メーカー研究職とキャリア
今回は、研究者のキャリア・キャリアプランについて。
主に若手研究者の方々向けに書いていきます。
前提
一般にキャリア構築の考え方には、
「山登り型」と「川下り(いかだ下り)型」があると言われています。
言葉のイメージ通りですが、
山登り型は、目指すキャリアのゴールを見据えて働いていく。
川下り型は、会社の移行や社会の流れにキャリアを預けて与えられた場所で働く。
しかし、山登り型でキャリアを形成したいと思っても、
キャリアの大部分、約8割は偶然によって決まると言われています。
(計画的偶発性、クランボルツ教授ら)
つまり、前提として理解しておくべきは、
「そもそもキャリアは、川下り型」
ということです。
キャリアプラン
しかし、自分の進んでいきたいキャリアをイメージしながら働くことは重要と考えています。
理由は以下3点。
・なりたい姿がないと、仕事における自分の行動指針が立たない
・上司面談等で説得力のある話ができず、嫌な異動に合う可能性が上がる
・一生、研究のプレーヤーで居られる可能性は高くない
研究者から進んでいくキャリアには、以下のようなパターンがあります。
なお、この1年間で社内で観測した方々のキャリアのみを記載します。
・研究開発→管理職(自部署・他部署こともあり)
・研究開発→管理職→~部長・~所長
・研究開発→人事・企画・営業
・研究開発→製造部(生産管理や企画系)
・研究開発→転職してコンサル、別メーカー
もちろん、研究のプレーヤーで居続ける方も一定数いますが、
一般的な出世ルートから、いわゆる文系職への異動、
部門の異動、別業種への転職など、1年間でも様々なキャリアをお持ちの方々を見ることができました。
研究者になれた人たちは、ポテンシャル高めな人が多いので、
人間力(論理的思考、コミュニケーション力、等々)が評価されて、
どこにでも異動できるのだと思います。
ただ、本当に希望通りの異動をかなえるには、
それ相応の成果と主張が必要になるとは思います。
何が向いているのか
キャリアプランを考えるといっても、
自分は何が向いているのか、何をしたいのか、
自分で自分のことを掴めていますか?
掴めている人の方が少ないのではないかと思います。
これを見つけるためには、自己分析しかありません。
就活時代にやってみた自己分析を、
もう一度、今の自分で新しくやってみるのがいいと思います。
あの頃は、仕事を見つけられるかどうか、必死になっていたと思います。
そのため、その自己分析が正しくできていたか、非常に怪しい。
よくあるパターンとしては、ついつい自分の入りたい会社に寄せた自己分析をしてしまったり、ツールを用いた場合も、信じたい結果だけを信じてしまったり。
また、就活への不安を抱えたまま
行った自己分析ツールの結果が正しいとも思えません。
そこで、好きなこと、楽しかったこと、嬉しかったこと
嫌いなこと、つらかったこと、
得意なこと、苦手なこと、長所短所、などなど書き出しての自己分析。
これに加えて、自己分析ツール(16personalitiesやストレングスファインダー)を用いての自己分析。
両方やってみて、自分の能力と傾向を把握し、
キャリアプランを考えてみるのがよさそうです。
僕も社会人になってから、
意識的に自己分析を行うようにしています。
キャリアとライフ
働き方が見直されている昨今、
仕事と生活の兼ね合いは重要な課題です。
キャリアもライフも重視する場合、
キャリア形成に自分のリソースを割ける期間は、
ある程度決まっているのではないでしょうか。
「今はライフ」「今はキャリア」と、
自分でどちらに注力する時期なのか定義することが大事かと思います。
また、ライフを特に重視して、
仕事の時間を最大限減らしたい場合。
キャリアのことを何も考えていないと、
意味もなく仕事の時間が増えてしまったり、
思いがけない異動に合ってしまう可能性が出てきます。
どんなキャリアを歩めば仕事の時間を最大限減らせるのか、
真面目に考えることが、
結果的に働く時間を減らすことにつながるのではないでしょうか。
何をすればいいか
じゃあ今、何をするべきか。
※ 若手の研究者向けです。
以下に3点示します。
1 キャリアプランを立てる
キャリアには色々なパターンがあると思っています。
上述の通り、スペシャリストになるだけがキャリアじゃないし、そもそも仕事を軸にしないパターンもあると思います。
自分に合うキャリアプランを常に考えましょう。
2 今の仕事で、1に向かうよう成果を調整する
「調整」です。
どの程度の成果を出せば、自分の目指すキャリアに辿り着きそうか予想し、行動しましょう。
きちんと自分なりのプランを持っていないと、調整ができないので、2よりも1が大事だと考えています。
3 上司との面談等で自分の考えを誤解なく伝える
自分のキャリアをうまく動かしていくには、上司の理解が不可欠です。
その理解を得る場は…面談ですね。
誤解なく伝えるために、しっかり考えた上で、言語化しておきましょう。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
一緒に理想のキャリアを掴みましょう!!
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