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【第二外国語】フランス語を一年間、学んだ感想と変化【新入生に向けて】

※この記事を書いているのはフランス語の基礎を一年間だけ学んだ
 一人の理系学生です。フランス語に精進した通訳さんや学者さん
 とかではないのでご了承を。


まず、大学の新入生の皆さん、合格、入学おめでとうございます。
さてこの時期に新入生を賑わす話題といえば「第二外国語」ですね。
ここでは私が一年間「フランス語」を学んできた感想と変化を
お伝えしたいなと思います。
フランス語を第二外国語の候補に入れている方の参考に
なれば幸いです。
Apprends le français! (フランス語を学ぼう!)


なぜ私がフランス語を選んだか

わたしは理系学生ですので周囲は基本的に
ドイツ語を学んでいる人が多いです。
ですが小さい頃からひねくれ者の私は「ほかの人とは少し違うことを学んで
希少価値のある人間になってやる!」と思いフランス語を選びました。
(まあ他にもフランス語を学んでいる理系の学生はたくさんいるので
希少価値も何もないのですが…)

さて、そんな何の信念もなく適当な理由で選んだ言語なわけですが、
これが非常に奥深く面白い。
そしてそれは、現在も私の生活にいい影響を与えています。
ではその変化を示していきましょう!

仏語のメリット その1:会話が楽しい!

個人差はありますが私はフランス語の音は本当に美しいと思います。
フランス語を最初に学ぶとき、英語と発音が全然違うことに
戸惑うと思います。
特に「e」や「r」なんかは本当に英語とは別物です。
ですがこの独特な発音がフランス語特有の流れるような話し方を生み出して
おり、つい声に出したくなるフレーズも多いです。
「ああ、言葉を話すのってこんなに楽しいものなのか」
と私は実感しそれは英語などのほかの言語を学ぶときも、話す事を意識するようになるなどいい影響を与えています。

仏語のメリット その2:仏語はグルメな言語

洋菓子が好きな方には特にフランス語を勧めたい。
製菓学校ではフランス語の授業は一般的なようです。
例えばフランス発祥であったり、関わりの深い洋菓子には、
エクレア(éclair)、シュークリーム(chou à la crème)、
クリームブリュレ(crème brûlée)、などがあります。

またこれらの料理の単語は非常に機知に富んでおり、
例えば普段私たちが使っている「カフェオレ」という単語。
これはフランス語で
Café au lait
と表現されます。ここで"café"はコーヒー、"lait"は牛乳、
"au"は"à"と"le"の二つの語の省略形で"le"は"lait"につく定冠詞(英語のtheに
近いもの)、àは「~に」「~の」「~をもつ」などを表す前置詞です。
つまり「カフェオレ」とは牛乳のあるコーヒーを示した語なわけです。

このようにフランス語は美味しく学ぶことができる言語で、グルメな方に
とってはうれしい言語でしょう。
(そして、フランスの製菓用語の深さは錚々たるもので「混ぜる」や
「切る」といった表現だけでも何通りもあるらしいです)

仏語のメリット その3:仏語はアートな言語

これは想像に難くないと思います。ルーブル美術館やオルセー美術館など
フランスは世界的な美術館を保持しており、
とても美的感覚に優れた国です。
特にモネやルノワール、ミレーなどといった印象派の絵画が好きな人にとっては、その原題ともに絵に触れることは、明媚な体験となるでしょう。

また広義的な「アート」としては音楽を抜きにはできないでしょう。
「オー・シャンゼリゼ(Les Champs-Élysées)」や「恋はみずいろ(L'amour est bleu)」といった歌い継がれる名曲は言語学習の支えにもなるはずです。
ドビュッシーの楽曲や、フランス国歌、現代的なロックミュージックに至るまで、フランス語学習では多くの文化的な感動も得られます。

仏語のメリット その4:歴史とのリンクが強い

私は理系選択でしたので正直中学までの歴史しか覚えていません。
しかし私のような歴史初心者でも社会契約説のルソーや三権分立のモンテスキュー、「我思う、故に我あり」のデカルトは知っているでしょう。

中世のフランスには現代社会の礎が非常に多く詰まっています。
もちろんこれら偉人の原著を読むことなど初学者にはできませんが、彼らの使っていた言語を学ぶ事には意義があるように感じませんか。

ちなみに私は化学専攻ですので歴史の観点でいえばシャルルの法則を発見したシャルル、定比例の法則を見出したプルースト、そして質量保存の法則を発見した近代化学の父、ラボアジェと共に生きた言語を学ぶ事に誇りを持たなければいけません。

仏語のメリット その5:国際的な価値が高い

2021年の東京五輪の開会式にエッセンシャルワーカーの方への敬意を示す
意味でお医者さんや看護師さんに五輪旗が引き継がれる場面がありました。
その際、紹介のアナウンスで"infirmière"(看護師)と聞こえ、
「あれ、フランス語だ」ど気づきました。
実はオリンピックではフランス語が公用語として定められているのです。

上記のように歴史があり、話者も多いフランス語は国際連合や欧州連合の
公用語として定められており、オリンピックに限らず、貿易や郵便といった国際交流の場での地位は圧倒的です。
場合によっては英語よりも地位が高い時があります。
国際性をアピールするには最適な言語だといえます。

仏語のメリット その6:理系が学ぶ意義もある

理系の方はやはり医学や科学技術分野での地位の高いドイツ語を選ぶ傾向があるでしょう。しかしフランス語も負けていません。
上記のように科学史において貴重な意義をもつ言語であると同時に
現代社会においても、特に自動車、航空宇宙、原子力といった分野では
フランス語を無視することはできません。
歴史や文学に疎い理系であっても学ぶ意義は十分にある言語だと私は考えます。

さて以上6つ、フランス語を学んで感じたメリットをあげました。
グルメやアートといった分野では大学の先生の紹介もあり感銘を受けたので本当に感謝しています。
しかしフランス語は難しい言語であることは間違いないです。
割と覚悟はいります。
主に2点その難しさを上げましょう。

仏語のここが難しい その1:文法が難しい

有名なところでは名詞に女性、男性という性別があることですね。
さらに性別だけなく単数か複数によって名詞や形容詞が変化します。

さらに動詞については私か、君か、彼か、彼女か、そして単数か複数か
それぞれに対応する動詞の変化を覚えなければなりません。
ある程度パターンはあるのですが言語学習者の最大の敵"例外"も多くあり
なかなか手ごわいです。

また私個人としては数字が難しいと感じます。
日本語や英語とは違い20の倍数ごとに変化する形をとるため、
現在でも慣れないです。

仏語のここが難しい その2:スペルと発音が難しい

さきほど挙げた牛乳という意味の単語"lait"
この単語のtは発音することなく、また"ai"という語も日本語の「エ」に近い発音になるためこの単語の発音は「レ」です。
このようにフランス語では語末の子音は原則発音しません。
また母音のスペルと発音の対応も英語とは全く違います。
そのため英語と同じような気持ちで取り掛かると大変なことになります。
また地味ではありますが「è」「é」「î」など、文字の上についている記号、
綴り字記号はライティングの際に苦しめられます。

まとめ

以上の通りフランス語を学ぶ事は感動的であると同時に時々、
苦しめられます。しかしどの第二外国語であってもそれは同じです。
私はやはり最初に述べた会話の楽しさを一番の理由にフランス語を学ぶ事をお勧めします。

もちろんドイツ語に中国語といったほかの言語を学ぶ意義も当然あるので、
皆さんが第二外国語学習を楽しんでいただけることを心から願っています。

では、私はフランス語の数字について再復習しなければなりません(泣)。
ご愛読ありがとうございました!

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