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myマグネット③パティオ・エレリアーノ・スペイン現代美術館 inバジャドリッド/スペイン

マドリッドから北西に車で2時間半のところにあるバジャドリッドという街に、パティオ・エレリアーノ・スペイン現代美術館 (Museo Patio Herreriano de Arte Contemporáneo Español de Valladolid)がある。
外観はいたって普通の建物だが、中に入ると古い修道院の回廊がそのまま使われていて雰囲気がガラリと変わる。美術館のために新たに作るのではなく、古い建物を有効活用していてそして『現代』美術館とは!このギャップのかっこよさに頭がクラクラしそうだ。日本にもこういう所があるのだろうか?お寺の内部が現代美術館とか、古民家が実は現代美術館とかそういう所があれば是非行ってみたい。

中庭に作品がある

館内に入るとスタッフが美術館の見どころや修道院の歴史のことを話してくれた。礼拝堂も是非見てほしいと言われたので、覗いてみることに。当時の状態に戻そうと修復されていないのがいい。時間が経過したことがよくわかるし、何故かここにいると気持ちが落ち着いた。古いものはほっとする。

礼拝堂も展示スペースとして活用されている
天井に本が刺さっている!

展示はというと、ちょっとシュールなものから、こちらの写真のように空間を大胆に使っている作品もあり、そしてセンスのある絵画もたくさんあって、現代美術館のあらゆるエッセンスをギュッとつめこんでいる感じがして目一杯楽しむことができた。

美術館のすぐ前には川があって、小さな遊覧船が行ったり来たりしていた。30人乗ったら満員かというぐらいのサイズだが、船内にはちゃんとバーがあった。ヨーロッパのこういう船にはたいていバーがあるので、疲れたらまず遊覧船に乗るのがおすすめだ。景色を楽しむためだけじゃなくて、船に乗っている間、思い思いに楽しむことができる。喉を潤してボーっとしてみたり、ビール片手に語ってみたり、デッキに出て風に当たりながらワインやカクテルをを飲んだりと、皆ゆったりとリラックスして過ごしている気がする。
ちなみにバジャドリッドで英語がかなり通じることにびっくりした。街の雰囲気もなんだか学術都市っぽい。マドリッドは観光地のど真ん中にある、写真付きの英語メニューが外に貼ってあるようなレストランなら英語で大丈夫だが、市内の中心地でも地元の人がよく来ているようなレストランでは、水とトイレぐらいはスペイン語で言えるようにしておいたほうがいい。旅慣れてる感じのイギリスやフランスの方々もスペイン語でささっと注文している人が多かった。そのほうがいろいろスムーズだからだと思う。

あ!バジャドリッドの綴り間違えています。
Valladolidが正しいです

美術館の話にまた戻るが、ミュージアムショップでポスターを眺めていたら、大好きなミロのポスターが出てきた。以前ミロの展示が行われた時のものだそう。ちょっと端が破れていたがせっかくなので買うことにした。スタッフの女性がこれ最後の一枚なの、だからこれしかなくてごめんねと眉毛を八の字にして悲しい顔をキュッとしてくれたのが可愛らしかった!ついでにミロの話も少しできた。この人も美術館が好きなんだなということが伝わってきて嬉しくなった。数分間の会話だったけど今でも頭に残っている。いつかまた行きたいと思う美術館だ。