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「主体的・対話的な学び」との、現在のズレ

 生徒への教育が独善的、個人経験論、独りよがりにならないようにと某通信講座で心理学を勉強しています。その中にあった「教育調査」の話に、目が留まった項目があったので、備忘録作成。

 それは、

『「主体的・対話的で深い学び」の視点で求められる資質や能力は、現在よりも1997年当時の教育観に近いのではないか』(中学)

という分析です。

これは個人的に、「何だか新しい教育を求められている気になっていたけど、私たちが受けてきた教育を、今の生徒にすれば良いのではないか」「何も新しいことではなかったのか」という感じになりました。

そこで、その章を読み進めていって、具体的にどういうことなのかをみていくことにしました。

冒頭の分析は

【学習指導基本調査】https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4801

の結果から見出したものです。この調査の詳細は割愛しますが、日本の学校に関わる公的な調査(小中高校における学習指導の実態と教員の意識について)の一つです。いろいろなデータが掲載されているので、興味のある人はぜひ見てみてください。

その中の一つ、「教員の教育観の変遷」という項目で、以下のようなことがわかります。1997、2010、2016年の比較です。

●「得意な教科や領域の学力を伸ばす」が減り、「不得意な教科や領域の学力をつけさせる」が増えている。

●「子供の持っている可能性が開花するのを支援する」が減り、「一人前の大人になるために必要なことを教え訓練する」が増えている。

●「教育内容を精選して教授する」が減り、「幅広い知識を教授する」が増えている。

2000年代の学力低下問題がきっかけで教育観が転換したと考えられるが、いま求められている教育観は1997年当時の教育観に近いのではないかと分析されている。

ま、ほとんどの生徒が高校に進学するいま、中学では個性を伸ばすよりも、全体的に学力を上げて高校に合格させるのが考えの中心になっているから、そういう意味でも無理はない。「高校入試からの学歴主義」が変わらない限り、そこまで大きな教育変革は起こせないのではないかと思う。けどやらなきゃなんですけどね。


この他にも【学習基本調査】https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4862

こちらは小中高校生の学習に対する意識や実態調査。こちらでは、例えば生徒が好きな授業形態について、という調査があり、さらっと書きますが、

「黒板を使った授業」は年代による大きな変化はないが、成績上位の生徒ほど好き、というデータがある反面、「グループで何かを考えたり調べたりする授業」はその成績の層でも好きと思う大差はない、というデータが出ていたりと、教員が授業を行う上で参考になるデータが掲載されています。


いままでこういうものがあることを知りませんでしたので、知れたことだけでも成長!そして、「高校は?」と思い、高校生について調べたところ、中学のそれとは違う傾向にあることもわかり(ここでは省略)、そして某通信講座での解釈と、この調査を分析している会社の分析が異なっている(視点が違っている)ことも知り、いろんな面で勉強になりました。

やっぱり「知ること」って大事です。

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