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舞台と観劇についての徒然

扉写真:R6.4.10
『将棋無双・第30番〜神局のヴァンパイア〜』初日
"叛逆の逆十字" 反転

『第30番』については、昨年の『将棋図巧・煙詰―そして誰もいなくなった―』にも出演していた真田林佳さんから匂わせがあった時点から、今年1番の作品候補になり得ると期待していた

そして今野美彩貴さんの出演が決まったことで、私の中でツートップに位置する二人の共演が実現、期待は最高潮に達した

現地上野ストアハウスでの観劇、アーカイブ配信終了までずっと気持ちが高ぶり続けたことは、これまでに経験したことがない

早くも今年1番、いやこれまで観劇した中で1番の作品となるような気がしている

『煙詰』については、1年を経て振り返ったとき、前回の記事で示したように当時の感情を見直さなければならなくなったことの他、関係者側の姿勢で気になった点もある

具体的には、昨年4月16日の『煙詰』金班千穐楽において、予定にないアドリブがあったらしいということで、これは9日に一度現場で、また配信公演も観ていた私にも分かった

千穐楽だから特別なことをしようというような意識が一部のキャストにあったのかと思うが、そういう考えには賛否両論あると思うし、私個人としては否に偏っている

舞台に限らずコンサートなどのエンターテインメントで同じことが言えるが、世の大多数の人は、仕事や家庭など様々な事情がある中で、都合がついた1回限りの参加になる場合がほとんどだと思う

『煙詰』の懸念が『第30番』で繰り返されないかを不安に思っていた私は、『第30番』本番前、僭越ながらりんちゃんの配信でこの話題を出し、ツイートもした

りんちゃんは「千穐楽がゴールじゃない」と賛同を示してくれたと思うし、美彩貴さんも「信じていてください」とリプをくれた

実際、10日初日、13日夜、14日昼、夜大千穐楽と4回観劇していて、りんちゃんと美彩貴さんだけでなく、キャスト全員が毎回変わらぬ全力でステージに立っていたと受け取れたし、信じてよかったと思った

堂本光一は主演舞台『SHOCK』において、毎年のように「チケットが取れない、1回しか来られない人がいる」「千穐楽だからとか、何回記念とか意識していない」と言う

『Endless SHOCK 20th Anniversary』より JEBN-0307

彼のような第一線にいる人も、小劇場メインの役者であっても、「1回1回の公演を毎回全力で臨む」という魂を持つ人こそ本物であると思っているし、その魂が観る側にも伝わるのだと思う


翻って、観る側の意識はどうか

小劇場界隈を見渡すと、先述のような大多数の人とは逆に、可能な限り自分の都合を動かし複数回観劇に来る人の方が多いような気がするし、私自身もそうだと思う

ただ、そういう人の中には何を目的に来ているのか分からない場合もある

ある役者の人のある舞台での面会時、雑談の中で私は以下に述べる内容を話したことがある

ただ金と時間だけは有り余っていて、若い女性を追いかけて満足しているだけの人物もいるだろうし、最前列を取っておきながら眠りこけている人物もいる

私は個人的にそういう人物とは同じになりたくないし、馴れ合いたくもない

大切なことは、役者や作品から何を受け取り、返すことができるか、自分の軸で考えることだと思っている、と

そこで分かったのは、役者側も「真剣に受け止めてくれる人に見てほしい」という意識があることだ

役者の中には、何しに来ているか分からない客を甘やかしたり、金づるとしか見ていないような人物がいることは否定できまい

そんな役者はいずれ淘汰されるものだし、私も本物こそ応援したいと思っている

私はただ、好きになれた人に感謝の気持ちを持ち続けていたいだけだ」に名前を挙げた4名の方々には、4月に続き5月もお会いすることができる

話をしたその人にも強いポリシーと魂を感じ、いずれまたお会いしたいと思っている

その人が命を削って表現したものに感動を受け、自分の中で咀嚼し言葉を紡ぎ、また返していく循環ができる人への感謝とリスペクトを忘れない

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