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コロナだけじゃない?!ホーチミンで増加中の感染症にも気をつけて!(2020年5月4日)

季節モノの危険性

さて、そろそろ暑くなってまいりました。
そしてまだ雨季、とまでは言いませんけど、雨も時々降るようになりましたよね。そんな時に気をつけて欲しいのが、以前書いたこちら。

残念ながら水はけの悪い箇所というのは街のあちこちにあって、道が冠水する箇所も少なくありません。

上のリンク記事にあるように、水溜りには危険がいっぱい。なので、どうしても入る必要がある場合には、危険性を念頭に置いて、よくよく注意を払った上で。

そして今回は、別の危険性をお伝えします。

水溜りができると発生するもの

水溜りにより、間接的に増してしまう危険性。
それは、蚊の発生。

蚊が媒介するこの時期の病気といえば、デング熱。元々は東南アジアなど暑い国での発生率が高いとされていましたが、近年では日本でも感染例が見られてますよね。

いわんや、ベトナム。
実際、2020年5月時点でこのような状況らしいです。

なんてこと。
コロナがやっと一旦落ち着いたと思ったら、今度はデング熱が毎週100人以上発生してる???

って、この数字、実は現時点で例年に比べると少なめなんだそう。なんだかコロナに神経質になって、一日数人の感染者が確認されても「わーっ」ってなってたのを思うと、ウイルスによって受け止めかたや認識って色々なのねーと思っちゃいますね。


デング熱ってどんな病気?

蚊が媒介するこのウイルスは人から人へは基本的には殆ど感染しないそうで、まずそれが根絶とか隔離!とかにまではならない理由。そもそも蚊が運んでくるのが原因ならば、避けようがありません。

というわけで、とにかく蚊に刺されないようにするのが肝要。面倒ですが、コロナみたいに未知のウイルス、というわけじゃないので対策の立てようがあるのが救い。

自覚症状としては、いきなりの高熱が出て(38度以上)一週間ほどそれが続くなど。その他の諸症状としてはひどい頭痛、嘔吐、悪心、筋肉痛、関節痛、発疹などが。英語ではBreak Bone Fiverなんて言われることもあるようで、そのくらい節々が痛むんだそう。(私は未経験)

特効薬はないので、主に水分補給や解熱剤投与などの対症療法になる様子。私の周りにも経験者がそこそこいますが、なかなかきつい様子です。

症状が重くなりやすい人の傾向的として、なんと恐ろしいことに乳幼児!が挙げられており、これはなんとしても避けてあげたいところ。そしてこれは他の病気ではあまり聞かない特徴なのですが、栄養状態が良い子供も危険とか。え。普段から子供の栄養状態をよくするために、親御さん方は気を配っておられると思われるのにそれが仇になるとか?!

そして女性の方が男性よりも重くなりがちなんだとか。(子供じゃないけど)栄養をよく取っていて女性…ワタクシ、やばいです。

糖尿病や気管支喘息を持っている方が重症化した場合は命に関わることもあり、注意が必要とのこと。ホーチミンは正直空気が良いとは言えず、喘息ではなくとも、気管支の状態が良くないかたも多いようなので気をつけて。


解熱剤は勝手に飲んでも良い?

さて、対症療法しかないのならば、水分と栄養とって寝るしかない、となる方も多いかと思います。その際、お薬には気をつけて。

東南アジアであれば、飲んで良いのは「パナドール」。これはどこの薬局でも大抵買える解熱鎮痛剤で、東南アジア生活をしたことがある人だったら一度は耳にしたことがあるかも、というほどポピュラーなお薬。

なぜこのお薬が良いかというと、まず手に入りやすいことと、禁忌の物質(アスピリンやロキソニン、サリチル酸系のもの)を含まないから。

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パナドールは、アセトアミノフェン、という成分のものから成っているらしく、これはデング熱には安心なのだそう。まぁ…我々一般人はややこしい名前を覚えようとしても無理があるので、商品名の「パナドール」を覚えておきましょう。

錠剤だったりカプセルだったり、容量の大きいもの、子供用のものがあったりするようなので、適宜にお求めくださいね。日常の解熱鎮痛剤としても使えるので、家庭に一つ、買っておくと良いかもしれません。


デング熱かなと思ったら病院に行く?行かない?

さてコロナ時は、安易に病院に行かないようにというのが鉄則でした。対症療法しかないなら言っても仕方ない、と思いがちかもですし、それは今後コロナに限らず、そしてコロナの脅威が続く今後も続いていくはずなので、どちらにしろむやみに病院に行くのは引き続きやめたほうが良いと思いますが、デング熱かな?と思った場合はどうすればいいか。

Raffles Medical Ho Chi Minhの中島先生にお尋ねしたところ、

「発症後3日で症状改善なければ、もしくは急速に悪化して来たら病院に来ていただく、というのが基本ですね」

とのこと。
1日や2日ですぐに熱が引いた場合で、且つ他の症状が出ていない場合は、デング熱ではない可能性が高いかもしれませんし、そもそも人から人への感染は基本的にないとされている病気なので(全くないわけではない)自宅で休んで回復したら「よかったね」で終われますよね。

ただ高熱が3日以上続いた場合はデング熱であろうがなかろうが体力の消耗も激しいでしょうし、一度病院で診てもらったほうが良いのは明白、と私は考えます。体力は落ちているかもしれませんので、マスクなど、病院に行くことで他の病気をもらわぬ対策をして、診てもらいましょう。

または、オンライン診療と言う手もあると思います。

記事内にあるように、お手持ちの保険でまかなえるか否かは各自の確認が必要ですが、高熱時は出かけるのも大変。よかったら選択肢に持っておかれるとよろしいかと思います。


諸症状が表れた場合、診察を受けたほうが良い理由

さて、数日以上熱が続いた上に、デング熱に特徴的な症状も出たけれども、なんとか自力で直してしまった、という場合にも、私は診察を受け、それがデング熱であったかどうかを確認したほうが良いと思っています。

理由は二つ。

▶︎理由1 自分の誠意と周りの人の健康のために
デング熱は人から人への感染は稀なすが、デング熱でなかった場合、症状は治まってもまだウイルスを持っていた場合、特に近しい家族や同僚、ご友人に不用意に接していませんか?

これは私の経験談なのですが、我が家に泊まってもらった客人が、どうやら直近でデング熱を患ったらしい、ということがわかりました。ちなみに確認すると、診察は受けてなかった。

話の内容からほぼ「デング熱だろう」とは私も思ったのですが、素人判断ほど当てにならないものはない。何日も続く高熱と発疹、という症状はデング熱に限ったものではありません。節々の痛みだって、別の原因で熱を出した時にもあり得ること。他の伝染性の病気の可能性もあるのです。

なので殆ど治った後でしたが、我が家に泊まり続けるのなら検査を受けてほしい、とお願いし、デング熱であったことを確認してもらいました。人から人に安易に伝染するものではない、と分かれば引き続き滞在してもらうのに全く問題はないわけです。(デング熱だった場合、症状が治まった後でもその痕跡を確認できるテストがあるそうです)

しかし万が一、伝染性のもので、症状が治まったのちにも一定期間感染力を持つものだったら?そしてもし自分がホテルなどの大勢が住む場所に滞在している間に、意図せず多くの人を巻き込んだら…?

感染症の恐ろしさは、今回のコロナの事態で、それ以前とは大きく変わられた方もおられると思いますので、よもや「自分はもう治ったから人にうつしても関係ない、なんて思う人はいないと思いますが…知っておくべきですよね、自分が何の病気でその症状を患ったのか。

この経験を経て、軽い風邪とは思えない発熱や諸症状があった場合には、ドクターの指示を仰ぐの、大事だなと。もちろん先生が必要ないといえばそれまでですが、検査や診察を怠ったせいで、周りの人の体調を損なうなんて、こんな不誠実な話はありません。

というわけで、諸々の条件から疑わしい時は、検査に行くのが自分と周りの方のためである、と私は思っています。(コロナなど、全体の状態を見て安易に検査に行かないほうが良い、必要がない、という指示が専門家からある場合はもちろんそれに従います)

▶︎理由2 自分自身の命のために
デング熱の特徴として、

2度目の罹患時に重症化しやすい

という説があるそうです。
デング熱は何度もかかる可能性があります。知り合いに4度経験した、という方も。

デング熱のウイルスには型が4つがり、同じ型なら免疫機能が働くこともあるようですが(必ずではない)違う型にかかれば2回目、3回目の可能性があるそうです。その2回目に重症化例が多いのだとか(確実ではない)。

さて、そこで自分が不調を感じた時に、過去に一度デング熱を患ったことを知らないままに2回目に罹患したらどうなるでしょう。

不調を感じつつも、病院に行くのが遅れたりしないでしょうか。打つ手が特にないのなら寝て直そう、とタカをくくって、病院に行かないつもりになったりはしないでしょうか。特に海外は保険の手続きなどを煩わしく思い、病院に行くことに腰が上がりにくくなる人もいるようですし。

ではもし、自分は一度デング熱になったことがある、という履歴をしっかりと認識していたら、不審な熱や諸症状が少しでも見られた際に、重症化の可能性を考えて早めに病院に行こう、と思ったりしないでしょうか。

行ったところで特効薬はないとのことなので打てる手は限られているにしろ、素人が自分でそれらの方法をとるのと、プロのお医者様が適切に事態を把握し処置をしてくれることに比べられるわけもなく。

私、まだいっぱい食べたいものがあるし、旦那さんとも一緒にいたいし、いろんな世界も見てもっともっと書きたいことがあるので、自分の怠惰で自分の命を無駄にするのはまっぴらなんです。なので、デング熱らしきものに遭遇したら、都度、ちゃんと確認したいなと思っています。


とはいえ、かからない=蚊に刺されないのが一番大事

と、まぁ怖い話をしましたけれども、要は、デング熱にかからなければいいのです。かからないためには、蚊に刺されないようにすれば良いのです。ちなみにワクチンはないそうです。というわけで、

蚊に刺されないこと、一択。

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まず、草木や水溜まりを避ける。
家に植木などある場合は蚊を発生させない。
蚊がいそうなところに行くときは肌を露出しない。

蚊は色の濃いものに寄ってくる習性があるので明るい色の服を着る、なんてのも一般的。でもいつもってわけにも行かないだろうし、蚊の居そうなところに行くときは虫除けを使う。

ハッカ油やティーツリー、レモングラスの香りなんかも蚊は嫌うそうなので、例えば、

こちらで売っているココナツバームにもレモングラスの香りなどがありますから使ってみるといいかもですね。

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そもそもお肌に優しいものなので(私は洗顔後このココナツバームだけです)薬剤を使うときの不快感や肌荒れも心配が小さいです。あとは…

足の裏をアルコール除菌シートなどで拭く、またはよく洗う。

そう、数年前、あまりに蚊に刺される妹さんを蚊から守ってあげたくて研究を重ねた高校生の男の子が発見した、蚊よけの方法。足の裏の常在菌が多様にある人ほど、蚊を刺激して刺されやすくなる、という、目からウロコの研究結果、覚えてます?

田上大喜(たがみだいき)さんと言われます。近年こんな妹想いなお話があったでしょうか。いや、おそらくは好奇心とかご本人の研究欲が突き動かしたこともあったと思いますが(笑)、これ、世紀の大発見。

完璧じゃないにしても、実際これを実行して蚊の被害が減った、という方の話は多く聞きます。ましてや今はみなさん、コロナ前に比べて手洗い、完璧にできるようになってますよね?アルコール消毒も、コロナ以前よりグッと身近になった方も多いのでは?だったら…

だったら足の裏も綺麗にしましょう。
それで蚊に刺される確率がずっと減るというのですから。そして私はこれ、デング熱対策のために、というわけじゃなかったのですが…

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ここ半年ほど、足洗いマットを使ってます。これがすんごい気持ちいいの。

慣れない内は足の裏が敏感すぎて、マットに足を置いただけで「ひょほーっほっはっへっほ!!」となり1mmたりとも動かせませんでしたが、徐々に徐々に慣れていき、朝シャワーを浴びる際に除菌力のある液体ソープを使ってワジャワジャ洗ってます。これがスッキリする!

ただ朝一度洗ったくらいでは数時間後に常在菌はまた付着した状態になるので、洗えない環境にいる時、出かける時は、アルコール除菌シートでこまめに拭くといいかもですね。


怖すぎないけど避けましょう

デング熱は人からうつされたり、人にうつしたりという心配がない代わりに薬もないので、かかってしまうととても辛そう。また一度かかったからといって2度とかからないというものでもないので、避けるが懸命。ましてや小さいお子さんはぜひとも守ってあげたいところ。

蚊が増えて来るこれからのシーズン、また素敵なガーデン席があるカフェやレストランに行く際にはお気をつけくださいね。

2020年5月4日
ちぇり



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