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理系学生は就活で「推薦」を使うべき?それとも自由応募で攻めるべき?【判断基準付き】

就活コラム

こんにちは、企業研究者のくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。

前回は『面接』に関してお伝えしましたが、今回は『推薦』に関する内容です!

■推薦って?自由応募と何が違う?
■理系学生が推薦を使うメリットデメリットとは?
■推薦を使うかどうかの判断基準ってあるの?

今回は、こんなお悩みを解決する記事を用意しました。

ここで解説する内容を把握してもらえれば、『自分が推薦を活用すべきか否か』がわかります。

『推薦を使えば楽に就活が終わる』と思っている就活生は多いかもしれませんが、推薦は必ずしもメリットばかりではない!

ということを事前に知っておいた方が良いと切に感じるため、あなたに当記事をお送りします。

ぜひ最後までご一読いただければ幸いです。


■ 理系学生の推薦にはどのタイプがあるのか?

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そもそも理系学生が就活で活用できる推薦にはどのようなタイプがあるのでしょうか?

大ざっぱな分類にはなりますが、推薦には以下の3種類があると考えます。

✓ 学部推薦(大学推薦)
✓ 教授推薦
✓ 後付け推薦

1つずつ説明していきますね。

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 ■ 学部推薦(大学推薦)
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大学が企業からの募集を受け付ける形式の推薦です。

各大学によって周知方法は変わると思いますが、私の場合は連絡用掲示板にしれっと貼りつけられていました笑

『推薦を希望する者は、各学部の進路相談担当○○(どこかの研究室の教授)に問い合わせること』

みたいな感じで、基本的には希望すれば誰でも推薦権が得られるタイプですね。

ただし推薦枠を超える募集があった場合は、学生同士の話し合いや、学部・院生時代の成績などで決定されるケースもあります。

この形式での推薦権を得ると、ESや研究概要といった書類選考をパスできることが多いですね。

(書類を出さなくて良いというわけではないですよ…!)

企業によっては書類選考だけでなく一次選考(グループディスカッションなど)も通過させてくれる場合もあるので、メリットは大きいですね。


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 ■ 教授推薦
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研究室の教授と、企業の重役の間にコネクションがあって、その研究室限定で募集がかけられる推薦形式です。

誤解を恐れずに言うと『コネ推薦』ですね…(ボソッ)

研究室がビッグラボであればあるほど、この形式の推薦を獲得できる可能性があります。

このタイプの推薦は教授と企業重役が繋がっているので、よほど失礼な就活をしなければ高確率で内定が出ます。

ただし内定が決まった場合、断ることはできません。(普通の推薦もそうですが)

教授の面子丸つぶれですし、逆鱗に触れて卒業までのサポートをしてもらえなくなるリスクすらありますので。

使うことによって得られるメリットも大きいけれど、後戻りはできない『一度限りの必殺技』のようなイメージがあります。(偏見です)

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 ■ 後付け推薦
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選考とは直接関係ないように見えて、実はかなり影響してくる推薦形式。

内定を出す直前に『貴社に入社します』という推薦状&同意書を要求されるタイプですね。

この推薦形式は当記事の主旨とずれるので詳細は割愛しますが、正直な感想を申し上げると、この形式を採用している企業は印象が良くないです。

良い企業であればそのような強制力を発揮しなくても優秀な学生は集まりますし、『後付け推薦=優秀な学生が来ない』と露呈しているようなものかなと…。

今はそういうことするとSNSで容易に拡散されてしまう時代なので、未だにこういう形式を取る企業はSNSにも精通していないとバレてしまいますね。

私はそれで就活時に嫌な思いをしたので、この形式を採用する企業には注意した方が良いと思います…!


■ 理系学生が推薦を活用するメリットとは?

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それでは『理系学生が推薦を活用するメリット』を解説しますね。

①:推薦で選考の一部をスキップできる
②:選考で落とされにくくなる(教授推薦のみ)

順々に説明していきます。

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推薦で選考の一部をスキップできる
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推薦を活用する最大のメリットは『選考プロセスの一部』をパスできることです。

特にESや研究概要の書類選考をパスできるのは本当に大きい!

なぜなら書類選考で落とされると『何が悪かったのか?』がブラックボックス化してしまうからです。

面接だと自分でなんとなく手ごたえはわかりますし、その面接で聞かれた内容を後学のために活かすこともできますからね。

納得して落とされるのと、よくわからぬまま挑戦権がはく奪されるのでは精神的ダメージに大きな差があります。

『面接にさえ進めればコミュ力には自信があります!』という人も多いと思いますので、そういう方にとって推薦は良い制度と言えます。

(何を隠そう、私もそのタイプでした…笑)


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選考で落とされにくくなる(教授推薦のみ)
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教授推薦に限りますが、選考で落とされる可能性が低くなります。

なぜなら『当社が欲しい技術を持っている学生に来てもらえる!』と企業が期待しているためです。

かつその研究室と良好な関係を築くためにも、その学生を採用するのはメリットが大きい。

例えば私が知っている超ビッグラボでは、就活していた修士学生全員が教授推薦で内定を獲得していましたね…。

(ほとんどの修士が博士進学するラボでしたが)

『羨ましい!』と思うかもしれませんが、そのラボは超激務で病む人も多かったので、その環境で耐えた人が獲得できる特権と考えれば納得できるかなと。

ちなみに、もしあなたが行きたいと思っている企業が教授推薦で挑戦できるのであれば、迷わず教授にお願いして受けさせてもらいましょう!

教授推薦は『早く教授に言った人が権利を受け取る』というケースもあるので、それを考えるとやはり就活は早く始めて準備を進めておくのが良いと思いますね。


■ 理系学生が推薦を活用するデメリットとは?(良いコトばかりではない)

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一方で、『理系学生が推薦を活用するデメリット』は以下の通りです。

①:推薦で受かったら断ることができない(大学と教授の面子が関わっている)
②:『自分は推薦もらってるから』と油断していると普通に落ちる
③:『就活はその一社だけ受けろ』とボスから威圧される(教授推薦のみ)
④:推薦のせいかESや面接対策がおろそかになる
⑤:推薦を取れなかった同期に妬まれる


『メリットよりも多いじゃないか!』と思うかもしれませんが、これは『推薦は良いことばかりではない』とあなたに知っていただきたいからです。

順々に説明していきますね。


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推薦で受かったら断ることができない(大学と教授の面子が関わっている)
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推薦は受かったら絶対に行かなければならないのがデメリット。

厳密に言えば『推薦は断ることができる』のですが、それによって失われる信頼はなかなか無視できないものがあります。

これは学部推薦・教授推薦の両方で言えることで、大学・教授の面子が関わっているからです。

推薦は大学・教授が『この学生は貴社にふさわしく、かつ本人も強く志望しているからどう?』と企業に紹介するもの。

その紹介には責任も伴っていますので、その学生が内定後に辞退でもしようものなら一大事になります。

大学や教授の信頼を失墜させてしまう可能性があり、以後その学生のせいで企業からの推薦が消えるかもしれません。

それゆえ推薦は『受かったら絶対にこの企業に行く!』という企業だけにするのがおすすめ。

間違っても『よくわからないけど働きやすそうだからここ受けよう』的な思考で推薦を獲るのはやめておきましょうね。

なお余談ですが『推薦で選考が進んでいたけど断った』という人を知っていますが、内定をもらう前の辞退ならそこまで大学・教授に悪影響は与えないそうです。

ご参考まで。

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『自分は推薦もらってるから』と油断していると普通に落ちる
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『推薦=内定への切符』ということではなく、油断していると普通に落とされるのが推薦のデメリットです。

むしろ推薦は『選考通過のハードルが上がっている』と考えてください。

なぜなら企業側から見たらあなたは『推薦者』

当然、自由応募で選考を突破してきた学生たちと天秤にかけられます。

『君は自由応募の学生と比べてどう優秀なの?』という前提で見られます。

それゆえ『自由応募の学生よりも確かに光るものがある』と示せないと、むしろ『期待はずれ』になってしまうリスクありです。

推薦は『選考の一部をパスできる“だけ”のチケット』ではないことに留意しましょうね!

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『就活はその一社だけ受けろ』とボスから威圧される(教授推薦のみ)
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教授推薦を使った場合に限りますが、ボスから『推薦使うんだからその一社だけにするんだよな』と言われるリスクがあります。

学生の就活を制限するというのは色々とアウトな部分もありますが、私の知り合いでその条件を承諾して1社だけ受けることにした人がいました。

が、残念ながら最終面接で落ちてしまって、泣く泣くドクターの道を歩むことに。

ドクターの道が悪いということではありませんが、その知り合いは博士課程に進むつもりが元々ゼロだったため、結局途中で博士課程を中退してしまいましたね…。

教授推薦はいきなり最終面接にいけたり、一見反則技のように見えますが、強力な権利にはリスクも伴います。

また前項で説明した通り、推薦は100%内定が出るわけではないため注意したいところ。

仮に最終面接からスタートする場合、むしろ事前情報なしの一発勝負で決める必要があるので、相当入念な準備をして臨む必要があるでしょう。

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推薦のせいかESや面接対策がおろそかになる
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推薦を使うと選考が通過して余裕が出るのか、ESや研究概要の内容がおろそかになってしまう人がたまにいます。

推薦を活用すると書類選考がパスできることが多いので、確かに『ESや研究概要に力を入れなくてもどうせ通るよね』と思ってしまう気持ちもわかります。

しかしいくら推薦とはいえ、ESや研究概要は提出する必要があり、採用側はそれをしっかり読み込んでいます。(それらの情報に基づいて質問するためです)

それゆえESや研究概要で適当なことを書いていると『なんだこれは…』と思われてしまう可能性があります。

せっかく推薦をもらったのに、いきなりマイナス評価スタートから始めるのは避けたいですよね。

だからこそ推薦を使う就活生こそ、ESと研究概要の質で自由応募の就活生を圧倒すべきです。

書類の段階で『おお…この学生良いね』と思わせることができれば、面接でも有利に進められること間違いなしですよ。

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推薦を取れなかった同期に妬まれる
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デメリットではないかもしれませんが、その企業の推薦を獲りたかった同期から嫉妬される可能性は留意しておくべきかなと。

企業1社あたり推薦を使えるのは、大学推薦でも基本的に各学部で1名ずつ。

教授推薦の場合は、その研究室で1名ですね。

つまり『推薦を獲りたかったのにダメだった…』という就活生の方が多いんですよね。

みんな口には出しませんが『なんで自分じゃなくてあいつが…』と思われていることもあります。

それゆえ推薦をもらった人は責任もってその企業に受かるべきかなと。

『あいつなら自分が推薦取れなくてもしょうがない』と言われるくらい満足のいく就活を目指しましょう!


というわけで推薦のメリット・デメリットについて解説しました。

ただ『メリット・デメリットはわかったけど、推薦ってどんな人が活用すれば良いの?』ということも気になりませんか?

個人的に『こういう人は推薦を使うべき』という判断基準があるので次項で説明しますね。


■ 就活で推薦を使うかどうかの判断基準

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就活で推薦を使うかどうかの判断基準に迷ったら、以下の基準に照らし合わせるのが良いと考えます。

✓ 本命企業が推薦を募集しているかどうか
✓ 博士課程に進学しようとしているかどうか
✓ 就活で楽をしたいと思っているかどうか(危険な発想)

1つずつ説明していきますね。

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本命企業が推薦を募集しているかどうか
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もしあなたの本命企業が推薦を募集しているのであれば、誰よりも早く行動に移して推薦権を得るべきです。

推薦権は学部や院の成績順で決められることも多いですが、早い者勝ちということも多い。

その場合は『先に手を挙げたもの勝ち』なので、周りの目を気にせず攻めるのが吉!

就活は『競争』なので遠慮する必要はなしです!

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博士課程に進学しようとしているかどうか
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もしあなたが博士課程進学の意思があり、でも就職にも惹かれている…という場合。

これは推薦を使ってみることをおすすめします。

『博士課程進学後でもこの企業なら行きたい』と思う企業があれば、修士の段階でその企業だけ受けておくという発想ですね。

もし受かったらそのまま行けば良いし、ダメでも博士進学がある。

推薦含め数社しか受けない前提なので、そこまで就活の負担も大きくないです。

『博士課程進学でも全く問題ない』という就活生の『攻めの一手』として推薦は有用と考えます。


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就活で楽をしたいと思っているかどうか(危険な発想)
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そして最後に『就活でラクをしたい』と思っている時。

これも推薦を使うのが良いと思います。

ただし楽すべきは『選考プロセス』であり、就活そのものを楽しようとするのはNG。

なぜならあなたのライバルはみんな、死に物狂いで就活に臨んでいるから。

繰り返しになりますが、推薦を使ったからといって、それだけで自由応募の学生よりも優秀になるということはないです。

むしろ推薦を使っている事実が慢心を生み、結果として自由応募の学生に負けてしまう可能性だってあります。

ラクする部分はラクして、獲るべきところは確実に仕留めるという発想で望むのが吉です!


■ 推薦は使えるなら使うべし。だが推薦に依存しない就活が前提。

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というわけで『推薦』について解説しました。

推薦は活用できるなら活用すべきですが、推薦自体が必殺武器にはなることはないので、推薦に依存しない就活を前提に考えるのが大事ですね。

『とりあえず推薦使っておくか』という発想で推薦を使う前に、

✓ 本当にその企業は自分に合っているのか?
✓ 福利厚生などの『表面上の良さ』だけで選ぼうとしていないか?

ということをしっかり考えてから決めるようにしましょう!

(そのためにも、やはり自己分析が大事だなと強く感じます…!)


ご一読ありがとうございました!