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ChatGPT公開から1年を振り返る

ケムファクと申します。
普段はプラントの技術者向けのブログを書いています。

ChatGPTが2022年11月30日に公開されて1年が経ちました。
ちょうど良いタイミングですので、どれくらい普及したのか?自分はどのように変わったのか?を考えてみました。

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どれくらい浸透したのか

Adobeが「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態」調査の結果を公開しています。対象は全国15歳~65歳の男女900名です。
また世代区分は以下の通りです。

・X世代:40-65歳
・Y世代:25-39歳
・Z世代:15-24歳

「生成AI」という言葉の意味を知っているのが2~3割、聞いたことある程度が3~4割です。
世代別では、Y世代が様々な生成AIに対して利用経験が最も高いそうです。
記事で取り上げられていた画像生成AIに関しては利用率の高いY世代でも11%です。Z世代は6.7%、X世代は2.0%です。

また2023年の新語・流行語大賞に「生成AI」がトップテン入り、「チャットGPT」がノミネートされました。

一部業界だけで広まっているような状況ではなく、全国的に広い世代で広まっていることが伺えます。にもかかわらず利用率が非常に低い状況です。

仕事に活かされている?

BlackBerryの調査によると、世界中の75%の組織が職場でのChatGPTなどの生成AIアプリケーションの使用禁止を検討または実施しています。

主な理由は、データセキュリティとプライバシーのリスク(67%)、次に企業の評判へのリスク(57%)です。
特に7割程度の最高情報責任者CIOや最高技術責任者CTO、最高セキュリティ責任者CSOが消極的なようです。その一方で効率化やイノベーションへ効果が高いとの認識もあります。

批判したくなる気持ちもありますが、詳細を知っている立場であるからこそリスクを取れない部分もあるのかもしれませんね。

自身の1年を振り返る

リリース当初からChatGPTを利用し始め、1年経つと自身でも変化が現れました。仕事の効率化以外を取り上げます。

「これはAIに聞いてよ」と人に思うことが増えた

人が調べ物をしているときに、すぐにChatGPTに質問すればいいなと思うことがあります。

例えば、「これはどうだったかな?」と話していたり、「これで合っているかな?」と話していたり、インターネット検索しても理解できずに困っている状況を見ると「ChatGPTにこうやって聞けば早いですよ」とアドバイスしたくなります。
今やAIはソースもしっかり示してくれます。

そのような人ほど、AIに対して「間違えるから使えない」「使い方が分からない」と言っている状況です。使っていないから使いこなせていないのが明らかです。

自分の周りから少しずつ普及していきます。

LLM(大規模言語モデル)に対する見方が変わった

ChatGPTが出た当初、学習した内容を咀嚼していつでも教えてくれる博士的な存在でした。検索ツールが置き換わる程度の第一印象です。
しかし、今ではLLMが様々な言語や媒体、ツール間を取り持つ重要な存在であると認識しています。

LLMが大規模言語モデルという意味に対し、LMM(大規模マルチモーダルモデル)という言葉があります。これは「テキストや画像、動画など、複数種類の情報を処理できるAIモデル」という意味です。
複数の情報・連携ツールを扱えば扱うほど、仲介役として大規模言語モデルが力を発揮します。

誰でも使えるツールを作る破壊力を知った

そもそもChatGPTの基になったGPT-3という言語モデルは2020年には発表されていました。ChatGPTの出現から時代が変わったのは、ユーザー数が増え、範囲が大きく広がったからです。

なぜGPT-3ではなくChatGPTがきっかけだったのでしょうか?

それは使いやすいチャット形式でツールとして公開されたからです。
GPT-3の性能は発表当初から話題になっていました。ただ今まではPythonなどでコードを書いて実装できる人しか使えませんでした。それがSNSを使う感覚で誰でも使えるようになりました。

チャット形式になり、「その道の専門家」や「アイディアマン」が自ら会話しながらAIを使えるようになりました。すると、AIの専門家では気づかない・理解できないようなChatGPTの潜在能力が現れるようになります。

ChatGPT画面イメージ

誰でも使えるようにすることの破壊力をChatGPTで学びました。
自身は技術者として設計し導入する立場です。出来る限り誰でも使えるようにすることで内部から活力を生み出すきっかけになるよう意識するようにします。

ちょっとした活用アイディア

先日、画像生成AIの1つであるDALL-E3を使って技術的なアイディア出しをしてみました。検索用途しか思いつかない、技術的に使いづらく仕事で活かせないという方は一度試してみてはいかがでしょうか?

最後に、孫さんの喝!

ソフトバンクグループの孫正義さんの生成AIに関する講演は大きく話題になりました。

人工知能の進化が進み、20年後には人と金魚くらいの能力差が人とAIに現れると予想されています。正確には人類叡智の総和とAIで比較しています。個々人で考えると更に差が出るはずです。

そんな未来が迫る中、会場の方がChatGPTを使っていない、汎用人工知能AGIを知らないことに対して「悔い改めた方が良い」「電気や自動車を否定するようなものだ」と強い言葉でメッセージを伝えられているのが印象的でした。

まだ動画を見ていない方はフルサイズで是非ご覧ください。

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