として楽しめます。
当初の目的(七五調)と違って、タナボタ式で思わぬ文書(もんじょ)に出会う至福の時を得ることがあります。

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筒井康隆『ヘル』の特別付録が思わぬ文書でした。巻末に
〈対談〉筒井康隆×横尾忠則 〈極楽退屈、地獄大切〉ーー『ヘル』をめぐって
特別付録 筒井康隆のすべてを知るための49問49答
出典は「本の話」2003年12月号
筒井康隆『ヘル』は、残念ながら電子書籍化されていません。

作家の「楽屋噺」です。
「ボクのミステリ作法」の〈実作編〉を「創作ライブ中継」と評しましたが、「筒井康隆のすべてを知るための49問49答」は、筒井康隆・解体新書です。
49の質問内容は、
「ヘル」に関しては、執筆時間はどのくらい? 構想何年?
アイデアの出所は? 文章の音の大切さについてとか(けっこうマニアック)
ありえない虚構を描く・・・「虚構を作り出す魔術」について・・・・・
アイデアを思いつくのは、いつ?
結末を決めて書くの?

「夢」は毎日ご覧になりますか?
夢日記、つけてる?
「思考実験」について・・・・・
「興奮状態をコントロールするには・・・」
「発想―の転換に役立つのは・・・・

「古典がおもしろい」というセクションがあります・
「英文学や仏文学の古典」について・・・・・
読書歴から欠落しているものがずいぶんあって・・・
『ディヴィッド・コパフィールド』
『ゴリオ爺さん』
『失われた時を求めて』
うんー、長年、本棚に鎮座していました。巻数が多くて読み出せない、踏み込めない迫力の存在でした。づっーと強迫観念に囚われていた記憶があります。
結局、読んでいない・・・

古今東西の傑作は?
『日はまた昇る』
パパの作品、『武器よさらば』と『誰がために鐘は鳴る』と混乱していて、ゲ―リー・ク―パーの顔が浮かんできて【イカン・イカン】
『ブッデンブロオク家の人々』トーマス・マン(読んでません)
『ナナ』エミール・ゾラ
ジャン・ルノワール監督の「女優ナナ」は観てますが・・・・・
バルザックの『人間喜劇』の中の『従妹ベット』

大江健三郎さんに薦められて読んだ『荒涼館』ディケンズ
BBCのドラマを観てます(曖昧な記憶だったので検索しましたやはりBBC)
『血の収穫』ダシール・ハメット
『マルタの鷹』は読んでますが・・・
映画を先に観て、原作もすごいってことで後から読んだ覚えがあります。
原作も映画も両方ともすごいという代表格です。

日本の若手作家で注目は?
作家を志そうという若い人にアドバイス

もちろん、「断筆」についてもふれていて、「断筆」前後

インターネットについて
役者として歌手として
にまでおよんでいます。

「これを書かずに死ねるか」と考えている小説のテーマは?で質問を締めくくってます。
けっこうズバズバ切り込んでおもしろい読み物です。

まとめ

赤川次郎は、目標の作家はグレアム・グリーンとはっきり答えています。
筒井康隆は、「古今東西の傑作は?」という問いに、
『日はまた昇る』と答えています。ヘミングウェイです。

「なるほど」と言えるほど、両者(赤川次郎とグレアム・グリーン)、
(筒井康隆とヘミングウェイ)を読み込んでいませんから、へェーというよりほかありません。

このように作者の好みというか、支えというか、よりどころというか・・・
知ってから読むと、ちょっと見方が違ってくるような気がします。

追記

「筒井康隆のすべてを知るための49問49答」から「創作の極意と掟」(講談社文庫)

「創作の極意と掟」は電子書籍になっています。
ちょっと、おもしろいことがありました・・・いずれ記事に【シランケド!】
こちらは読んでいませんが、「読書の極意と掟」もあります。
「読書の極意と掟」は「漂流 本から本へ」の文庫版だそうです。


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