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【保存版】🍒「景気循環」と「セクターローテーション」を理解できていますか?🍒 ✨景気が良くなって株を買ったのに儲からない理由✨ここを理解すればいつ何を買えばいいのか判断できるようになる✨初心者にも分かりやすいように図解

今回は、2021年秋からの状況を振り返り、これから先の株式市場はどうなっていくのか、景気サイクルと株式市場サイクルについて説明していきます。

■株式投資を始めたのに儲からない?

2020年〜2021年には株式投資を始める個人投資家が増えました。コロナ禍で巣篭もり需要が増えたことや、日本のネット証券会社でも米国企業の株が簡単に購入できるようにななったことも後押しして米国株を買う初心者投資家も増えたように思います。しかし、2021年後半から株式市場が低迷するにつれて投資の話をする人は少なってきました。米国の政策金利の利上げペースが強まり景気が後退して株式市場が下落して興味がなくなったのでしょう。

米国の株式市場は2021年11月から大きく下落してきました。
ダウの下落率は「−20%
SP&500は「−24%
ナスダックは 「−35%」も下落しました。

2021年から始めて100万円を投資に突っ込んだ個人の現在評価額は70万円程になっているかもしれません。

景気が良くなって株式投資を始めたのになぜか儲からない?
米国株が良いと聞き買ったのに今は含み損マイナス。
やっぱり株に手を出すんじゃなかった。
と感じている個人投資家は少なくないでしょう。

1.2022年の米国主要株価指数の状況

米国株市場主要3指数の下落状況は下の図のとおりです。

ダウ(2022年)
S&P 500(2022年)
ナスダック(2022年)

2.政策金利はなぜ重要か

金利が上昇すると株価は下がります。利上げされると企業の借入金の支払い利息が増えて企業の収益は圧迫されます。金利が上がれば借入れもしにくくなり、資金がなければ事業を縮小せざるを得ません。それにより売上げや利益が減り業績が伸び悩み株価もさがります。
投資家も株価が下がれば資金を待避させます。安全性を求めて預貯金へお金を移す人も増えていきます。金利が高ければ預貯金の方が利息がつくから当然の流れです。

経済の動きは「政策金利」でコントロールをしていきます。背景には様々な要因がありますが、分かりやすいのはインフレを抑えるためにFRB(米連邦準備制度理事会)が行う政策金利の利上げがあります。FRBは景気が拡大しすぎて物価が加熱すると「インフレ」を抑制するために利上げを始めます。政策金利を決定するために開かれる会合がFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場関係者はFOMCの発表には常に耳を傾けています。

FOMCは米国が持続的に成長するために、米国雇用の最大化、物価の安定、長期的な金利の見直しを行っています。また、米国ドルは世界の基軸通貨であるため影響は相当大きくなります。米国金利が上昇すれば米ドルが買われドル指数も上昇します。急激に円安が進んだのもこの影響があります。日本だけではなく他の国も同様です。

ドルインデックス(2022年)

3.FOMCの政策会合

フェデラルファンズレート(米国政策金利)
FFレート
とよく言われています。詳細の説明は省きますが、FOMCは連邦準備銀行の準備金の需給を調節し、FFレートの誘導目標を変更することで金融政策の決定をしています。そしていま、FOMCは政策金利を5%まで調整しインフレを退治しようとします。そのためにはリセッションも避けられないと覚悟しています。いわゆる景気後退(リセッション)が訪れるわけです。

FFレート(今後の市場予測)

政策金利の予測はここのサイトで確認ができます。https://www.cmegroup.com/ja/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

まだ米国経済指標は強さを示す結果が多いですが、徐々に経済にマイナスな報告も出てきています。ということは、株式投資するチャンスが近づいていることになります。理由は景気後退するとFRBが政策金利の緩和をするからです。もちろんそれだけではありませんが「金利の影響力」は株式市場にとっては最も注意すべき要素です。利上げは景気循環にも大きく影響を与えます。

今日は「景気循環」と「セクターローテーション」について理解してください。株式市場は景気に先行して動きます。6ヶ月〜9ヶ月ほど先行すると考えてよいと思います。そのサイクルを理解して投資に役立ててもらえれると嬉しいです。


■【景気循環とは】

ビジネスサイクル(景気循環)いまどこか?
景気循環を 理解していると株式投資 を する 際に役立ちます。投資には主に「債権・株式・商品」があり『買い時』と『売り時』もそれぞれ異なります。

Martin J. PringのIntermarket Review(www.pring.com)から循環マップを学んでみましょう。

下のグラフ(図1)は、理想的な景気循環通常のインフレ環境下での市場の関係を示しています。
債権:Bonds(ボンド)
株式:Stocks(ストック)
商品:Commodities(コモディティ)

図1:景気循環カーブ(Cherio Technical Teams)

景気循環は正弦波で示されています。最初の3段階は経済縮小のステージで「弱まり▶底打ち▶強まり」と進んでいきます。第3ステージは、縮小期にある経済が底を打って強まり始めることを示しています。正弦波が中心線を上抜けると、景気は縮小期から景気拡大の3段階で「強含み▶頂点▶弱含み」と移行します。
ステージ5→6では、景気拡大局面となりトップを付けたあとに弱含みへ転じます。

ステージ1:経済縮小

経済が縮小するとFOMCは利下げの調整を始め金利が低下し「債券」が上昇に転じます。景気の低迷は、金融緩和と金利の低下につながり「債券」は強気になり買い場が始るのです。

ステージ2:経済と株式市場の底打

経済と株式市場の底打ちを意味します。
景気の悪化に歯止めがかかっても、景気拡大/成長局面にはなりません。しかし「株価」は景気縮小期が終わる前に底を打ち、拡大局面へ向かい始めます。「株式」の買い場が訪れます。

ステージ3:景気拡大の準備段階

景気が大きく改善し、景気拡大局面に移行する準備段階です。
「株価」は上昇し「産物/商品」も上昇に転じ、景気拡大局面を予感させます。「商品」の買い場もやってきます。

ステージ4:本格的な景気拡大期

本格的な景気拡大期です。
「株式」も商品も上昇しますが、景気拡大でインフレ圧力が高まるため「債券」は下落に転じます。このため金利は上昇に転じるでしょう。「債権」のポジションを少なくする準備をしていきます。

ステージ5:経済成長のピーク

経済成長と株式市場のピークを迎えます。
景気拡大が続いても、金利上昇と商品価格上昇の影響を受け、経済成長のペースは鈍化します。「株価」は、景気拡大が終了する前にピークを迎えることで、景気縮小局面になります。「債権・株式」のポジションを少なくする調整をしていきます。「商品市況」は堅調に推移し、株価の後にピークを迎えるでしょう。

ステージ6:景気縮小の準備段階

景気循環が拡大局面から縮小局面に移行する段階に入り、景気が後退していきます。この時「株価」はすでに下落しており「商品」も景気悪化による需要減退を見込んで下落に転じます。キャッシュのポジションを増やして利益損失を回避します。

これがインフレ環境下での理想的な景気循環です。
ステージ2→3では、「株式」と「債券」が共に上昇。
ステージ5→6では、「株式」と「債券」共にに下落。
(デフレ下では『債券』と『株式』は逆の動きをすることになります)


では、株式の産業グループ別に見るとどうでしょう?

■【セクターローテーション】

景気循環は「株式市場のセクター」「産業グループのローテーション」に影響を及ぼします。景気循環の特定の局面では、特定のセクターが他のセクターよりも優れたパフォーマンスを発揮します。

『常に市場のどこかに上昇セクター』があると言われるのはこのことです。景気循環を知ることで適切なセクターを把握して、投資のパフォーマンスを上げることができるのです。

図2:セクターローテーション(Cherio Technical Teams)

上のグラフ(図2)は、景気循環を「青色」株式市場循環を「赤色」で表しています。そして最もパフォーマンスの高いセクター「上部」に表示しています。

◇ 景気循環の4つの局面

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