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ダリ、スルバラン(ティッセン=ボルネミッサ美術館) inマドリッド

マドリッドと言えばプラド美術館というイメージが強いが、こちらのティッセン=ボルネミッサ美術館(Museo Nacional Thyssen-Bornemisza)にもぜひ足を運んでほしい!!
まずダリの《目覚めの一瞬前に柘榴の周りを蜜蜂が飛びまわったことによって引き起こされた夢》という、スカイブルーの空に浮かぶ虎に女性が食べられるんじゃないかと気が気でない作品があるのはもちろんだが、いろんな年代のいろんな作品が展示されているので、夢中になって飽きることなく見て回れてしまう。

想像していたより小さいサイズの絵でかわいらしかった

私が心奪われたのは、フランシスコ・デ・スルバランの《聖カシルダ》というこの作品。

目が離せない

可愛らしい女性の絵はいくらでもあるが、この絵は何というか話しかけられているような気持ちになってしまう。まるで生きているようで、魂がこもっていると言ったらよいのだろうか?自分のボキャブラリーではこう伝えるのが限界なのも情けないが、女性のたたずまいだけでなく、このドレスにも目が離せなくなる。スマホで撮っただけのこの写真でも、布に施されたきれいな刺繍が光に当たり輝いている様子が伝わると思うのだが、実物は手を伸ばして触りたくなるぐらいだ。言うまでもなく背景やドレスの皺の黒色の使い方も素晴らしい。
この美術館は期間を空けて2回行っているが、1回目に訪ねた時はセキュリティチェックはなかったが、2回目は荷物検査もありペットボトルの飲み物は持ち込めなかった。残念なことに美術品が狙われる事件が今でも起きているので、最近はもっと厳しくなっているかもしれない。そして今でもカバーも何もない状態で絵に近づいて見ることができるのだろうか。
一階にあるミュージアムショップは、ポストカードやポスターだけでなく、素敵な皿やアクセサリー、トートバッグもあるので、お土産を買いに行くだけでもおすすめだ。もちろんミュージアムショップに行くだけなら入場料は要らないし、ミュージアムショップのすぐ近くの階段を降りるとトイレにも行けるので、ここも貴重なトイレスポットだ。ちなみにマドリッドの真ん中でトイレに困ったら、レティーロ公園の中央にある池の北側にもまあまあ大丈夫な公衆トイレがある。ただし紙はないことが多い…。スペインはカフェのトイレでも紙がない所が多いので、トイレットペーパーを何重かぐるぐる巻きにしてジップロックに入れて持ち歩いていた。
トイレの話で終わりたくないのでこの話も!この美術館の中庭に素敵なカフェがあるのだが1人で入る勇気がなくて、帰りはいつも美術館の南に100mほど歩いた所にあるスターバックスに行っていた。地元の人が行くようなカフェの方が断然安いけれど、ちょっと疲れていて英語で注文したい時、日本のスタバで注文したメニューが懐かしくなった時は、海外でスターバックスも良いと思う。一人でチャイラテを飲みながら店内でゆっくりしているとあちこちから英語が聞こえてきた。

美術館の入り口。この向かいにはちょっとした木陰とベンチがあって座って休むことができる

ちなみに私がダリの作品でトップ5だと思うのが、冒頭で紹介したこの虎と女性の絵だ。なぜこの絵がダリのホームタウンであるカタルーニャ州じゃなくてここマドリッドにあるんだろう?そしてピカソの《ゲルニカ》もマドリッドにあるし、ゴヤの《裸のマハ》《着衣のマハ》もマドリッドにある。私が思うに観光客をマドリッドまで来させるためじゃないかと思う。スペイン人は賢い。